話題になっていたので購入。反面教師となる事例が多数掲載されています。
概要
モチベーションを高めるというより、「やってはいけない」ことをしないようにする。反面教師としての事例集です。
やる気は個人の問題ではなく職場の問題
最初はやる気のあった新入社員も、組織に染まってやる気をなくしていく。モチベーションを奪う要因を排除することが大事。
働き甲斐のある職場
- 信頼と性善説
- 権限委譲・自立性
- 心理的安全性
- 自主性・コントロール
- 関係の質
- 成果に応じた報酬
指示待ち人間を生んでしまうのは、組織が原因。頑張った人が評価されないと優秀な人から辞める。
やる気のない人が集まる負のスパイラル
良くも悪くも企業文化にふさわしい人間が集まる。明らかに人間的におかしな人間が上層部を占めている場合はやめましょう。
やる気を奪う上司
- 目を見て話さない
- 理由や背景を説明しない
- 一方通行の指示
- コントロールできる部分を与えない
- 話を聞かずに結論を出す
- 意見も提案も受け入れない
- 言うことに一貫性がない
- 感覚だけで評価
- 失敗を部下のせいにする
- 部下の仕事を横取りする
昭和です。
組織が疲弊していく会社
- 個人が仕事を抱えすぎ
- 仕事を押し付けあう
- 前例と成功体験から抜けられない
- 理念が言葉だけ
- 社長が忙しい
- 管理職が逆ロールモデル
- いつもぴりぴりしている
- 犯人探し
組織心理
普段何気なく使っている言葉がモチベーションを下げる。
- 協力会社、取引先に対して「業者」と見下したような言い方をする
- 他部署、上司、部下を見下したような発言をする
知らず知らずにうちに、組織内にいきわたる。
所感
一つ一つの事例を見ていくとどこかで目にしたことのあるような、あるあるの事例集です。
冒頭でもありましたが、セミナーや研修を受けてモチベーションを上げるというよりも、モチベーションを下げている要因を見つけて排除することのほうが重要との考えです。
やはり、「心理的安全性」が保たれていないことが組織が衰退していく要因となりうると感じます。
そんな中でも印象に残ったのは「言葉」です。普段何気なく使っている言葉がモチベーションを下げる要因となります。年配の方が思ったことを口にするのはもうどうしようもないので放っておくしかないのですが、前述したように当人の居ないところで他部署や上司・部下を見下すような発言をする。すると聞いている人間は「そうなんだ」という勝手な印象を持ってしまう。勝手な印象で思い込み・決め付けで負のスパイラルに陥る。割とよくある事例ですし、自分でもやってしまってるなぁと思いました。後は、取引先を「業者」と呼んだり雑な扱いをする、取引先でも年下だったらタメ口・命令口調・君付けで呼ぶなど、ちょっと考えられないような言動をする人がいます(現職のご年配のご老人や、前職の幹部の人たちですが)。
普段の言動が周りに与える影響は、自分が思っている以上に大きいため気をつけようと思います。