数十年にわたって世界の工業を引っ張ってきた存在と言うとロボットでしょう。工業用ロボットと言うと現在製造業の中心となっている中国での引き合いが強く、この分野に強みをもつ日本の優良企業多数存在します。しかし、今回ご紹介するファンドでは工業用だけでなく、医療や日常生活で利用するロボット関連企業の銘柄を多く組み込んでおり、通常のロボット関連ファンドとは異なった構成銘柄となっています。
今回は、eMAXIS Neoロボットについてご紹介いたします。
eMAXIS Neo ロボットとは
米国の金融商品取引所に上場している、日本を含む世界各国のロボット関連企業の株式等に投資を行うS&P Kensho Robotics Indexに連動する成果を目指す投資信託です。為替ヘッジを行わず、ファミリーファンド方式で運用を行います。
ロボットは数十年にわたり製造業の一部を担ってきました。コロナショックからいち早く回復を見せた中国を中心に需要が高まってきています。
近年、より洗練された処理能力や高度なセンシング技術が登場したことで、製造業だけでなく、主ずつなどの医療ロボットが用いられています。 世界のロボット産業の市場規模は2018年に約640億米ドルとなっていますが、2025年には約2,100億米ドルに成長すると予測されています。
eMAXIS Neo シリーズとは
「Kenshoテクノロジーズ」の開発した株式指数に連動する投資成果を目指す投資信託です。テーマごとにAI(人工知能)が自動で銘柄選定を行います。
対象銘柄
米国の金融商品取引所に上場している銘柄が組入れ対象となります。米国の金融商品取引所に上場していれば対象となるため、米国以外の企業も組入れられる可能性があります。
銘柄選定基準
有価証券報告書などの開示資料をAIが読み込み、テーマに関連する言葉の出現頻度、出現場所などを基に銘柄を選定します。また、時価総額・売買代金による銘柄の絞込みも行われ、時価総額の小さい銘柄や出来高の少ない銘柄は除外されるとのことです。
基本情報
設定日 | 2018年8月6日 |
償還日 | 無期限 |
購入時手数料 | なし |
信託財産留保額 | なし |
管理費用 (含む信託報酬) | 年率0.792%(税込) |
分配金 | 年1回(8月) |
基本情報は上記の通りとなります。購入時手数料・ 信託財産留保額は無し、管理費用は0.792%(税込)。 メジャーなインデックス型の投資信託と比較すると高いですが、それでも1%を切る安めの設定。
他の eMAXIS Neoシリーズも全く同額の価格設定。どのテーマを選択するかはお好みです。
構成銘柄
7構成銘柄上位10位については下記の通りです。(2021年7月末時点)
銘柄名 | 国・地域 | 比率 |
---|---|---|
STEREOTAXIS INC | 米国 | 4.0% |
INTUITIVE SURGICAL INC | 米国 | 3.6% |
GLOBUS MEDICAL INC – A | 米国 | 3.5% |
ASENSUS SURGICAL INC | 米国 | 3.4% |
ABB LTD-SPON ADR | スイス | 3.3% |
LINCOLN ELECTRIC HOLDINGS | 米国 | 3.3% |
JOHN BEAN TECHNOLOGIES CORP | 米国 | 3.3% |
ULTRA CLEAN HOLDINGS INC | 米国 | 3.2% |
STRYKER CORP | 米国 | 3.2% |
OMNICELL INC | 米国 | 3.1% |
組み入れ銘柄数は39銘柄。 組み入れ比率トップから4位まで医療機器メーカーが占め、さらに STRYKER (ストライカー)、 OMNICELL (オムニセル)も医療機器。工業用よりも医療用ロボットの割合が多くなっています。にもかかわらず、医療機器ファンドのiFreeActiveメディカルデバイス・フィデリティ世界医療機器関連株ファンドと構成上位銘柄が被っていないのが不思議なところ。
医療機器関連銘柄に投資することを考えていましたが、本ファンドでも良いかもしれません。
パフォーマンス
基準価額推移
設定来、基準価額は2021年8月16日時点で、15,205円。
コロナショックで暴落した後の3ヶ月で回復。ロボット関連は工業用・医療用ともに順調で高い伸びを見せています。
過去のパフォーマンス
2021年8月末時点の情報です。
期間 | 騰落率(分配金込み) |
---|---|
6ヶ月前から | +7.81% |
1年前から | +40.92% |
設定来 | +52.05% |
設定来からみると、+ 52.05%。
ロボットというテーマ性、他のeMAXIS Neoシリーズとの比較からやや物足りない印象です。比率の多いヘルスケア機器は参入障壁が高いため比較的安定した成長は見込めます。
まとめ
工業用ロボットは本来日本メーカーが強い分野ですが、構成銘柄をみると医療用ロボットメーカーが多い状況でした。以前の記事でも記述しましたが、医療機器の場合はITなどのハイテク機器の進化・世界的な長寿化というテーマ性から今後も継続的な発展が見込めます。
ロボットのはずが、医療機器に投資するファンドと思ってもらえればと考えます。
※あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。