【殺虫剤】4998 フマキラー【上期偏重型】

新型コロナウイルス第3波が懸念される中、関係がありそうな企業をご紹介いたします。殺虫剤でおなじみフマキラーです。地元の会社ということで応援したい気持ちもありますが、殺虫剤が売上の大半を占めるため、夏季と冬季売上が大きく偏る傾向があります。ちょうど2020年2Q決算もありましたので内容を見ていきたいと思います。

4998 フマキラーとは

会社概要

フマキラー株式会社(英: Fumakilla Limited)は、東京都千代田区に本社を置く、殺虫剤など衛生薬品の製造・販売を行う日本の日用品メーカーである。

(中略)

なお、社名はfly(蠅)のフライの“フ”とmosquito(蚊)のマスキートの“マ”にkillerを付けたものであり、創業時の殺虫剤の商標名「強力フマキラー液」の由来となっている(後述のように、この商標名に因んで現在の社名となった)。

現在は、東京都千代田区に本社を置きつつも、創業地の広島に本社機能を残すと共に、廿日市市に工場を置き、同社の主要生産拠点となっている。また、大日本除虫菊(金鳥)、アース製薬と並んで家庭用殺虫剤のシェアを寡占し、アジア、ヨーロッパを始め、海外に同社の法人が多数存在する。

(中略)

企業スローガンは「日用品質」、つまり日々の暮らしに相応しいクオリティがあるべきことを主張している。

wikipediaより

TOKIOのCM、電子蚊取り線香「ベープ」でおなじみの会社です。東証2部に上場しています。殺虫剤を中心に、園芸用品、家庭用品の製造販売を行っており、「ヒアリ」関連のニュースがあると、株価が急騰することがあります。

基本的に、害虫が増える上期4-9月期の売上に売上が集中しており、下期10-4月期は赤字になることが多いのですが、新型コロナウイルスの感染拡大により、アルコール除菌薬等の家庭用品の需要が増加。コロナ特需の恩恵を多少受ける企業でもあります。

本社は東京ですが、実質的な本社機能は創業地の広島に残し、19億円を投資して新工場の設立も予定されております。

業績

株価チャート

それでは早速、株価と業績を見ていきましょう。過去2年のチャートです。

ヒアリの報道や新型コロナウイルスの報道で乱高下しますが、基本的には夏季に上昇し冬季に下落する傾向があります。

過去5年業績

【業績】売上高営業利益税前利益利益1株益(円)1株配(円)
連17.342,3622,2772,4071,38799.8311
連18.347,7402,5272,6881,735123.126
連19.341,2431,1361,33269342.126
連20.344,4851,7852,02177046.720
連21.3予44,5002,2003,9501,30078.8720

過去5年の業績です。売上・利益は横ばい。

配当

配当は前期下方修正した影響で減配。今期も20円のままです。

株主優待

配当権利確定は3月末。100株保有で1,000円分、500株で3,000円分の自社商品詰め合わせがもらえます。だいたい6月頃に届くことを考えると、自社商品(=殺虫剤)は嬉しいです。

投資経験談

2020年11月 四季報の情報をもとに決算跨ぎを決断

地元広島の企業ということもあってもともと興味を持っていました。

2020年11月 四季報の情報を元に【独自増額】の見出しから中間決算前に購入を決断。新型コロナウイルス感染拡大によるアルコール除菌薬等の家庭用品の需要増、3密を避ける園芸・アウトドア需要の高まりから売上増大と見て1,550円にてIN。

2020年11月13日 2Q決算発表

結果…対会社予想進捗率: 99.1% 上期5.8倍増益で着地 通期見通しは据え置き。下期は赤字の見通し。

上期は予想通り絶好調!!しかし、下期は赤字となり通期ベースで見ると上方修正無しの据え置きとなる見通しです。

2点注意点があると思われます。

1 前期は冷夏・残暑により売上が変動

前期は夏季に気温が上がらず、最大の書き入れ時である1~2Qの売上が伸びなかったこと、反面残暑が厳しかった影響で3Qが例年よりも売上があったことから、単純な前期比での比較は注意が必要です。

2 新型コロナウイルス 第3波の影響は?

下期は営業赤字、通期据え置きと弱気な予想です。おそらく新型コロナウイルス感染拡大第3波は織り込まれていないのではないかと考えられます。コロナウイルスの感染拡大により、家庭用品の売上拡大が期待されますが、仮に織り込まれていたとしてもフマキラーの売上構成比は殺虫剤が60%以上を占めているため、大幅な利益改善にはならないのではと思います。

カテゴリ2020年3月期
第2四半期累計
2021年3月期
第2四半期累計
増減額増減率(%)
殺虫剤17,81819,5441,7269.7
家庭用品4381,9771,539351.5
園芸用品1,5701,97940826
防疫剤1,009914△94△9.4
その他2,0752,41033416.1
合計22,91226,8263,91317.1

また、フマキラーの国内・海外の売上比率は下記のとおりです。海外売上比率が40%と高いことがわかります。インドネシアをはじめとする東南アジアの熱帯地域が好調ではあるのですが、コロナ影響でロックダウンとなると外出する機会が減り、殺虫剤売上が伸びない可能性もあります。

2020年3月期
第2四半期累計
2021年3月期
第2四半期累計
増減額増減率(%)
国内13,61317,0703,45725.4
海外9,2989,7554564.9
合計22,91226,8263,91317.1
海外売上構成比40.60%36.40%

あくまでも私の推測ですが、コロナの影響により海外特に東南アジアをはじめとした熱帯地域の売上見通しが立たないこと、円高に振れている為替、アメリカ・中国の政治情勢が読みきれず、安全をとって据え置きにしたのではないかと思います。今後の上方修正とコロナ特需による株価上昇に期待しましょう。

教訓

  • 四季報、過去5年の業績を重視。
  • 地元の企業を応援
  • コロナショック影響を冷静に分析してみる

コロナウイルス第3波は確かに心配ですが、コロナだからアルコール除菌薬が売れるという安易な発想ではなく、カテゴリ別の売上構成比、社会情勢にも注目していきたいと思います。

もちろん地元企業ということで頑張ってほしい!!

あくまでも投資は自己判断でお願いします。

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