ネットにて話題になっていた本。以前初耳学で紹介されたようです。コロナ禍前に発売されていますが古さは感じさせません。著者のふろむださんは著書を拝見する限りIT系のエンジニアなんでしょうけど、複数の企業を立ち上げ、内一社を上場させ、分裂勘違い君劇場という人気ブログを運営している方。詳細な経歴は明らかになっておりませんが、文章を拝見する限り非常に頭のよい方と推察いたします。
概要
「運」「実力」は学生時代まで、社会人は「錯覚資産」がものをいう。
ハロー効果
全体的に優秀だと思われる人は、初回・一部の成功体験に引きづられている。
逆もまたしかり。
イケメン・美人は何をするにしても有利。イケメンというだけで優秀と思われる。
デフォルト値
恐ろしいことに人間は自分で判断するのが困難なとき、デフォルト値を選んでしまう。ECサイトではこれを悪用している事例が多々ある。
ex) 某R市場の購入完了時、お得なメルマガ・ニュースを配信に勝手にチェックがついている。外さないと大量のメールが送られてくる(なお、本人の許諾無しに勝手にメールを送りつけると特定商取引法違反となります)
思い浮かびやすさ
人は思い浮かびやすい人に、沢山のチャンスが回ってくる。直近に会った人、やり取りをした人など。
調子のいい輩は、面倒なことを人に押し付けたり、悪口をいって思ったような結果が得られると、何度も同じ人をターゲットにする。こうしていじめが生まれる。
思考の錯覚
脳は「一貫性、原因、結論」を求める。あやふやな状態は脳が嫌がる。
所感
嫌なやつほど出世する。これが世の常と言うところですが、その理由がはっきりしました。要領よく出世している人と言うのは実力以上に自分を大きく見せる能力に長けているということです。
何もずるをしているわけでなく、いい印象を与えることで全体の印象を引き上げるという心理学で言うところのハロー効果をうまく利用しているだけでなく、人間の無自覚の思い込みの盲点をつくということを本能的に行っている人です。なんでこんなことに早く気づけなかったのでしょうか。
いくつかの心理学の本を読んだことで、だいだい理解したつもりでいましたが、改めて言います。人間の脳は自分にとって都合に良いように解釈し、必要に応じて記憶すらも書き換える。想像以上にバカだということです。
地道に努力することも大事ですが、実力をアピールする力も必要です。(かといって出来もしないことを出来るといって大風呂敷を掲げて、他人に仕事や責任を擦り付けるようなことをする輩は論外です)
喋るのが苦手な人は、ブログやプレゼン資料、数値的根拠を示すだけでも効果は高いと思います。
それでも評価者があまりにもバカな場合や、過去にやらかしてマイナスイメージがついてしまっている場合は挽回はむずかしいので、潔く転職しましょう。