【書評】AI vs.教科書が読めない子どもたち

何かと話題のAI技術(あえてAIとは言わず、AI技術と言います詳細は後述)。著者はそのAI技術を用いて、「ロボットは東大に入れるか」と言うプロジェクトを進めてきた方です。恥ずかしながら、途中まで著者は男性とばかり思い込んでいましたが、女性数学者、新井紀子さんです。まだまだ思い込みが強い。

概要

「AI」は存在していない。AIを作るための技術、「AI技術」をもちいて世の中の困りごとを解決している。

現代のAI技術

コンピュータが得意なのは、ある一定のルールに基づいて、繰り返し・大量・高速に処理をすること。人間のように「空気を読んだり」「柔軟に対応」できない。

人間の言葉を理解し・人間と同様に理解するようなAIは何度も試みてこられたが、現代では諦められている。今は、大量データ=「ビッグデータ」に対して正解となる「教師データ」を記憶させ、正解に近い傾向をはじき出しているに過ぎない。

大量の「ビッグデータ」でごり押しできるくらいハードウェア・ソフトウェアの性能が向上したことで実現できた。

東ロボくんの挑戦

東大入試にロボットが挑戦。長文を理解して記述する問題については、なかなか正答率が上がらなかったが、ビッグデータでごり押しすることで、MARCHレベルにはなった。

ただ、「近くのおいしいイタリア料理店」「近くのまずいイタリア料理店」と言う検索結果はほとんど同じ結果となる。「まずいイタリア料理店」にて検索する人はほぼいないため、「近くのまずいイタリア料理店」とまずいを飛ばして検索するため。

教科書が読めない子供たち

読解力のない中高生の割合が多い(日本だけじゃない)。国公立大や難関私大に合格するような生徒は読解力が高いが、既に小学生の時点で完成された生徒が難関中高に通っている。

原因は今のところ不明。安易に、ネットで何でも調べられるようになった・ゲームが悪い・スマホが悪いなどとはいえない。

わからない単語があったら飛ばしてなんとなく文脈が繋がりそうな選択肢を選択する、選択肢を先に読んでから問題文を読むなど、問題文をよく読まない受験のテクニックが蔓延しているから?

AI vs 教科書が読めない子供たち

このままだと、ホワイトカラーのほとんどの仕事がAIに奪われる。

なぜなら既にロボットがMARCHに合格できるレベルにあるため。

データの入力、受発注管理、与信審査、などのホワイトカラー=事務職は今後かなり厳しい。言い方は悪いが、意味を理解していなくても出来る仕事なら大量・高速に処理でき、サボらず風邪もひかないコンピュータのほうが有利。

今後は読解力を身につけた人間が有利となる。

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所感

私自身は数学系の情報学部を卒業していることもあり、巷で話題となっているAIについて「何がどうやって判断をしているのか?」が不思議で仕方ありませんでした。「真の意味でのAI」とはドラえもんやターミネーターのスカイネット、マトリックスのような意思を持ったコンピュータのことで現代の技術では実現不可能なことが明言されています。

前述しましたが、現代のAI技術とは大量のデータでごり押しして「こう判断するだろう」という傾向を示しているに過ぎません。AI技術を導入するに当たっては、「教師データ」と呼ばれる正解データをこれまた大量に用意しなければならないのですが、その「教師データ」を準備するにも手間が必要なのです。

よく「AIが流行ってるからうちでも導入してなんかやれ」「そんな面倒な仕事はAIにやらせたらどうだ」とか言う人が言います。無知と言うのは恐ろしいですよね。わからないのに全くの見当違いなことを言います。そんな人に何を言っても無駄です。読解力がないのと同様に話を理解できない、理解しようとしないからです。

最近小学校で英会話・プログラミング教育などの導入が進んでいます。グローバルな人材・論理的思考能力を~と役所の偉い人は言いますが、私は真に重要なのは「国語」だと思います。東進の林先生もおっしゃっていますが、教科書・問題文が読めないと英語や数学の問題や説明を理解できません。

教科書や問題文をしっかり読んでいれば解けた問題を、「これは引っ掛け問題だ」「こういう問題のときはこういう風に答えるに決まってる」といちゃもんをつける人がいます。残念ながらこういう人は丸暗記することしか能がなく、AIに仕事を奪われる人です。

著書内で、読書と読解力には相関関係がないとおっしゃられていましたが、飛ばさずに本・新聞を読む、全体の流れを把握しながら想像しながら読むということを意識していきたいと思います。

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