新型コロナウイルスの感染拡大によりEC市場が盛り上がりを見せています。
そんな中、大手SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」シリーズを運営する株式会社フューチャーショップが2020年7-9月期の自社サービスの運営状況を公表しました。今回は、公表された数値を元にEC市場について考察してみます。
futureshopとは
futureshopとは、SaaS型ECサイト構築プラットフォームサービスです。
EC事業を行う場合、以下のケースが考えられると思います。
モールへ出店(楽天、yahooショッピングなど)
メリット
- 集客力が高い
- プログラミング、HTMLの知識がなくても出店可能
- 決済周りのアップデートは気にする必要なし(ショッピングモール側で対応)
デメリット
- ロイヤリティが高い
- 頻繁に変わるモールの規約に沿う必要がある。規約から外れると強制退店の可能性あり
オープンソースの利用(EC-CUBEなど)
メリット
- 自由にカスタマイズできる
- 月額コストを抑えることが出来る
- ロイヤリティは必要なし
デメリット
- 集客は自前で行う必要あり(WEB広告等)
- プログラミングの知識が必要
- 決済周りの変更、セキュリティの脆弱性対応は自前で行う必要あり
Saas型(futureshop,makeshop,カラーミーなど)
メリット
- 決済周りのアップデートは気にする必要なし(Saasサービス側で対応)
- 定期的に機能追加(無料、有料オプションあり)
- ある程度のカスタマイズ可能(オープンソース型ほどではない)
- ロイヤリティは必要なし(出店商品数などのプランによって月額費用は必要)
デメリット
- 集客は自前で行う必要あり(WEB広告等)
- 完全に自由なデザインは不可能。ある程度デザインは似通ってしまう。
ショッピングモールは自由度が低くロイヤリティが高いですが決済周りの変更対応は不要、反面オープンソースの場合は自由に出来る反面、決済周りのシステム対応・セキュリティ対応が必要で高度なプログラミングの知識が必要になります。SaaS型はショッピングモールとオープンソース型の中間といったところでしょうか。
futureshopをはじめとするSaaS型のサービスは売上に対してのロイヤリティは必要ありませんが、出店商品数によるプランは便利なオプション機能によって月額固定費用を支払って運用していく形になります。
2020年7月〜9月のfutureshop運営状況
2020年11月 2020年7月〜9月の運営状況が発表されました。
内容を抜粋すると以下になります。
流通額
2020年7月-9月度の流通額は382億円(昨対比140.57%)店舗数は2,700を超えました。
生活必需品が大幅増
以下の業種が大幅に業績を伸ばしました。
- キッズベビーマタニティ (昨対比199.32%)
- 水・ソフトドリンク(昨対比195.84%)
- 食品(昨対比185.06%)
- 車用品(昨対比308.90%)
- バッグ小物ブランド雑貨(195.45%)
注文状況
注文件数
昨対比166.15%。9月は落ち込んでいますが、昨年10月の消費税増税前の駆け込み需要が要因と思われます。
購入単価
購入単価は横ばいからやや減少。やはり消費増税前の駆け込み需要が要因か。
新規顧客利用状況
昨対比200%。今まで利用してこなかった層が増えている模様。
決済手段
現金が減少し、キャッシュレス・消費者還元事業が終了後もキャッシュレス決済が利用増加。
そのほかの詳細データは下記にて公開されています。
考察
私の考察ですが、コロナウイルスの感染拡大で外出を控えるようになったことと、ECを今まで利用してこなかった方が、使ってみて「意外と便利じゃないか?」と気づいたのではないかと感じています。
キャッシュレス・消費者還元事業も終了しましたが、こちらも現金よりも便利じゃないかという層が増え、定着したものと思われます。
現在新型コロナウイルス第3波が日本列島を襲っています。年末年始に掛けてのセール、外出控えによる巣篭もり需要からEC関連はまだまだ伸びると思われます。
EC関連事業、通販事業や、倉庫、物流関連の銘柄は投資対象として積極的に狙ってみては以下かでしょうか。