【米国株】農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね【好成績投信の中身を拝見】

人気の投信の中身を覗いてみようシリーズ、今回から運用会社を変えて、米国株の長期厳選投資がテーマの商品です。

「R&Iファンド大賞 2021」において、投資信託部門/北米株式コア部門で「最優秀ファンド賞」を受賞。近年じわじわと人気が高まっている商品です。ファンドマネージャーの奥野一成氏の独自の投資戦略も見どころがあります。

今回は農林中金バリューインベストメンツが助言を行う、農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶねについてご紹介いたします。

農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶねとは

農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね(以下おおぶね)は農林中金バリューインベストメンツ、ファンドマネージャー奥野一成氏を中心に助言、農林中金全共連アセットマネジメントが運用を行うアクティブファンドです。「売らなくていい会社しか買わない」という投資哲学のもと高い成長が期待できる米国上場企業の中から、さらに持続的に利益を生み出すと考えられる、「構造的に強靭な企業®」(20~30社程度)を厳選し、長期投資を行います。

投資コンセプトは下記の通りです。

  • 圧倒的な競争力を有する企業への長期厳選投資により投資信託財産の中長期的成長を目指すアクティブファンド
  • 米国の上場株式を主要投資対象
  • 徹底した深い海外企業調査を通じて、①付加価値の高い産業、②圧倒的な競争優位性、③長期的な潮流の 3 つの基準を満たす「構造的に強靭な企業®」に長期厳選投資を行う

本ファンドは、米国株式に投資を行います。奥野氏の挙げる米国株投資の魅力は下記の通り。

米国株式の魅力
  • 人口増加
  • 英語が公用語
  • 新陳代謝のある市場
  • グローバルなブランド力

高い成長が期待できる米国上場企業の中から、さらに持続的に利益を生み出すと考えられる、
「構造的に強靭な企業®」(20~30社程度)を厳選し、長期投資を行います。
※「構造的に強靭な企業®」は農林中金バリューインベストメンツ(NVIC)の登録商標です。

前述しましたが、ファンドマネージャーの奥野氏は、危機に強く長期で伸びる企業に厳選投資することをポイントに挙げています。長期投資できる会社とは、事業機会が自然に集まってくる会社、その分野で誰も勝てない会社、社会にとって不可欠な財・サービスを排他的に提供できる企業、構造として当然に儲かってしまうビジネス。「売らなくていい会社」のみ投資先企業として選定しています。

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基本情報

設定日2017年7月5日
償還日無制限
購入時手数料最大2.2%(税込) 
※証券会社によって異なる。ネット証券は無料
信託財産留保額なし
管理費用
(含む信託報酬)
年率0.99%(税込)
分配金年1回(6月)

基本情報は上記の通りとなります。アクティブファンドであるにもかかわらず、管理費用は0.99%と1%を切っています。信託財産留保額もなしです。

SBI証券、岡三証券、JAバンクではiDecoでの取扱商品にも採用されています。

なお、JAバンクを除いて、積立購入のみの受付となります。

アクティブファンドの場合は管理費用が高くなりがちですが、特に海外株ファンドの場合一般的に海外の運用会社に委託することが多い企業調査を奥野氏自ら行うため、構造的に低く抑えらられているとのことです。

後述しますが、米国株長期厳選投資という特性上、米国株成長の象徴ともいえるGAFA・テスラには投資していません。

構成銘柄

月次レポート・目論見書を拝見

公式サイト・証券会社の銘柄紹介で閲覧することの出来る、月次レポート・目論見書・運用報告書を元に、どのような運用方針でどんな銘柄に投資しているかを確認します。

月次レポートは、前月末の情報であり、リアルタイムな情報ではありませんが、長期投資と言う目線で考えればクリティカルな問題にはならないと考えます。

業種別で見ると、資本財・サービス、生活必需品が上位を占めます。

業種比率
資本財・サービス27.1%
生活必需品23.1%
情報技術18.1%
ヘルスケア12.6%
素材7.9%
コミュニケーション・サービス7.2%
一般消費財・サービス4.0%

組み入れ銘柄総数は27銘柄。構成銘柄上位10位については下記の通りです。(2021年3月末時点)

銘柄名業種比率
THE WALT DISNEY CO.コミュニケーションサービス3.5%
TEXAS INSTRUMENTS INC情報技術3.0%
VISA INC-CLASS A SHARES情報技術2.8%
MCCORMICK & COMPANY生活必需品2.7%
CLOROX COMPANY生活必需品2.4%
COLGATE-PALMOLIVE CO生活必需品2.4%
CHURCH & DWIGHT CO INC生活必需品2.3%
COSTCO WHOLESALE CORP生活必需品2.3%
SHERWIN-WILLIAMS CO/THE素材2.3%
NIKE INC -CL B一般消費財・サービス2.3%

ほとんどの米国株のインデックスファンド・アクティブファンドの上位がGAFAで占められている現状で上記の組み入れ銘柄は意外でした。

恥ずかしながら、ディズニー、VISA、コストコ、ナイキ以外の銘柄については存在を知りませんでした。

そんな中で、執筆時点で最新の月次レポート2021年3月号にて触れられていた銘柄は下記となります。

Sherwin Williams(シャーウィン ウィリアムズ)

クリーブランドに本社を持つ住宅向け塗料の会社。シャーウィンの提供する塗料は、住宅が存在する限り必要とされ続けるもの。他の塗料と比べて技術力が高く、高い参入障壁を持つのが特徴。

また、塗料そのものが重く・PC画面上ではうまく色を選べない・返品ができないという特性上ECとの相性が悪く、Amazonに取って代わられる可能性も考えられない。

そのため、塗料メーカーでありながら非常に多くの店舗を持っており、どの店舗でももニーズに合った商品を買うことが出来る環境を作っています。

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パフォーマンス

基準価額推移

設定来、コロナショックなどの暴落がありながら基準価額は2021年4月30日時点で、17,066円(分配金込みで17,364円)。

過去のパフォーマンス

2021年3月末時点の情報です。

期間騰落率(分配金込み)
6ヶ月前から+21.87%
1年前から+38.85%
3年前から+67.20%

設定来から順調に上昇を続けています。GAFAのような情報通信を組み入れた投信よりもパフォーマンスは劣りますが、積立のみ・長期厳選投資と言うコンセプトから市場全体の下落に強いパフォーマンスとなっています。

まとめ

ファンドマネージャーの奥野氏は、著書も出されている著名な方です。最近はファンドマネージャーが表に出て投資家の視点に立ったわかりやすい説明を行う「顔の見える投信」が増えてきたように感じます。よく商品についてわからなければファンドマネージャーで買う、もしくはファンドマネージャーがおススメしている銘柄を買うというのも選択肢の一つであると考えます。

※あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。

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