四季報2021年夏号でピックアップした銘柄のご紹介です。工作機械というと、製造業向けの機械を作るための機械ですが、特に中国向けの需要が近年伸びています。この分野では日本の企業でも世界でも勝負できる競争力の強い銘柄が多く存在します。
製造業はコロナショックにより大きく影響を受けましたが、コロナ前の2019・2020年と比較して2022年に大きく最高益を更新してきそうな銘柄について調べてみました。
今回は、6101 ツガミをご紹介いたします。
6101 ツガミとは
会社概要
wikipediaから引用です。
株式会社ツガミ(英: Tsugami Corporation)は、東京都中央区に本部を置く工作機械製造会社である。主力工場を新潟県長岡市に置く他、新潟県新潟市にも工場を構える。
wikipedeia
1937年3月 -津上製作所を設立。工作機械の製造を始める。
1949年(昭和24年)5月 – 東京証券取引所、大阪証券取引所、新潟証券取引所上場。
1970年(昭和45年)11月 – 社名を「津上」に変更。
1982年(昭和57年)10月 – 「ツガミ」社名に変更。
2003年からは中国浙江を皮切りに、アジア中心に世界各国へ現地法人を設立。積極的な海外展開を行って行っています。
事業内容としては、精密工作機械の製作がメイン。工作機械とは簡単にいうと「機械をつくるための機械」です。製造業では、鋼材を加工して製品に作っていくわけですが、金槌やのこぎりで手作業で加工していては時間がかかりすぎてしまいます。そこで効率的に材料を切断したり削ったりするための機械が必要となります。近年では、数値制御を行うNC加工で、機械加工を自動化した工作機械が主流となっています。
ツガミは、工作機械の一つであるNC旋盤・マシニングセンタに強みを持つ会社です。自動車部品関連やIT関連向けなどの幅広い分野向けに主に中国を中心として小型自動旋盤の需要が伸びています。
業績
株価チャート
早速、株価と業績を見ていきましょう。
コロナショックにより600円台まで急落。製造業のため、コロナショックの打撃をモロに受けた形となりました。その後は、世界に先駆けていち早い経済の回復を見せた中国向けの機械需要に押される形で急回復。
2021年7月30日の取引時間中に発表された1Q決算では22年3月期第1四半期(4-6月)の連結税引き前利益は前年同期比2.8倍の50.5億円に急拡大、売上営業利益率は前年同期の12.4%→21.1%に急上昇…にも関わらず後場から急落しました。コレは買い場か?
これでもなおPERは10.76 倍。PER高値平均は21倍。まだまだ上昇余地ありか。
2021年7月30日時点
PER | 10.76倍 |
PBR | 2.05 倍 |
EPS | 95.1円 |
過去5年業績
売上高 | 営業利益 | 税前利益 | 利益 | 1株益(円) | 1株配(円) | |
連18.3 | 57,576 | 6,942 | 6,510 | 4,171 | 74.7 | 18 |
連19.3 | 67,447 | 10,053 | 10,154 | 6,033 | 114.9 | 21 |
◇20.3 | 49,310 | 4,549 | 4,259 | 2,001 | 38.6 | 24 |
◇21.3 | 61,662 | 9,533 | 9,459 | 4,917 | 95.2 | 26 |
◇22.3予 | 76,000 | 11,000 | 11,000 | 5,500 | 108.1 | 28 |
過去5年の業績と予想です。2020年3月期は大きく減収減益となりましたが、急回復。22年3月期は2年ぶりの最高益の予想。
配当
配当は増配傾向にあります。
1株配(円) | |
連18.3 | 18 |
連19.3 | 21 |
◇20.3 | 24 |
◇21.3 | 26 |
◇22.3予 | 28 |
株主還元方針については明言されていませんが、増配傾向にあります。
株主優待
株主優待はありません。
気になる点
決算説明資料が…
あまりよくない資料の典型的な例。ただ数値が並んでいるだけで、要因や今後の展望について明記されておらず判断が難しい状況です。
まとめ
- PERは割安
- 増配傾向
- 製造業は急回復もコロナウイルス感染拡大状況次第か?
製造業向けの工作機械の需要は中国を中心に高まっており、新型コロナの状況次第ですが今後も拡大が見込まれます。PERも10倍前後で割安。地合いが悪く浴びせ売られましたが、もう少し下げたら狙いたい銘柄です。
あくまでも投資は自己判断でお願いします。