引き続き四季報からピックアップした個別銘柄をご紹介していきたいと思います。
日本が世界に誇る製造業から水晶デバイスを製造する会社のご紹介です。水晶デバイスは、スマートフォンなどの電波の送受信に欠かせない物質となります。日本電波産業は水晶デバイスで世界2位のシェアを誇ります。
※2022年11月21日加筆
2022年に入り妙に杉村富生氏が推している銘柄でもあります。
今回は、 6779 日本電波工業をご紹介いたします。
6779 日本電波工業とは
会社概要
wikipediaからの引用です。
日本電波工業株式会社(にほんでんぱこうぎょう、英: Nihon Dempa Kogyo Co., Ltd.)は、東京都渋谷区に本社を置く、日本の水晶デバイス製造メーカー。
(中略)
内製する人工水晶を材料として水晶振動子、水晶発振器、水晶フィルタ、光学用フィルタ、弾性表面波フィルタ(SAWフィルタ)などの水晶デバイスを製造している。また、医療用の超音波診断装置に使用される超音波探触子も製造している。最近では、周波数シンセサイザやQCMセンサーも開発している。
wikipedia
沿革
1948年 – 会社設立。
1949年 – 水晶振動子の製造、販売を開始。
1958年 – 人工水晶育成の工業化に成功。
1959年 – 水晶フィルタの製造を開始。
1960年 – 水晶発振器の製造を開始。
1963年 – 株式を日本証券業協会に店頭登録。
1979年 – 弾性表面波フィルタ(SAWフィルタ)を開発・工業化。
1990年 – 東京証券取引所 市場第二部に上場。
1998年 – 東京証券取引所 市場第一部に上場。
事業概要
日本電波工業はスマートフォン、パソコン、デジタルカメラ、カーナビなどに使われている「水晶デバイス」を製造している会社です。
設立は1948年。1958年に人工水晶の育成に成功。以来、世界でも有数の人工水晶・水晶デバイスのリーディングカンパニーとして、業界トップクラスのシェアを誇っています。
スマートフォンは、電波を使って音声や情報を送受信します。この電波の基となる基準信号を正確に、安定して作り出している部品が水晶デバイスとなります。
日本電波工業の水晶デバイスの技術力は高く評価されており、車載向けのシェアは世界一の50%。周波数精度 0.03ppbと東京-下関間の距離を測定したとき0.03ミリしかズレない精度を誇ります。
日本以外にも中国、東南アジアに生産拠点を持ち、米国・欧州・アジア地域に販売拠点を持ちます。海外での売上高は全体の約8割を占めるグローバル企業です。
業績
株価チャート
※2022年11月21日時点
株価と業績を見ていきましょう。
2017年までは株価が1,000円を超えることもありましたが、2020年3月期までの4期連続赤字に比例するように株価がずるずる下がり、追い討ちをかけるようにコロナショックで一時200円台まで大暴落。
2021年3月期に久々に黒字転換したこともあり株価は急上昇。
2023年3月期は当初減益予想でしたが、円安効果もあって一転増益予想したこともあり再び上昇中。
予想PER6.3倍/PBR1.77倍でPER高値平均8.4%,安値平均でも2.9%とまだ割安。
2022年11月21日時点
PER | 6.3倍 |
PBR | 1.77倍 |
EPS | 263.8円 (予想) |
過去5年業績
売上高 | 営業利益 | 税前利益 | 利益 | 1株益(円) | 1株配(円) | |
19.3 | 42,498 | 406 | -56 | -251 | -12.8 | 0 |
20.3 | 39,468 | -8,286 | -8,644 | -8,709 | -443.8 | 0 |
21.3 | 39,195 | 2,844 | 2,592 | 1,976 | 100.7 | 0 |
22.3 | 45,408 | 5,180 | 4,920 | 5,455 | 278 | 5 |
23.3予 | 54,000 | 8,000 | 7,500 | 6,100 | 263.8 | 20 |
過去5年の業績と予想です。前述のとおり、2020年3月期まで4期連続経常赤字とダメダメでしたが、希望退職者を募集するなど構造改革を進めた結果、2021年3月期は減収ながらも大幅増益。22年3月期は産業機械向けが減収の見込みですが、車載向けが大幅増益となりました。前述の通り、23年3月期は当初減益見込みでしたが、一転して増益の見込み。
配当
配当はここ数年は出ていませんでしたが、22年3月期に復配後、大幅増に転じました。
1株配(円) | |
19.2 | 0 |
20.2 | 0 |
21.2 | 0 |
22.2 | 5 |
23.2予 | 20 |
株主優待
株主優待はありません。
気になる点
会社HPが…
何をやっている会社かわからない
ブログ執筆の際に、会社HPからどのような会社なのかを調べるのですが、HPを見る限り何をやっている会社なのかがイマイチわかりません。
水晶デバイスを作っている会社で、どのような製品に利用されているか、会社の売りなどがアピールできれば良いのですが、製品が並んでいるだけ。会社概要欄に、パンフレットのPDFと動画を貼り付けただけというやる気の無さです。
あまりにもわかりにくいため、会社HPよりもリクナビの新卒採用の会社概要を参考にしたほどです。
スマホ化されていない
スマホ対応されておらず、文字も小さいです。後から作ったと思われる採用サイトも、スマホ化されていません。
また、SEO対策に関しては、descriptionがちゃんと書いてあるなぁと思いきやなんと全ページ同じ文言。自社で作っているのか他社に依頼しているのかはわかりませんが、このあたりがしっかりしていない会社はちょっと怪しいです。
※2022年11月21日時点
久々に見たらHPがリニューアルされていました。スマホ対応もばっちりです。ただ、descriptionはやっぱり全ページ同じようです。
まとめ
- PER低め割安銘柄
- 水晶デバイス世界二位というニッチトップ企業
- HPがちょっと…
水晶デバイス世界二位というシェアと、大赤字からのV字回復で割安銘柄なため注目していたのですが、HPを見て少し熱が冷めた感じです。今期業績を見る限りは、明らかに安い銘柄ですが、自動車減産がどこまで影響するでしょうか。
以前から注目していましたが、明らかに安くグローバル企業ということもあり今後も注目です。
あくまでも投資は自己判断でお願いします。