2021年3月。日経平均もダウもS&P500指数も高値をつけた後、米国の金利上昇を受けていったん調整に入っている模様です。
こうなると、グロース株というよりも出遅れの目立つバリュー株に循環する流れが予想されますが、もう一つ出遅れているセクターがあります。REITです。とくにホテル系が壊滅的で、これまで日本でも物流系・総合系REIT以外のREITはコロナショックからの戻りが遅い状況でした。コロナ後を見据えて物色が始まっていくのではないでしょうか。そんな中でも米国のリートが気になったので調べて見ました。
今回は1659 iシェアーズ 米国リート ETFについてご紹介いたします。
1659 iシェアーズ 米国リート ETFとは
1659 iシェアーズ 米国リート ETFは米国リートの指数であるNareit Equity REITs インデックス(TTM 円建て)の動きに連動を目指す、東証に上場しているETFです。もともとは、米国で上場しているUSRTという経費率が0.08%と低コストのETFがあるのですが、そのUSRTを日本で投資できるように組成されているETFとなります。
(USRTは日本の証券会社では取り扱いがありません。)
日本の証券会社で取り扱いのある米国リートETFは経費率が高いもしくは構成銘柄が微妙なため、同様の効果が見込める東証ETFを取り上げさせていただきました。
運営会社 ブラックロックとは
ブラックロックは世界最大の運用会社。2020年7月末時点の総運用資産残高は約7.81兆米ドル(約824兆円)です。
同社の提供するETFブランド「iシェアーズ」世界のETF市場のシェアの36%を占める世界シェアNo1ブランドとなっております。
基本情報
配当月 | 3,6,9,12月 |
配当利回り | 2.59% |
経費率 | 0.2% |
基本情報は上記の通りとなります。3ヶ月に一回配当があります。直近では2.59%とまずまず。経費率も0.2%とまずまずです。
構成銘柄
構成銘柄については下記の通りとなっております。
また、組み入れ上位10銘柄の比率は下記となっております。(2021/3/3現在)
正直あまり詳しくないのですが、構成銘柄数は約160銘柄。プロロジスは物流関連、エクイニクスは一見無関係に思えるデータセンター運営業者です。
サイモン・プロパティ・グループは、聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、商業施設をメインに運営しています。マツダスタジアムの前段階の新球場計画に参画していたこともあります(その後撤退、まああの時代の市長・知事の体制には問題がありました。今も問題がありますが)。
カープの話が絡むと脱線してしまいます(笑)。
構成銘柄の話に戻りましょう。セクター比率を見ると、Specialized(特化型)の割合が高く、Residential(住宅系)、Retail(商業系)、Industrial(物流系)が続きます。特化型REITとは、映画館、カジノ、農場、屋外広告などを手がけるREITで、なかなかクセがあります。Diversified(複合型)、Hotel&Resort(ホテル系)が少ないのが特徴です。
メリット
安定の配当
REITは高配当の銘柄が多いですが、米国のREITを集めた本ETFも利回り2.59%とまずまず。年4回配当がありますし、東証に上場しているETFなので、二重課税をとられることもありません。
株価はコロナショックからまだ戻っていない
これをメリットとみるかデメリットと見るかは微妙なところですが、2021年3月3日現在、コロナショックから一年経ちますが、まだコロナ前の水準に戻るにいたっていません。在宅勤務が恒常化し、オフィス需要が減るという見方がある一方、ECの拡大による物流需要増、郊外の住宅需要増など、当然ですが日本国内と同様の予測が米国にもあります。今後の動向を注視する必要があります。
デメリット
出来高が少ない
東証に上場しているETF全般に言えることですが、出来高があまり多くありません。
希望の株価では購入できない可能性が大いにあります。
投資すべき?
資産を分散する意味で、是非検討していきたいと思います。経費率も0.2%と安いですし、配当金も年四回、2.5%/年とそこそこです。無理に米国ETFを購入することなく円で東証を通じて米国リートETFに投資できるのも魅力です。
まとめ
資産の分散を図る意味でも、リートETFを所有するのは面白いと思います。シンガポールや豪州リート、アジアリートのほうが配当利回りは高いかもしれませんが、成長を続いている米国にかけるというのも一つの手段です。
興味のある方は少額から。
※あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。