【書評】映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレーーコンテンツ消費の現在形

話題になっていた本。NetFlixやYoutubeの倍速視聴をする人が増えているようですが、その心理とは。

概要

コスパ・タイパを求める若者たち。

観たというより知りたい

彼らは「観たい」というより「知りたい」「知っておきたい」。周りの話についていけなくなるから。マウントをとられる前にとりたい。

セリフで全部説明して欲しい

バラエティで異常なまでにテロップが増えたことや、ドラマなどで無駄なセリフが増えたのは会話のない描写や「間」を飛ばす人が増えたため。

失敗したくない

とにかく失敗したくない。長時間掛けて観た作品がつまらなかったら時間の無駄。時間を無駄にしたくないからネタバレサイトを見る。連続ドラマなら、面白くなさそうな話は丸ごと飛ばす、会話のない部分は早送り、飛ばす。

見たいものだけを見たい

スマホの普及で、「見たいものだけを見る」習慣が根付いている(当ブログでも何度かご紹介していますが、現在の検索エンジンでは個人の検索傾向・サイト訪問履歴などから個人個人に合わせた検索結果・おすすめ記事が表示される。スポーツ好きの男性には間違っても女性向けの化粧品の広告は表示されない)

自分が共感する情報と外れた情報に接すると拒否感を示すのが現在の世代。

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所感

読みすすめていて、途中から倍速視聴をする若者に対して、強烈な違和感と言うか嫌悪感さえ抱いてしまいました。まぁおじさんになってしまったということでしょうか(笑)。

著書内で登場されていた若者の中には、話についていけないからとりあえず全部見る、話が理解できないからネタバレサイトを見てから見る、会話のないシーンは飛ばす、意味がわからないものは面白くない、とちょっと理解ができないようなことを言っている人もいました。メディアお得意の面白おかしい人をピックアップして全体化していいるのかなと思いましたが、実は意外にも倍速視聴をしている人の割合はかなり増えてきており、これは笑い話にはならないと強烈な危機感を感じたところです。

特に話についていけないからとりあえず見るというのは、今の日本の社会をそのまま反映しているものと思われます。日本と言う国は同調圧力が異常に強く、平均点から少しでも上に行くと叩かれ、下に行くと見下される。極端に突き抜けて上に行くか、平均をとるしかないおかしな国になっています。

先日、キックボクシング 「那須川天心 対 武尊」戦がPPV売上27億円を突破したと話題になりましたが、本件に関しても「話についていけなくなるから」と言う理由で全く興味がないのに視聴した人が圧倒的多数のようです。私自身はPRIDE全盛期に総合格闘技にはまった世代ですので、格闘技に興味あるのですが、地上波放送がなくなりPPV料金5,500円は高すぎると判断し、視聴しませんでした。別に話についていけなくてもいいですけどね、だってお金を払う価値のないコンテンツに時間を掛けるほうがコスパが悪いと思いますし。

私自身も○○な動画やYouTubeでは倍速視聴やシーン飛ばしはしますし、ラジオのポッドキャストは通勤時間に収まるように1.5倍速で聴いています。

このまま行くと、すぐに答えを求める人が増える、本質を理解していないうわべだけの人が増えるような気がしてままならないのが正直な感想です。

その間にコツコツとやりたいことをやって出し抜いてやろうと考えるおじさんです。

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