【書評】「超」入門失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ

ちょっと趣向を変えて軍事関連本を。名著「失敗の本質」を現代ビジネスに置き換えて噛み砕いたダイジェスト版。

時間とお金の無駄でしかない忘年会のための電車の行き帰りで読んだ本。2時間5,000円の忘年会よりも1,650円の本書のほうがよっぽどコスパが高いです。

概要

日本軍の敗戦から学ぶ

間違った指標

目標達成に繋がらない「勝利」ばかり追う。

目指すべき指標がそもそも間違っている。

ルールを変える

日本人は反復練習による型を身に着けることで型を超越する圧倒的な技をみにつける。

外国人はルールそのものを変えて熟練した技・既存の戦闘技術を無効化する。

新たな指標

イノベーションとは支配的な指標を差し替えられる「新たな指標」で戦うこと。

アップルのiPhoneなどは好例。高価格・高品質を謳っていた日本の家電メーカーは市場を寡占するだけの指標を見誤った。

トップにとって都合のよい組織

・都合のよい情報しかあがってこない。
・周りはイエスマンばかり
・現場の意見を聞こうとしない
・希望的観測でリスクを無視する
・無能な幹部が責任を取らない

ブラック企業の典型とも言える組織の原型はすでに日本軍にあった。戦後80年経ち進歩していない日本組織。

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所感

前述しましたが本著は「失敗の本質」のダイジェスト版ですのでざっくりとしか述べられていません。

しかし、参考になる部分が多く、終戦間際の日本軍は末期症状であったことは容易に想像出来ます。

本著の初版は2012年と10年以上経つにもかかわらず、今でも共感できる部分が多いということは日本の多くの組織が旧態依然の体制のまま変わる事が出来ていないということなのではないでしょうか。

特に印象に残ったのは指標の設定について。若い頃の私もよくやってしまっていましたが、「勝利」に繋がらない見栄えのいい・出来そうな目標ばかり追いかけていました。それでいっても上手くいかないと文句ばかり言う痛い人。

過去の成功体験にとらわれ、情報をアップデートすることなく、時代遅れの指標で戦い続ける。勝てるわけがありません。

指標を再設定するか、指標そのものを書き換える。それがイノベーションです。

間違っても自分にとって都合のいい情報ばかりを信用して時代から取り残されないようにしていきたいと感じました。

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