最近は書籍もネット通販で購入することが増えてきましたが、たまたまふらっと書店に立ち寄った際に見つけた本。
こういうことがあるから、書店通いはやめられません。
本書は、広島東洋カープ、読売ジャイアンツでコーチを務められた内田順三さんのコーチングに関する本です。
正直その風貌から怖そうなかただなと、思っていましたが、本著を読み進めていくと、後述する清原さんとのエピソードなど、人情味のあるかただなと感じました。
久々のスポーツ関連の書籍。
スポーツ関連の書籍全般に言えることですが、難しい言葉が少なく、野球に興味があれば理解しやすく、ビジネスにも応用できそうな内容です。
概要
ダメといわないコーチング
長所と短所は隣り合わせ。短所を潰すと持ち味が消える。短所を目立たなくするように長所を伸ばす。
「つくる」「育てる」「生かす」
「つくる」は1から選手をつくる。
「育てる」は資質を伸ばす。
「生かす」は完成された選手と向き合う。
伸びる人、伸びない人の違い
本人の強い意思
ガミガミ言っても、本人にやり抜く強い意志がなければ伸びない。
繰り返し続ける
一流選手には、繰り返し続ける方法がある。
心に入る指導
心に入る時まで待つ。言っても仕方のないタイミングでミスの指摘をしない。直後に言えば、冷静になれていないし、突発的な感情がある。かと言って不問にするわけにもいかないので、時間をおいて冷静に話ができるタイミングで話す。
所感
個人的に印象に残ったのは、「心に入る指導」清原氏とのエピソードでした。清原氏は、弱点をとやかく言われること、人前で指導されることを極端に嫌う。信頼関係がで構築されていない状態で、一方的に指導しても受け入れられないと判断した内田さんは、心を開いてくれるまで9日間じっと待った。待ったからこそ、言葉が届いた。
ここからは私の想像ですが、本著にこのエピソードを掲載することについても、内田さんは清原氏にしっかりと了解をとって載せられたのではないかと思います。清原氏は薬物に手を出してしまいましたが、罪を償って更生されることを願います。
内田さんは、非常に指導力のある方ですが、型にはめず、また選手一人一人に性格や特徴に合わせて、柔軟に指導をされていると感じました。
どのビジネス書にも書かれていますが、先入観を持たないこと、個人に合わせた指導というのは非常に参考になります。
高齢のため指導者を退かれましたが、「一体感」を掲げながら選手批判を繰り返しチームの雰囲気を壊している佐々岡カープに喝を入れて欲しいと思う今日この頃です。