先日ご紹介した、1659 iシェアーズ 米国リートの中で、リートの中にデータセンターを含むことを疑問に思っておりました。よくよく考えてみると、日本は地震などの災害が多い国でデータセンターとなりうる場所が限られる上、防犯上データセンターがどこにあるのかどれくらいあるのかわかりません。ただしクラウド化が進んでいる米国ならデータセンターがそこら中にあり、投資対象となるのはうなずけます。
今回は、以前からご紹介しているグローバルXシリーズからデータセンターリート&デジタルインフラ ETFの VPNをご紹介いたします。
VPNとは
データセンターリートやその他の通信ネットワークの成長を支えるデジタルインフラを運営する企業への投資を目指すNASDAQに上場している米国籍のETFです。
もともとVPNとはVirtual Priavate Networkの略で、社内イントラなどのプライベートネットワークを公衆回線にまたがって、あたかもプライベートなネットワークであるかのように仮想的に扱う技術のことを言います。
あくまでも個人的な感想ですが、情報量が増大する現代において、データセンター需要と次世代通信規格5Gを中心とした通信インフラ需要の高まりから、誰もが仮想的な通信回線を持って快適な通信環境を所有する世の中を目指すとの意味あいから「VPN」と名づけたのではないかと予想します。
運営会社 グローバルXとは
グローバルX は2008年創業のETFに特化した運用会社で、ニューヨークを拠点としています。世界の潮流への投資を目的としたテーマ型ETFと、安定した分配金獲得のためのインカム型ETFなどを提供しています。特定のテーマに沿った特化型のETFを多く提供しています。
特化型ETFとしては他に、サイバーセキュリティ関連銘柄のBUG等個人的に興味のあるETFもあります。
通常こういった銘柄に投資信託として投資しようとすると、結構な信託報酬を取られることが多いのですが、グローバルXはそこそこの経費率で投資可能です。
基本情報
配当月 | 6、12月 |
配当利回り | 1.49% |
経費率 | 0.5% |
基本情報は上記の通りとなります。6ヶ月に一回配当予定です。データセンターのREITを含むことからテーマ型としてはそれなりの配当です。
経費率は0.5%とまあまあです。
構成銘柄
構成銘柄については下記の26銘柄となっております。(2021年2月4日時点)
ティッカー | 銘柄名 | 構成比率(%) |
---|---|---|
CCI | CROWN CASTLE INTL CORP | 12.384 |
AMT | AMERICAN TOWER CORP | 11.779 |
EQIX | EQUINIX INC | 11.096 |
DLR | DIGITAL REALTY TRUST INC | 9.207 |
788 HK | CHINA TOWER CORP LTD-H | 4.959 |
COR | CORESITE REALTY CORP | 4.335 |
CONE | CYRUSONE INC | 4.281 |
GDS | GDS HOLDINGS LTD – ADR | 4.267 |
SBAC | SBA COMMUNICATIONS CORP | 4.231 |
NXT AU | NEXTDC LTD | 3.556 |
QTS | QTS REALTY TRUST INC-CL A | 3.419 |
VNET | 21VIANET GROUP INC-ADR | 3.193 |
WDC | WESTERN DIGITAL CORP | 2.705 |
KDCREIT SP | KEPPEL DC REIT | 2.484 |
UNIT | UNITI GROUP INC | 2.239 |
MU | MICRON TECHNOLOGY INC | 2.227 |
2344 TT | WINBOND ELECTRONICS CORP | 2.162 |
MCHP | MICROCHIP TECHNOLOGY INC | 1.965 |
TOWR IJ | SARANA MENARA | 1.948 |
NVDA | NVIDIA CORP | 1.928 |
AMD | ADVANCED MICRO DEVICES | 1.786 |
SWCH | SWITCH INC – A | 1.297 |
TBIG IJ | TOWER BERSAMA | 1.155 |
RADI | RADIUS GLOBAL-A | 0.623 |
1686 HK | SUNEVISION HOLDINGS | 0.571 |
おなじみのエヌビディアとAMDが含まれているのはもちろん、不動産投資会社が上位を占めます。
セクター比率を見ると、不動産会社が63%。
また、国別の構成でみると米国が圧倒的に多数を占めます。中国が一定比率を占めているのは注目です。
メリット
成長が見込まれるデータセンター系REITに投資できる
コロナショックにより、ホテル系は壊滅的、オフィス系はテレワークの恒常化によるオフィスの郊外移転などで、コロナ前の水準を取り戻すのはなかなか厳しい状況です。
今後成長の可能性があるのは、物流系と合わせてデータセンター・基地局を含む通信施設であり、伸び代があります。利回りが低いのは悩みどころですが、成長性はあります。
日本には一部総合型REITがデータセンターを保有しておりますが、特化型は存在しないため面白い存在といえそうです。
デメリット
経費率が高め
経費率は0.5%。QQQが0.2%ということを考えるとコストは高めです。
分散はあまり効いていない
構成銘柄数は26程度で、なおかつ米国が圧倒的多数を占めます。今後のデータセンターの開設状況次第では変化する可能性がありますが、銘柄数が少ないため特定銘柄の影響を受けやすいです。
まとめ
VPNというティッカーを最初に見たときに、通信関係のETFだと思ったのですが、データセンター&通信インフラということでITを少しかじっている人からするとちょっと紛らわしいです。
それでも、データセンターは物流系と同様にREITの中では拡大が見込める分野ですので投資を検討していきたいです。
※米国株、米国ETFは1株から購入可能です!!
興味のある方は少額から始めてみましょう!