またもやモーニングスターのサイトを眺めていたところ、面白い特集を見つけました。ファンドを選択するとの指標となるシャープレシオ(1を超えると優良とされる)ですがコロナショックからの急回復により、全ファンドの短期(1年)のシャープレシオが1.85を超えてきており正確な数値が測りにくいとのことです。そこで長期のシャープレシオ(10年)で優れた成績を残しているファンドが3ファンドほどあるのですが、今回はそのうちの一つ小型株に投資するファンドについて調べてみました。
今回は、スーパー小型株ポートフォリオをご紹介いたします。
スーパー小型株ポートフォリオとは
スーパー小型株ポートフォリオは三井住友DSアセットマネジメントが運用を行うアクティブファンドです。日本の小型成長株に投資を行います。
投資コンセプトは下記の通りです。
- 東証一部上場小型株、二部上場株式およびJASDAQ市場上場株式を中心に技術力、経営力、成長性、市場性等を勘案して選定した銘柄に投資
直近の運用プロセスとしては、企業等のサステナビリティに考慮した運用を行うとあります。
サステナビリティ(ESG要素を含む中長期的な持続可能性)について、社会的信用に関する行為等、重大な問題が生じた銘柄は除外。技術力・経営力・成長性・市場性を勘案してアナリストが銘柄を選定します。
基本情報
設定日 | 1994年6月3日 |
償還日 | 2024年3月14日 |
購入時手数料 | 最大2.75%(税込) ※証券会社によって異なる。ネット証券は無料 |
信託財産留保額 | なし |
管理費用 (含む信託報酬) | 年率1.32%(税込) |
分配金 | 年2回(3月,9月) |
基本情報は上記の通りとなります。アクティブファンドですが、管理費費用は1.32%とまあま高めで、信託財産留保額は無し。
25年を超える運用実績を誇り、今のところ信託期間は2024年で終了の予定。
構成銘柄
構成銘柄上位10位については下記の通りです。(2021年7月末時点)
銘柄名 | 業種 | 比率(%) |
---|---|---|
ウエストホールディングス | 建設業 | 1.7 |
太平洋工業 | 輸送用機器 | 1.7 |
フルキャストホールディングス | サービス業 | 1.6 |
ULSグループ | 情報・通信業 | 1.6 |
DTS | 情報・通信業 | 1.6 |
ライト工業 | 建設業 | 1.6 |
バイク王&カンパニー | 卸売業 | 1.6 |
セーレン | 繊維製品 | 1.6 |
オカムラ | その他製品 | 1.5 |
クレスコ | 情報・通信業 | 1.5 |
構成銘柄は約90銘柄。分散が効いているので、一銘柄の構成比率はそんなに多くないです。組み入れ上位にはウエストホールディングス、ライト工業、バイク王など過去に当ブログに取り上げたことのある銘柄も複数含まれています(買っとけばよかった…)
個人的な注目銘柄は下記です。
パフォーマンス
基準価額推移
設定来、基準価額は2021年8月30日時点で、30,977円(配当金再投資込み 66,510円)
設定から25年以上経過していることもあり、リーマンショック・東日本大震災時には大きな下落を経験しましたが、2013年ごろからアベノミクスに乗っかる形で急上昇。コロナショックからは瞬時に立ち直り過去最高の基準価額。
過去のパフォーマンス
2021年8月末時点の情報です。
期間 | 騰落率(分配金込み) |
---|---|
半年前から | +14.01% |
1年前から | +26.91% |
3年前から | +24.79% |
設定来 | +577.43% |
設定来からみると、+ 577.43% です。
一年前からはさほど上昇していないように見えますが、コロナショックからの立ち直りのスピードが早すぎて数値に表れていません。設定来は+577%ですが、そのほとんどがアベノミクスで作られたものです。安倍さんは、人間的にはアレでしたけど、経済的にはいい人でした。
まとめ
モーニングスターのレーティングに注目すると、5つ星を連続して獲得しているファンドは意外と少なく、レーティングの高いファンドに狙い撃ちして投資するというのも一つの戦法だと思われます。その中の構成銘柄は日本株が弱い動きの中でも好調な銘柄。大型株が多くなりがちですが、個別で投資するには費用がかかりすぎてしまうので、こういったファンドに任せてしまうのも手です。
※あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。