【書評】なぜ働いていると本が読めなくなるのか

日経新聞・書店にておすすめされていたので購入。

概要

働いているとなぜ本が読めなくなるのか?

花束みたいな恋をした

冒頭でいきなり紹介されている映画「花束みたいな恋をした」の事例。ファスト教養でもご紹介しましたが菅田将暉さんと有村架純さんがいちゃいちゃする話ではありません。読書が趣味で出会ったのに、本が読めなくなる、自己啓発本に走る、パズドラしかできなくなるという話です。

読書の歴史

・明治 自己啓発書の誕生
・大正 労働階級を埋めるための「教養」
・昭和 戦前戦後 円本(いまでいう全集)、階級差を埋めるための「教養」「処世術」
・昭和 高度経済成長期~オイルショック~バブル 通勤電車で本を読む時代 さくらももこ 読書術 勉強術が流行る

読書はもともと自己啓発が起源。昔のひとも現状を変えたい、今より良い生活をしたい、そのために手っ取り早いのは読書だと感じていたようです。皆考えることは同じだ。

現代 読書とはノイズである

読書には本来自分の求めているものとは違う情報=ノイズが含まれる

ピンポイントに知りたい「情報」・ショート動画が流行る

全身全霊をやめよう

読書=趣味として。

全身全霊をやめよう、全身全霊を美談にしない、半身で読書を楽しめる社会にしよう。

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所感

私が最近本を読まなくなったのはFC24で忙しいからです。冗談はこの辺にして、最低1か月に1冊は読書を心掛けています。積読が進んでしまうからです。

「1カ月に1冊も本を読まない」6割が超えた(電子書籍は4割)。2024年9月、文化庁の調査で明らかになった数字です。まあそうだろうなというのが率直な印象です。休憩時間や移動の電車では皆スマホばかり見ています。本や新聞を読んでいる人はごく一部です。

働いているとなぜ本が読めなくなるのか?私の見解は現代が「情報が多すぎる」からであると考えます。仕事をしているとただでさえ膨大な「情報」から最適な「情報」を選択して新たな「情報」を生み出さなければいけない。この「情報処理」に膨大なエネルギーを使います。疲れ果てて帰宅・または帰宅中の電車にて頭を使って「ノイズだらけの情報」を「読んで」「理解する」というさらに疲れるような行為が敬遠されているものと予想します。だから特に考えなくても読んだ気になるスマホのニュース・SNS・ショート動画が流行るわけです。

本には「ノイズ」があるわけですが、この現代人はこの「ノイズ」を嫌う傾向があるようです。「ノイズ」こそが視野を広げるものなのに。例えば、冒頭から出ている 映画「花束みたいな恋をした」 や「坂の上の雲」は関係ないといえば関係ないですが、ちょっと見てみようかなと興味をもつこともあると思います。そうやって関係のないノイズが思わぬところで自分の知らなかった世界に導いてくれる。

「ノイズ」が許されないほど超タイパ・コスパが求められる余裕のない社会になっているのかと思うと残念ですが、私は一つの趣味として読書を続けていきたいと思います。読書をしている人が少ないなら自分がやって出し抜いてやる。

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