フィデリティ・Jリート・アクティブ・ファンド【好成績投信の中身を拝見】

最近はリートの価格もだいぶ安定して来ていますが、コロナが収まらない限りはホテル需要が無いリートへの投資は厳しいかなと考えていました。そんな中、日経電子版で面白い記事がありました(無料で読めます)

「指数をしのぐ運用実績を持つ 注目の国内REIT投信」と題して、ベンチマークとなる指数を上回るリターンをたたき出しているリート型ファンドが紹介されていました。

今回はその名から一位に輝いた、フィデリティ・Jリート・アクティブ・ファンドをご紹介いたします。

フィデリティ・Jリート・アクティブ・ファンドとは

フィデリティ・Jリート・アクティブ・ファンドはフィデリティ投信が運用を行うアクティブファンドです。国内の個別REITに投資するファンドです。

投資コンセプトは下記の通りです。

  • 日本の株式市場に上場されているREITを主要な投資対象とする
  • 個別企業分析により、優良企業を選定し、利益成長性等と比較して妥当と思われる株価水準で投資を行う

個別企業分析にあたっては、世界の使用拠点の不動産関連の運用担当者やアナリストと連携し、グローバルな観点から魅力的な銘柄を選択します。Jリートは主に日本国内の不動産を保有します。現在のコロナ禍では難しいですが、都心部のオフィスの売買では海外の機関投資家が大きな存在感を示していますし、ホテル・商業施設ではアジアなどからの観光客の動向がカギを握っていることから、グローバルな調査体制は国内資産の運用にとっても強みとなります。

フィデリティ投信の特徴でもあるのですが、フィデリティ・アジア株・ファンドでも述べたように、投資先の企業だけでなく、仕入先や関係会社の調査はもちろんのこと、グローバルネットワークを活かして、世界中の競合他社との比較も行ないます。

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基本情報

設定日2016年9月27日
償還日2033年4月25日
購入時手数料最大3.3%(税込) 
※証券会社によって異なる。ネット証券は無料
信託財産留保額基準価額に対し0.3%
管理費用
(含む信託報酬)
年率1.045%(税込)
分配金年1回(11月)

基本情報は上記の通りとなります。アクティブファンドですが、管理費費用は1.045%とそこそこですが、信託財産留保額は0.3%。

なお、リート型特有の毎月分配型と分配金の出ない資産成長型がありますが、以下は資産成長型前提にて話を進めます。(毎月分配型は2013年設定)

構成銘柄

月次レポート・目論見書を拝見

公式サイト・証券会社の銘柄紹介で閲覧することの出来る、月次レポート・目論見書・運用報告書を元に、どのような運用方針でどんな銘柄に投資しているかを確認します。

月次レポートは、前月末の情報であり、リアルタイムな情報ではありませんが、長期投資と言う目線で考えればクリティカルな問題にはならないと考えます。

構成銘柄上位10位については下記の通りです。(2022年1月末時点)

銘柄名タイプ比率
野村不動産マスターファンド投資法人総合型9.2%
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人物流型8.9%
オリックス不動産投資法人オフィス型8.2%
日本アコモデーションファンド投資法人住宅型7.5%
ジャパンリアルエステイト投資法人オフィス型7.0%
ユナイテッドアーバン投資法人総合型6.4%
ジャパンエクセレント投資法人オフィス型5.5%
アクティビア・プロパティーズ投資法人総合型5.1%
大和ハウスリート投資法人総合型5.0%
日本プロロジスリート投資法人物流型4.6%

構成銘柄は29銘柄と少数精鋭。東証リート指数とは若干異なり、総合型・オフィス型が上位に組み込まれています。コロナ禍で旅行需要が少ない現状では、ホテル系は厳しいといわざるを得ません。

フィデリティでは割安な銘柄を選択していることから、東証リート指数で上位の日本ビルファンド投資法人・GLP投資法人は上位に組み込まれていないようです。

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パフォーマンス

基準価額推移

設定来、基準価額は2022年2月28日時点で、13,423円。

コロナショック時にリートも暴落しましたが、コロナ前の水準にようやく近づきつつある状態です。ホテル需要が回復してくれば、もっと伸びるでしょう。

過去のパフォーマンス

2022年2月末時点の情報です。

期間騰落率(分配金込み)
半年前から-9.52%
1年前から+2.80%
3年前から+18.79%
5年前から+31.61%
設定来+34.23%

設定来からみると、+34.23%です。

やや物足りない印象を受けますが、2013年に設定された毎月分配型のほうは設定来9年間で一度しか東証リート指数を下回ったことがなく、安定的にコツコツと超過リターンを積み上げる運用が長年にわたり実践できているといえるでしょう。

まとめ

指数を超えるリターンを得ているアクティブファンドは実は数が少なく、なおかつ設定来長期に渡って結果を出し続けているファンドとなると稀有です。経費率の高いアクティブファンドですので、選ぶならハイパフォーマンスのファンドを選びたいところです。構成銘柄についても上位銘柄は割安との判断ですので、個別銘柄として狙ってみても良いかもしれません。

※あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。

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