【書評】EVのリアル 先進地欧州が示す日本の近未来

業務に大いに関係してくるため気になって購入。本当にEVシフトは実現するのか?

概要

  • 米国でバイデン大統領が米国内で生産されたEVを優遇すると発表。露骨な日本車外しではと反発。
  • 米国よりもEV化が進んでいるのが欧州。特にノルウェーがEV先進国。豊富な水力発電所の資源を背景として国を挙げて充電インフラの整備や補助金で強力なバックアップ。EVが全体の新車販売に占める割合は8割にまで迫っている。
  • VMやボルボなど欧州の老舗メーカーも追随。2030年までに新車は全てEVに。
  • EVでは電池が肝になる。電池関連のメーカーが勃興。
  • 大きな市場は中国。500万越えの高級車と農村向けのエントリーモデルに2極化。
  • 日本はこの分野で大きく出遅れている。ガソリン車並のシェアを確保できるか。
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所感

私自身は自動車をはじめとする製造業の会社に勤めていることもあり、自動車関連のニュースは良く耳にします。これまで個人的な意見として、そんなに急にEVシフトというわけにはいかず、どこかで白旗を揚げてガソリン車(PHV含む)は残り続けるだろうという楽観視をしていました。

ただし、本書を読んで一気に想いが変わりました。既に欧州では急速なEVシフトが進んでおり、前述のとおりノルウェーでは完全にEVがガソリン車に取って代わろうとしています。最初は車の分野に強い日本車を欧州が自分たちに優位なルールにして締め出してやろうという思惑かと勝手に思い込んでいましたが、どうやら環境問題に対する取り組みとして欧州は本気のようです。

EVの普及には、高速充電できる充電インフラと電池の性能・低価格化が鍵となります。充電インフラに関しては、ガソリンスタンドに併設するなどの動きがありますが、現状1回の充電でも20~60分かかり、ガソリンのように5分で注いですぐに出発とは行かないためスタンドに長蛇の列が出来ることになります。そこら中にスタンドがあればいいのですが、まだまだ普及には時間がかかりそうです。また、日本は原発を多く停止してしまっているため、そもそも電力が足りません。再生可能エネルギー(風力や太陽光)の活用も含めてEV用の電力の確保には時間がかかりそうです。このあたりには国のバックアップを期待したいです。

よく、EV化が進むとガソリン車関連の中小企業が「仕事がなくなるから反対」と声を上げているのを目にします。言い分はわかりますが、急速に進むEV化で出遅れると、車に関する仕事そのものがなくなってしまいます。だって日本車の売上のほとんどは海外によるものですから。日本にも電池に関する高度な技術を持った会社、軽量で強度の高い足回りの部品に関する企業は生き残っていくものと思われます。

急速に変わっていく自動車業界。日本ではトヨタがようやく本気を出し始めましたが、世界を相手に追いつき・追い越せるのか?動向を見守りたいと思います。

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