2021年9月。長い調整が終わり、日経平均が3万円台を回復しました。投信は本来短期売買するものではなく、直近1ヶ月のリターンはあまり参考にはしませんが、構成銘柄を見るという目的なら別です。
大型株の場合は、株価の成長余地があまり残されていませんが、中小型株の場合は、地合いに乗って一気に上昇する可能性を秘めています。
今回は、日本中小型成長株発掘ファンドについてご紹介いたします。
日本中小型成長株発掘ファンド とは
日本中小型成長株発掘ファンドは三井住友DSアセットマネジメントが運用を行うアクティブファンドです。日本の中小型株式に投資するファンドです。
投資コンセプトは下記の通りです。
- 日本の取引所に上場している株式(TOPIX100採用銘柄を除きます。)のうち、中小型株に投資します。
- 中小型株の中から、「チャレンジ精神やベンチャー精神のある企業」、「競争力のある製品・サービスを展開する企業」、「新市場創出を目指す企業」に着目します
企業が創業し、成熟するまでの期間において「新規上場」、「成長期から成熟期」にかけての期間は、最も成長性が高く、株式市場の中でも存在感が高まるとの考えがあるようで、この期間の投資機会を適切に捉えて投資することにより高いリターンを狙うのが本ファンドの目的です。
似たような名前のファンドとして 三井住友・中小型株ファンド がありますが、こちらは 日本中小型成長株発掘ファンド のように狙いをさだめておらず、中小株全般に投資します。
基本情報
設定日 | 2018年4月20日 |
償還日 | 2028年2月25日 |
購入時手数料 | 最大3.3%(税込) ※証券会社によって異なる。ネット証券は無料 |
信託財産留保額 | 0.15% |
管理費用 (含む信託報酬) | 年率1.649%(税込) |
分配金 | 年1回(9月) |
基本情報は上記の通りとなります。アクティブファンドですので、管理費費用は1.649%と高めですが、信託財産留保額0.15%とやや安め。
2018年設定と比較的あたらしいファンドです。
構成銘柄
構成銘柄上位10位については下記の通りです。(2021年8月末時点)
銘柄名 | 業種 | 比率(%) |
---|---|---|
物語コーポレーション | 小売業 | 5.0 |
ギフティ | 情報・通信業 | 4.9 |
クリーク・アンド・リバー社 | サービス業 | 4.9 |
ビューティガレージ | 卸売業 | 4.8 |
ミンカブ・ジ・インフォノイド | 情報・通信業 | 4.8 |
STIフードホールディングス | ⾷料品 | 4.8 |
フジミインコーポレーテッド | ガラス・土石製品 | 4.8 |
アイティメディア | サービス業 | 4.7 |
バイク王&カンパニー | 卸売業 | 4.7 |
ビジョン | 情報・通信業 | 3.6 |
組み入れ銘柄数は約100。
物語コーポレーションは「焼肉きんぐ」「丸源ラーメン」などの飲食チェーンを全国展開。コロナ禍にもかかわらず積極姿勢で、私の勤める会社の近くにも最近沢山店舗が出店しています。
ビューティーガレージはプロ専用の美容商材通販サイト運営で、四季報2021年新春号でピックアップしていたのですが、その後急上昇。
その他の急上昇中の銘柄が多い印象です。
なお、本ファンドの月次レポートには最新の組み入れ銘柄数だけでなく、3ヶ月前、6ヶ月前の組み入れ上位10銘柄も併記されており、銘柄の変遷がわかるようになっています。結構な頻度で上位銘柄は入れ替えているようです。
個人的に気になったのは下記の銘柄です。
パフォーマンス
基準価額推移
設定来、基準価額は2021年9月17日時点で、12,742円
例外なくコロナショックで大暴落しましたが、その後は回復。期間中中小型株が好調だったこともあり、急上昇。
過去のパフォーマンス
2021年3月末時点の情報です。
期間 | 騰落率(分配金込み) |
---|---|
半年前から | +11.82% |
1年前から | +34.10% |
3年前から | +28.24% |
設定来 | +27.42% |
設定来からみると、+27.42 %です。
コロナショック前までは、ずるずると基準価額が下がり続ける微妙なファンドでしたが、その後は急上昇。設定されてから日が浅いため、評価が難しいファンドです。
まとめ
コロナ前後で評価が分かれる本ファンド。構成銘柄を結構頻繁に入れ替えているのを見ると競争力が高い銘柄を謳ってはいますが、トレンドを追っている反面、長期投資向きの銘柄はあまり無いような印象です。
直近上昇しそうな銘柄を追うにはいいファンドでしょう。
※あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。