四季報で気になった銘柄をピックアップすることなく、第三四半期決算が始まってしまいました。ちらほら好決算銘柄も現れている中で、以前から狙っていた銘柄について調べてみました。
内外トランスラインは海上輸送を行う会社。コンテナ一口では大きすぎるため、ある程度のスペースを借りて、小口の荷物を他の顧客と混載して送るという事業を行っています。この事業では国内シェアNo1企業。海上輸送運賃の上昇・円安の影響もあって、目下絶好調です。
今回は 9384 内外トランスラインをご紹介いたします。
9384 内外トランスラインとは
会社概要
内外トランスライン株式会社(英: NAIGAI TRANS LINE LTD.)は、大阪市中央区に本社を置く海上混載輸送サービスを手掛ける日本の物流企業。自前の船舶等の輸送手段を持たず、他の運送業者に貨物輸送業務を委託している(フォワーダー)。
wikipedia
海上コンテナに満たない容量である海上輸出混載貨物(LCL)を中心に取扱い、その日本発数量では高いシェアを占める。近年は工場設備一式を運ぶプロジェクト輸送、航空貨物、北米向け食品輸送も手掛ける。
沿革
1980年5月 – 海運仲立業を営む目的で大阪市東区(現中央区)に内外シッピング株式会社設立
1986年12月 – 商号を内外トランスライン株式会社に変更
1999年9月10日 – 福岡県北九州市に営業所を開設
2008年11月 – 東京証券取引所市場第二部上場
2015年3月 – 東京証券取引所市場第一部銘柄指定
2018年4月 東京税関長よりAEO通関業者制度における認定通関業者に認定
2019年4月 内外釜山物流センター株式会社 子会社化
2021年8月 内外釜山物流センター㈱敷地内に冷蔵倉庫を増設
事業概要
自らは輸送手段を持たず、海運会社や航空会社から貨物スペース(コンテナ)を仕入れて国際間の輸送をコーディネートし、荷主から受け取る代金と海上・航空運賃の差額を収益とする仲介業務を行っています。
そのなかでも、コンテナ1本に満たない複数の顧客の少量の貨物を、仕向け先ごとに1本のコンテナにまとめて輸送する海上混載輸送サービスが事業の主軸。
以前ご紹介したエーアイテイと同業になりますが、内外トランスラインのほうが規模が大きく、国内首位となります。
近年は日本お得意の自動車関連を始めとした工業用品だけでなく、食品の輸出の需要が高まっていることからアジア向けの冷凍混載サービスも開始しています。
近年は新型コロナウイルス感染拡大に端を発したコンテナ不足による海上輸送運賃の上昇のため、日本郵船を始めとした海運が絶好調で、内外トランスラインも例外ではありません。しかし上昇を続けてきた運賃は新型コロナウイルスの収束とともに2022年にピークを迎え、下落するであろうと見込まれることから今後の動向にも注視する必要があります。
業績
株価チャート
前述しましたが、新型コロナウイルス感染拡大後の海上輸送運賃に比例するかのように株価もぐんぐん上昇。さらに円安のメリットを最大限に活かし、2022年も絶好調。ただ業績は良いのですが、日本郵船が発表しているように2023年以降の業績を落とす可能性が高いことから、なかなか株価は伸びません。
指標上はPER4.1倍、PBR1.24倍、そしてEPSが492.6円とかなりの割安。
(2022年10月29日時点)
PER | 4.1倍 |
PBR | 1.24倍 |
EPS | 492.6円 |
過去5年業績
売上高 | 営業利益 | 税前利益 | 利益 | 1株益(円) | 1株配(円) | |
連18.12 | 23,254 | 1,616 | 1,656 | 1,146 | 118.2 | 34 |
連19.12 | 22,830 | 1,528 | 1,594 | 1,091 | 112.4 | 34 |
連20.12 | 22,209 | 1,411 | 1,484 | 850 | 87.5 | 36 |
連21.12 | 35,266 | 3,808 | 3,922 | 2,783 | 285.9 | 50 |
連22.12予 | 48,500 | 6,670 | 7,010 | 4,800 | 492.6 | 85 |
過去5年の業績と予想です。前述しましたが、コンテナ不足による海上輸送運賃の上昇に比例するかのように2021年度から業績急拡大。2022年10月28日に発表した3Q決算では当初見込みを大幅上方修正し、今期経常利益を47%上方修正・連続最高益となることを発表しました。
なお、市場予想としては海運業界全体が2023年度以降の落ち込みを予想していますが、四季報予想では運賃の高止まりを予想。23年度も連続最高益との推測。
配当
1株配(円) | |
19.2 | 34 |
20.2 | 34 |
21.2 | 36 |
22.2 | 50 |
23.2予 | 85 |
2022年12月期は大幅増配の予定。実は2009年から配当維持の年はあるものの、一度も減配をしていません。EPS492円のため、もっと配当金をだしても良いのではないかと思われますが、明言はしていませんが、減配するつもりがないと仮定すると、来期もある程度の利益が見込まれると勝手に予想します。
株主優待
カタログギフトがもらえます。権利確定日は12月末です。
株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 | 1,500円相当カタログギフト |
200株以上 | 2,500円相当カタログギフト |
4,000株以上 | 5,000円相当カタログギフト |
まとめ
- 円安メリット
- 業績好調
- 高配当
業績は絶好調で高配当。ただ、来期以降の業績が下落する可能性が高いため注意が必要です。今後は食品の冷凍輸送のような新規事業でどれだけシェアを伸ばし、成長につなげることが出来るかが鍵となりそうです。
あくまでも投資は自己判断でお願いします。