以前ご紹介した、鎌倉投信結い2101の組み入れ銘柄である、第一稀元素化学工業のご紹介です。
これまで、社名を全く聞いたことがなく、なんとなく化学系の会社なのかなと思っていましたが、自動車関連の業績に左右はされるものの、ニッチトップ企業であることがわかりました。
今回は4082 第一稀元素化学工業をご紹介いたします。
4082 第一稀元素化学工業とは
会社概要
wikipediaから引用です。
第一稀元素化学工業株式会社(だいいちきげんそかがくこうぎょう)は、大阪府大阪市中央区北浜に本社を置く自動車排気ガス浄化三元触媒や燃料電池車向けなどのジルコニウム化合物のメーカーである。
wikipedeia
ジルコニウム化合物を原料として自動車排気ガス浄化三元触媒、酸素センサー、ブレーキなどが作られていて、国内の自動車メーカーの酸素センサーについてはほぼ独占供給をしている。
今流行の電気自動車にも使用されるリチウムイオン電池の材料についても研究していることが株主向けの説明会で明らかとなった。
また、ペロブスカイト関連化合物の研究を行っていることからノーベル賞関連銘柄として株価が高騰した。
東証の第1部に上場を果たした。
1956年5月 – 第一稀元素化学工業株式会社を設立。
2004年12月 – 東京証券取引所市場第2部に上場。
2018年6月 – 東京証券取引所市場第1部に指定替え
創業50年以上を誇る老舗企業ですが、東証一部に上場したのは最近のことです。
第一稀元素化学工業は創業から、ジルコニウム化合物を研究し続けており、世界で約40%のシェアを誇るニッチトップメーカーです。
理系なのに化学を捨てた私にとって、ジルコニウムといっても何のことかさっぱりわかりませんが、上記の記述を見ると、どのような用途があるのかがわかります。
主な利用用途としては自動車向けの触媒のため、これからEV化が進むと業績が悪化するのではないかとの懸念があるかもしれません。
しかし、ガソリン車の代替手段として検討されているEVでのリチウム電池ではジルコニウム化合物はリチウムイオン電池の正極を保護する働きがあり、次世代の全固体電池での実用化も視野に入れ、研究開発を進めています。
さらに、水素を使った燃料電池車では、水素をいかに効率的に取り出し、航続距離を伸ばせるかが課題として挙げられるのですが、水素生成用触媒材料の研究も行っております。
現実としてのニッチトップシェア企業であると同時に、夢のある研究を行っている会社です。
業績
株価チャート
早速、株価と業績を見ていきましょう。
コロナショックにより700円台まで急落。当初21年3月期決算は前期比77%減益見込みでしたが、その後前期には及ばないものの2回の上方修正により、31.3%減の連結経常利益21.3億円で着地。さらに、バイデン政権・菅内閣による脱炭素政策により、前述のリチウム電気・水素電池関連銘柄として材料視され2021年に入ってから株価が急上昇しています。
これでもなおPERは21.91 倍。ただし、直近の高値平均PER17.6倍を超えているので割高か?
2021年6月26日時点
PER | 21.91 倍 |
PBR | 1.52 倍 |
EPS | 50.9円 |
過去5年業績
売上高 | 営業利益 | 税前利益 | 利益 | 1株益(円) | 1株配(円) | |
連18.3 | 25,537 | 4,632 | 4,355 | 2,971 | 122.9 | 16 |
連19.3 | 27,483 | 4,218 | 4,311 | 3,093 | 127.9 | 19 |
連20.3 | 26,518 | 3,110 | 3,102 | 2,348 | 96.9 | 20 |
連21.3 | 23,465 | 2,015 | 2,131 | 1,235 | 50.9 | 18 |
連22.3予 | 29,200 | 3,000 | 3,100 | 2,100 | 86.5 | 20 |
過去5年の業績と予想です。21年3月期は大幅減収減益となりました。22年3月期は一転増収増益の予想。
配当
配当は増配傾向にあります。
1株配(円) | |
連18.3 | 16 |
連19.3 | 19 |
連20.3 | 20 |
連21.3 | 18 |
連22.3予 | 20 |
株主還元方針については明言されていませんが、増配傾向にあります。
株主優待
株主優待はありません。以前はクオカードがあったようですが廃止された模様。
まとめ
- PERは普通
- 増配傾向
- ニッチトップ企業
- 燃料電池・水素関連の研究開発に期待。
特定分野のニッチトップ企業であり、さらに燃料電池・水素関連での研究で期待される企業です。コロナが落ち着けば更なる業績回復が見込めます。
ただし、燃料電池関連は期待が大きい分、決算発表時の機関投資家による売りが恐いです。
あくまでも投資は自己判断でお願いします。