
ほぼ引退状態の元SEですが、エンジニアの端くれとしては気になる本。1月に買って最近ようやく読破しました。著者の牛尾剛さんは米マイクロソフトのシニアエンジニア。マイクロソフトのエンジニアと言うことでとんでもない頭脳の持ち主が書いた本かと思いましたが「世界一流エンジニア」とは牛尾さんの周りのエンジニアのことを指すようです。
概要
世界一流エンジニアの思考法
何が違う
試行錯誤は悪、考えてから手を動かす。
どんなに頭のいい人でも理解には時間がかかる。よくわからないことは「理解」に時間をかける。
わからないことはわからないという。人に聞く。知ったかぶりをしない。
自分が仕事をコントロールする。
Be Lazy 怠惰であれ
少ない時間で価値を最大化する。
いかにやることを減らすか。やることを減らして空いた時間に仕事を詰め込んではいけない。
リスクや間違いを受け入れること。失敗して怒ったり批判するのは子ども扱いしているのと同じ。
記憶術
マルチタスクは生産性が最低。
コミュニケーションの極意
情報量を減らす。プレゼン資料に文字を詰め込まない。自分の言葉で説明する。
チームビルディング
リーダーが支援に回るサーバント型リーダーシップが主流。
日本型のマイクロマネジメントはメンバーを子ども扱いしているとみなされる。出来ない→罰前提の管理マネジメントから、出来る→支援前提のマネジメントへ。
ちなみに日本型のマネジメントをしているとパワハラで訴えられるケースが日本以上に多いようです。
AI時代
AIはプログラマーの職を奪うかもしれない。でもそれはテクノロジーが単純作業を奪ってきたのと同じ。AIは過去のリソースを利用するのは上手いが、新しく何かを生み出すことは苦手。新しい技術に挑戦しよう・挑戦する仕事は無くならない。
所感
まず始めに断っておくと、本書内にはシステム業界で交わされる専門用語がバンバン出てきます。アジャイル、プルリクエスト?何それ?美味しいの?と言うレベルの方は読み飛ばしていただいて結構です。
まず日本のIT業界の場合はどんなに無茶な仕様変更やクライアントの要求があろうが納期厳守で無理をして体と心を壊す事例がほとんどです。ですが米国では無理なものは無理、中途半端なものをリリースするくらいなら納期をずらしてしまえという感じです。
日本と米国の文化の違いもあるのでしょうが、日本のエンジニアは雑に扱われすぎています。プログラムは下っ端がやるものとして下請け外注に丸投げをして、大手企業の技術力が大きく低下。DX改革だリスキリングだと叫ばれますが、エンジニアの価値が相対的に低い日本では海外のサービスを使ったほうが楽でしょう。だってどんなに挑戦的な取り組みをしても些細なミスを異様なまでに攻め立てられる揚げ足取り大国ニッポンですから。
今半導体業界が活況でエンジニアの取り合いが起こっていますが、優秀なエンジニアは海外に流出するか自分でやるでしょう。
エンジニア以外にも思考法としては参考になるものも多くあります。選択するのは自分。自分次第かどうか、コントロールできるかどうかに焦点をおいて、楽しみましょう。
私は趣味レベルでプログラミングを楽しみます。