日経平均は3万円を軽く超えていきました。ただし持ち株は、大問題児のはずだったコニカミノルタを除いて決算後に売られ続けている状況です。JTの減配、オリックスの無風に加え、フマキラー、ファイズHDの弱気見通し。
持ち株ではありませんが、好業績にもかかわらず売られ続けている銘柄がいくつかあるのでご紹介していきたいと思います。
今回はペンタブレットの老舗 6727 ワコム をご紹介いたします。
6727 ワコムとは
会社概要
いつもの通りwikipediaから引用です。
株式会社ワコム(英: Wacom Co., Ltd.)は、埼玉県に本社を置く、電子機器開発事業を行う企業。東京証券取引所第一部上場。
(中略)
パソコンの周辺機器、特にペンタブレット・CAD関連の製品を得意としており、2018年ペンタブレット業界では日本国内で98.8%(BCN発表データ)を占めるNo.1企業である。ペンタブレット関係製品で多数の特許を保有している。また、特許戦略に強みを持ち、一部の特許が期限切れになった際も関連技術の特許を持ち防衛体制の整備につとめている。社名は「ワールド」と「コンピューター」より。また「WA」は「和」に通じ、コンピュータと人間の「和」を目指すという意味がある。
wikipediaより
ペンタブレット世界シェア9割で圧倒的一位を誇る世界企業です。
主な事業は二つ。自社ブランドでペンタブレット等を販売するブランド製品事業と、スマホ、タブレットメーカーなどの他社にペン技術をOEM提供するテクノロジーソリューションです。
ブランド製品事業は、自社のペンタブレット、ディスプレイ、モバイルなどの機器の販売と、企業の文書管理システム、店頭でのクレジットカード署名用端末、役所での手続き用端末等のビジネスソリューション。
テクノロジーソリューションはOEM供給としてサムスンのGalaxy Noteシリーズ等がありますが、最近はレノボ、ファーウェイ、HP、東芝、富士通、ASUSなど、主要なPC、タブレットメーカーの採用されており、GoogleのChromeブックにもワコムはペン技術を提供しています。
競合だとiPad での Apple pencilがありますが、ペンタブレットを用いたデザインはiPadで完結せず、どうしてもPCでのデザインや複合的な作業が必要になること、またワコム独自の技術が手書きのペンに近い微妙な筆感を大事にするデザイナーに支持されていることから根強い人気があります。
最近のGIGAスクール構想・オンライン授業の恩恵を受ける企業でもあります。例えば、液晶ペンタブレットを配信側に導入すれば、教諭が液晶ペンタブを通じたオンライン黒板による授業が可能になり、児童・生徒クライアント側に導入すれば手書きで問題に解答することが出来ます。特にPC上で表現するためには複雑となる図形や数式も手書きで表現するができ、対面授業に近い教育環境が実現できます。
業績
株価チャート
それでは早速、株価と業績を見ていきましょう。
コロナショックで一時は値を下げるものの、堅調に推移。2020年度3Q発表にて通期上方修正を発表したものの、慎重な予想からか株価下落中。
過去5年業績
【業績】 | 売上高 | 営業利益 | 税前利益 | 利益 | 1株益(円) | 1株配(円) |
連17.3 | 71,314 | -1,171 | -870 | -5,534 | -33.9 | 6 |
連18.3 | 82,263 | 3,526 | 3,584 | 2,361 | 14.6 | 6 |
連19.3 | 89,499 | 4,151 | 4,149 | 3,851 | 23.7 | 6 |
連20.3 | 88,580 | 5,566 | 5,194 | 3,917 | 24.1 | 7 |
連21.3予 | 106,000 | 13,000 | 12,700 | 9,500 | 57.89 | 7.5 |
今期はコロナ影響による巣篭もり需要から大幅増益を予定。3Qでは上方修正して来ましたが、それでも通期の進捗率99%と超慎重な予想。更なる上方修正が見込まれますが、慎重な見立てから短気筋から売り浴びせられ、株価は下落を続けています。なお、四季報予想では2021年期はコロナ特需の落ち着きから減益予想です。教育現場におけるICT化の恩恵を受ける事業ですので、コロナ後の中長期戦略をいかに明確に出来るかが今後の経営の鍵となりそうです。
配当
配当は7.5円の予定。配当性向30%を予定していることから、増配の期待が高まります。(2021年3Q発表時点で15%)
株主優待
株主優待はありません。
まとめ
- 慎重な業績予想で急落
- コロナ後のビジネスモデルはいかに
コロナウイルスによって恩恵を受ける銘柄のはずなのに、慎重な予想で株価が下落する典型的なパターンです。他に同様のケースとしては、フマキラー、ファイズHDがあります。過去の傾向を見ながら、発表内容が強気か弱気か、決算発表後に上昇する傾向が強いか下落する傾向が強いか。
決算跨ぎをする場合は、過去3~5年分くらいは見ておいたほうが良いです。
あくまでも投資は自己判断でお願いします。