【株ブログ】5702 大紀アルミニウム工業所【杉村富生銘柄】

ザ・マネー水曜日 杉村富生氏一押しの銘柄のひとつ。最近の杉村氏推薦銘柄は当たることが多く、四季報ではスルーしたものの改めて調べてみると、順調に業績を伸ばしている企業であることがわかりました。

今回は、5702 大紀アルミニウム工業所をご紹介いたします。

5702 大紀アルミニウム工業所とは

会社概要

株式会社大紀アルミニウム工業所(だいきアルミニウムこうぎょうしょ)は、大阪府大阪市に本社を置くアルミニウムリサイクル事業などを行っている企業です。

沿革

1922年(大正11年)11月 二次アルミニウム製錬業を初代社長山本繁一が大阪市において創業。
1924年(大正13年)3月 合資会社 大紀アルミニウム工業所(大阪市浪速区)を設立。
1948年(昭和23年)10月 株式会社 大紀アルミニウム工業所(大阪市浪速区)を設立。
1979年(昭和54年)7月 株式を大阪証券取引所市場第二部に上場。
2007年(平成19年)3月 株式を東京証券取引所・大阪証券取引所の各市場第一部に上場。

事業概要

社名のとおり、 アルミニウムをリサイクルして製品の製造・販売を行っています。

アルミスクラップを改修した上で、各拠点にて集約。アルミニウム合金にはアルミニウムの他に様々な金属を含んでいるため、製品によって決められた割合を配合し、配合した原料を炉に投入して溶かします。

溶かしたアルミを型に流し込み固める所謂鋳造(ちゅうぞう)という手法によって、製品を整形します。

アルミの原料は、ボーキサイトと呼ばれる粘度状の鉱物です。ボーキサイトの主成分は、酸化アルミAl2O3ですが、残念ながら日本では産出されません。かつて日本では、ボーキサイトを輸入し、それを原料としてアルミニウムを精錬することも行われていましたが、精錬の過程には電気分解があり、大量の電力を消費します。原油価格が上昇し続け、電気代もそれに連れて上昇したことで、日本国内でのアルミニウム精錬は採算が取れなくなりました。

現在日本で利用されているアルミニウムは
・海外で精錬されてアルミ化合物として輸入された
・アルミ製品として加工された後輸入された
・リサイクルされたもの
しか存在しません。

アルミニウムは「軽金属」を代表する金属で、自動車の軽量化を牽引する材料としてプラスチックとともにすでにさまざまな部位へ採用されています。
アルミは、軽量化に加えて強度や加工性、耐食性、熱伝導、リサイクル性などの優れた特性も持つため、エンジンやパワートレイン部品に加えてボディや主要部品のアルミへの材料置換が行われています。

大紀アルミニウム工業所は創業から一貫してアルミニウムのリサイクルに取り組んでおり、再生アルミ地金では国内首位。近年では東南アジア向けに製販拡大しています。

製品の供給先の大部分を自動車関連(ホンダ)が占めるため、自動車の生産・販売動向に影響されやすい傾向があります。

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業績

株価チャート

早速、株価と業績を見ていきましょう。

コロナショックにより下落後は半年ほど低迷が続いていましたが、自動車の生産が回復の兆しを見せるのとの比例するかのように株価も回復。2021年3月期の連結経常利益は減益見込みから一転して前期比17.1%増の90.4億円で着地したこともあり、株価は急上昇。さらに、22年3月期上期経常を56%上方修正・最高益予想を上乗せ、通期も増額と絶好調。

しかし2021年8月19日にトヨタが東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大を理由に、9月の世界生産を4割削減するとのプレスリリース後、自動車に関連する銘柄が大きく株価を下げている状況です。
トヨタは通期の生産台数は据え置いているものの、半導体不足の影響も含めて、今後の動向が不透明な状況です。

PERは4.9倍とかなりの割安ですが、長年割安のまま放置されてきたこともなりPER高値平均は6.8倍。いまから投資するのは注意が必要。

2021年8月20日時点

PER6.48倍
PBR1.17倍
EPS256.3円
(予想)

過去5年業績

売上高営業利益税前利益利益1株益(円)1株配(円)
連18.3185,5866,8616,5984,490108.418
連19.3196,7498,1117,1255,058122.425
連20.3159,0797,7197,7235,586137.925
連21.3139,1949,2459,0466,142151.728
連22.3予213,40014,66014,50010,380256.336

過去5年の業績と予想です。コロナショックがありながらも、自動車をはじめとした製造業の急回復もあり5期連続最高益更新の見込み。ただし、新型コロナウイルスが世界的に収束の目処が立っておらず、特に東南アジアでの感染拡大に歯止めがかからないことから、自動車の生産が止まっています。上方修正した見込みどおりだと一株益256円となりますが、今後の動向にも注目です。

配当

配当は増配傾向にあります。

1株配(円)
連18.318
連19.325
連20.325
連21.328
連22.3予36

配当は前期から8円増配。このままの業績予想で着地するとして一株益256円で配当性向は14%。さらに増配があるかもしれません。

株主優待

株主優待はありません。

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まとめ

  • PER低め割安銘柄
  • 5期連続最高益
  • コロナウイルス感染拡大に注意

業績は絶好調で、PER割安、株価も手ごろと指標上は文句のつけようがありませんが、国内の株式市場に目を向けるとコロナウイルスの対応のまずさが目立つ政府を嫌気して株価は軒並み低調。さらに全世界的にコロナウイルス感染拡大の影響から自動車生産を減産するという、コロナに振り回される日々。

いい銘柄だと思われますが、注意が必要です。

あくまでも投資は自己判断でお願いします。

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