深セン・イノベーション株式ファンド(1年決算型)【R&Iファンド大賞2022】

R&Iファンド大賞2022のなかから引き続き、ファンドをピックアップしていきたいと思います。

米国株が続きましたが、今度はアジアです。中国の深センハイテク企業に投資するファンドは何度がご紹介しておりますが、深センの成長力のある企業に投資するファンドとなります。

今回は、 深セン・イノベーション株式ファンド(1年決算型)をご紹介いたします。

深セン・イノベーション株式ファンド(1年決算型)とは

深セン・イノベーション株式ファンド(1年決算型)は日興アセットマネジメント株式会社が運用を行うアクティブファンドです。

投資コンセプトは下記の通りです。

  • 深セン証券取引所に上場されている中国企業の株式に加えて、米国の金融商品取引所などに上場されている中国企業の株式にも投資を行う
  • 大型株式だけでなく、中小型株式にも投資
  • 原則として為替ヘッジ無し

深センは1980年に中国政府によって経済特区に指定されて以降、飛躍的な成長を遂げてきました。近年は新興産業の発展に力を入れており、米国のシリコンバレーに匹敵する新たなイノベーション都市として、世界の注目を集めています。深センを本社とする企業は、Huawei、テンセント、BYD、ZTEなど世界的に有名な企業が多く、ハイテク産業だけで約17,000社あり企業数としても多いことがわかります。

深セン証券取引所は、国営企業などの企業が多く上場する上海証券取引所と異なり、IT(情報技術)やヘルスケアなどニューエコノミーの民間企業が多く上場しています。また、日本の東証グロース市場にあたる新興企業向け市場が設けられていることも特徴です。

懸念点はなんと言っても、習近平が支配する中国政府による政治的リスクがある点。アリババグループ傘下のアントグループの新規上場が突然停止された出来事は記憶に新しいところですが、どんなに業績好調で革新的な企業でも政府の気まぐれで突然ルールが変わってしまう、厄介な国と言う点は理解しておきましょう。

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基本情報

設定日2017年11月30日
償還日2027年11月25日
購入時手数料最大3.3%(税込) 
※証券会社によって異なる。ネット証券は無料
信託財産留保額なし
管理費用
(含む信託報酬)
年率1.705%(税込)
分配金年1回(11月)

基本情報は上記の通りとなります。アクティブファンドですので、管理費費用は1.705%とそこそこ高めです。

構成銘柄

月次レポート・目論見書を拝見

公式サイト・証券会社の銘柄紹介で閲覧することの出来る、月次レポート・目論見書・運用報告書を元に、どのような運用方針でどんな銘柄に投資しているかを確認します。

月次レポートは、前月末の情報であり、リアルタイムな情報ではありませんが、長期投資と言う目線で考えればクリティカルな問題にはならないと考えます。

構成銘柄上位10位については下記の通りです。(2022年4月末時点)

銘柄名業種比率
コンテンポラリー・アンペレックス・テクノロジー資本財6.5%
イースト・マネー・インフォメーション各種金融5.0%
ビーワイディー自動車・自動車部品4.7%
ジェイエイ・ソーラー・テクノロジー半導体・半導体製造装置3.5%
ラックスシェア・プレシジョンテクノロジー・ハードウェア3.0%
シェンゼン・ミンドレー・バイオメディカルヘルスケア機器・サービス3.0%
サンダー・ソフトウェア・テクノロジーソフトウェア・サービス2.8%
ウーシー・アプテック医薬品・バイオテクノロジー2.7%
チョンチン・ジーフェイ・バイオロジカル医薬品・バイオテクノロジー2.6%
ウーシー・リード・インテリジェント資本財2.4%

構成銘柄は57銘柄。ATMXをはじめとする有力どころは、トップ10にはランクインしておらず、あまり聞いてことの無い企業が並びます。やはりIT関連・医療関係が多い印象。

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パフォーマンス

基準価額推移

設定来、基準価額は2022年4月28日時点で、14,492円。

チャイナショック・コロナショックを克服して、チャートは右肩上がり…だったのですが、2021年末の中国恒大問題による市場の混乱・ロシアによるウクライナ侵攻・「ゼロコロナ」政策によるロックダウン影響により、絶賛暴落中です。ファンドアワードの評価対象はあくまでも「2021年」なので直近はあまり参考になりません。

過去のパフォーマンス

2022年5月末時点の情報です。

期間騰落率(分配金込み)
半年前から-52.28%
1年前から-21.64%
3年前から+87.77%
設定来+40.92%

設定来からみると、+40.92%です。

直近の成績はイマイチ。今後の反発に期待しましょう。

前述しましたが、R&Iファンドアワードの投資信託部門、アジア株式マルチカントリーにて最優秀ファンド賞を受賞。モーニングスターファンドオブザイヤー2021の国際株式(グローバル・除く日本)型 部門でも優秀ファンド賞を受賞。

まとめ

中国の深センは、ATMXだけでなく、魅力的なハイテク企業が多数存在します。習主席率いる中国共産党による、あの政権が何を起こすかわからないのでリスクはありますが、魅力はあります。個別株直接投資は非常にリスキーなので、こういったファンドに投資するのも選択してとしてはありですが、私は素直に全世界か新興国インデックスを買います。

※あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。

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