引き続き、ダイアモンドZaiの好調だったファンド特集からいくつかピックアップしていきたいと思います。今回ご紹介する小型ブルーチップオープンは近年好調なファンドで、2021年の日本の中小型株対象の投信で騰落率1位(ダイヤモンドZai調べ)となっております。以前から気になっており、もう既に当ブログで紹介した気になっていましたが、何かの勘違いだったか全く触れていなかったため改めて調べてみました。
今回は小型ブルーチップオープンについてご紹介いたします。
小型ブルーチップオープン
小型ブルーチップオープンは野村アセットマネジメントが運用を行うアクティブファンドです。
投資コンセプトは下記の通りです。
- 日本の中小型株を実質的な主要投資対象とする。
ブルーチップとはダウ平均に採用されている代表的な米国企業の株式銘柄を指し収益力や成長力で優れているもののことを指します。カジノなどで使われるチップのうち最高額のもののことで、これが転じて株式用語となったという説があります。
これを日本の中小型株に当てはめようというのが本ファンドの狙いです。
投資手法としては、バリュエーションを勘案して厳選し積極的に投資することで、値上がりを追求します。景気・産業動向などによって⼀時的に業績が低迷しても、技術⼒、営業⼒などによって、回復期にはピーク利益更新などが期待できる中⼩型銘柄なども、バリュエーションを勘案して積極的に投資します。
経済・景気予測などのマクロ分析よりも、あくまでも個別銘柄の調査・分析に基づいた銘柄選択を⾏ないます。組⼊銘柄の業種分散は特に⾏ないません。
“成⻑性”は運⽤担当者独⾃の尺度ではかります。主に売り上げの伸び、利益率(特に営業利益率)の⽅向性、キャッシュの創出能⼒や経営陣の質等が主な視点となります。
運⽤担当者が考える”成⻑性”に⽐べて、市場の評価(株価⽔準)はどうかの判定を⾏ないます。そのため、いかに⾼成⻑を期待されている銘柄でも、株価が買われ過ぎと運⽤担当者が判断した場合には、投資を⾒送ります。
基本情報
設定日 | 1996年7月31日 |
償還日 | 2026年7月30日 |
購入時手数料 | 最大3.3%(税込) |
信託財産留保額 | 0.5% |
管理費用 (含む信託報酬) | 年率1.672%(税込) |
分配金 | 年2回(1月,7月) |
基本情報は上記の通りとなります。アクティブファンドですので、管理費用1.672%と高め。
1996年設定の老舗投信で、2026年償還予定です。
構成銘柄
構成銘柄上位10位については下記の通りです。(2021年11月末時点)
銘柄 | 業種 | 構成比率 |
---|---|---|
新光電気工業 | 電気機器 | 9.1% |
レーザーテック | 電気機器 | 7.1% |
ジーエス・ユアサ コーポレーション | 電気機器 | 3.9% |
いすゞ自動車 | 輸送用機器 | 3.1% |
島津製作所 | 精密機器 | 3.0% |
SOMPOホールディングス | 保険業 | 2.9% |
商船三井 | 海運業 | 2.9% |
豊田通商 | 卸売業 | 2.9% |
ミネベアミツミ | 電気機器 | 2.8% |
ローム | 電気機器 | 2.8% |
構成銘柄は62銘柄。中小型株中心といいながらも、上位は大型株中心。 新光電気工業は四季報2020年秋号でピックアップしていたものの、もう買えない水準にまで株価が上がりきってしまいました。レーザーテックは株価3万5,000円。2019年頭は2,000円を切ってましたからその頃から握り続けている人は大勝利でしょう。
パフォーマンス
基準価額推移
設定来、基準価額は2021年12月30日時点で、19,013円。(配当金再投資額込み 36,142円)
コロナショック時は一時的に下落しましたが、V字以上の回復。上述の通り、新光電気産業・レーザテック等急上昇した半導体銘柄、商船三井という海運など波による業種を組入れたことが功を奏しているのでしょう。
過去のパフォーマンス
2021年12月末時点の情報です。
期間 | 騰落率(分配金込み) |
---|---|
6ヶ月前から | +9% |
1年前から | +27.4% |
3年前から | +99.7% |
5年前から | +111.4% |
設定来 | +337.9% |
設定来からみると、+337.9%です。
同時多発テロ、リーマンショック・東日本大震災の際には大暴落しましたが、長期で見ると上昇中。直近6ヶ月は微増です。
まとめ
小型ブルーチップオープンと名前はついていますが、実態はそのときどきで調子の良い業種・銘柄で上昇余地のある銘柄に大型・小型関係なく投資するファンドとなっています。単なる中小型投信ではないので注意が必要です。
※あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。