人気の投信の中身を覗いてみようシリーズから今回も引き続きアジアファンドです。
20年以上の運用実績を誇るファンドの中ではアジア株が優位な状況ですが、その中でもNo.1のリターンとなったのが今回ご紹介するファンドです。
今回は、好調なアジアファンドのうちアジア製造業ファンドについてご紹介いたします。
アジア製造業ファンドとは
アジア製造業ファンドはベアリングス・ジャパンが運用を行うアジア各国に投資を行うアクティブファンドです。
投資コンセプトは下記の通りです。
- アジア諸国・地域(日本を除く)の製造業に関連した銘柄に投資
- 成長性から見て株価が割安な銘柄に着目
主な投資対象国・地域の一例としては下記が挙げられています。
ひとくちに製造業といってもその内容は様々ですが、共通しているのは製造に関連する技術は驚異的に発展し、常に新たな産業が生まれ続けている、という点です。製造業と言うと一般的には、ブルーカラーで自動車などを工場で組み立てているといった印象をもたれるかもしれませんが、5Gをはじめとするネットワーク関連、半導体、バイオテクノロジーといったいわゆるハイテク銘柄も広義の製造業に含めます。
基本情報
設定日 | 1996年3月28日 |
償還日 | 無制限 |
購入時手数料 | 最大3.3%(税込) ※証券会社によって異なる。ネット証券は無料 |
信託財産留保額 | なし |
管理費用 (含む信託報酬) | 年率1.76%(税込) |
分配金 | 年1回(3月) |
基本情報は上記の通りとなります。アクティブファンドですので、信託財産留保額はありませんが、管理費用は1.76%と高めの設定。
1996年設定で25年の運用歴のあるファンドで、基準価額は右肩上がりとなっています。
なお、3ヵ月決算型のファンドもありますが、同じマザーファンドに投資しますので構成銘柄は同じです。
構成銘柄
構成銘柄上位10位については下記の通りです。(2021年4月末時点)
銘柄名 | 国・地域 | 業種 | 比率 |
---|---|---|---|
TSMC | 台湾 | 半導体・半導体製造装置 | 8.9% |
サムスン電子 | 韓国 | テクノロジー・ハードウェアおよび機器 | 8.8% |
テンセント | 香港 | メディア・娯楽 | 6.4% |
リー・ニン | 香港 | 耐久消費財・アパレル | 4.0% |
ベアリングス・チャイナA株ファンド | 中国 | その他 | 3.9% |
貴州茅台酒 | 中国 | 食品・飲料・タバコ | 3.2% |
メディアテック | 台湾 | 半導体・半導体製造装置 | 3.0% |
創科実業 | 香港 | 資本財 | 2.6% |
SKハイニックス | 韓国 | 半導体・半導体製造装置 | 2.5% |
リライアンス・インダストリーズ | インド | エネルギー | 2.3% |
組み入れ銘柄は上記の通り。TSMCをはじめとして、世界に誇るアジアのハイテク企業が名を連ねます。フィデリティ・アジア株・ファンドとどうしても銘柄が被ってきますが、フィデリティ・アジア株・ファンドが金融銘柄を含むのに対し本ファンドは金融銘柄はなし。
パフォーマンス
基準価額推移
設定来、基準価額は2021年6月4日時点で、92,350円(配当金再投資ベース124,519円)
リーマンショックの際はさすがに大打撃となりましたが、コロナショックではいち早く回復した中国に牽引されるかのように大きなリターンとなっています。
過去のパフォーマンス
2021年5月末時点の情報です。
期間 | 騰落率 |
---|---|
6ヶ月前から | +21.80% |
1年前から | +66.80% |
3年前から | +45.30% |
5年前から | +115.51% |
設定来 | +1192.57% |
設定来からみると、+1192.57%です。
25年以上前からのロングセラー商品です。仮に25年前から持ち続けていたと仮定すると10倍近くになっていた計算。アクティブファンドに長期投資している方はほぼいないと思われますが、長期にわたって高いリターンを出しているファンドです。
まとめ
25年以上の運用実績を誇る当ファンド。製造業と言う名前がついてはいますが、半導体・携帯電話・電気自動車など中国を中心としてこれからの時代を担う銘柄が揃います。
本ファンドも管理費用が高いので、コストを考えるなら米国ETFのXSOEあたりが代替対象となるでしょうか。
※あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。