グローバルX社が2021年9月28日に新たなETFを3本同時に東証新規設定することがわかりました。
一つ目は日本の半導体関連株式ETFです。投信信託ではいくつかファンドがありますが、日本の銘柄に投資するETFに関してはこれまでありそうでなかったというのが現状です。
今回は、同時上場のうち第1弾となる2644 グローバルX 半導体関連-日本株式 ETFについてご紹介いたします
2644 グローバルX 半導体関連-日本株式 ETF とは
半導体の製造や加工に関連したビジネスを行う日本企業で構成される株式への投資を目指す、東証に上場するETFです。
投資対象は下記の通りです。
- 半導体の製造、半導体関連部品・材料の製造を行っている銘柄が対象
- 原則として、収益の大半を半導体関連ビジネスから上げている最大40銘柄で構成
- 原則として年2回、指数構成銘柄および構成比率の見直しを行う
直近では半導体不足による自動車の減産がクローズアップされていますが、PC・ゲーム機などの電子機器だけでなく、5G・ビッグデータ・AI・IoT・自動運転・ロボティクスなどあらゆる産業においても必須のパーツであり、今後ますますその需要は高まると見込まれています。
※ネタバレ注意!!
少年ジャンプ連載中の「Dr.STONE」でも半導体を作成しコンピューターの開発を目指すというストーリーが展開されており、漫画の世界にまで半導体が注目され始めています。
運営会社 グローバルXとは
グローバルX は2008年創業のETFに特化した運用会社で、ニューヨークを拠点としています。世界の潮流への投資を目的としたテーマ型ETFと、安定した分配金獲得のためのインカム型ETFなどを提供しています。特定のテーマに沿った特化型のETFを多く提供しています。
日本の東証に上場するETFも増えてきています。
基本情報
配当月 | 4月,10月 |
配当利回り | 未定 |
経費率 | 0.649%(税込) |
基本情報は上記の通りとなります。年2回配当があるとのことですが、詳細は不明。経費率はグローバルXのテーマ型ETFとしては高め。
構成銘柄
構成銘柄ついては下記の通りとなっております。(2021年9月10日時点。FactSet社のウェブサイトより)
銘柄コード | 銘柄名 | 構成比率 |
---|---|---|
7741 | HOYA | 11.25% |
6857 | アドバンテスト | 10.27% |
8035 | 東京エレクトロン | 9.84% |
6723 | ルネサスエレクトロニクス | 9.77% |
6920 | レーザテック | 9.10% |
6146 | ディスコ | 8.43% |
6479 | ミネベアミツミ | 7.86% |
6963 | ローム | 7.66% |
6965 | 浜松ホトニクス | 6.61% |
7735 | SCREEEN ホールディングス | 3.33% |
7731 | ニコン | 2.42% |
6728 | アルバック | 1.96% |
6770 | アルプスアルパイン | 1.93% |
7729 | 東京精密 | 1.58% |
3132 | マクニカ・富士エレホールディングス | 1.09% |
6707 | サンケン電気 | 1.00% |
6966 | 三井ハイテック | 0.97% |
6323 | ローツェ | 0.74% |
6957 | 芝浦エレクトロニクス | 0.51% |
6235 | オプトラン | 0.51% |
6315 | TOWA | 0.48% |
6875 | メガチップス | 0.44% |
3445 | RS Technologies | 0.37% |
6871 | 日本マイクロニクス | 0.36% |
8155 | 三益半導体工業 | 0.33% |
2760 | 東京エレクトロン デバイス | 0.29% |
8068 | 菱洋エレクトロ | 0.26% |
6613 | QDレーザ | 0.25% |
6616 | トレックス・セミコンダクター | 0.21% |
6590 | 芝浦メカトロニクス | 0.20% |
構成銘柄は上記30銘柄(2021年9月10日時点)。
マスクブランクスとフォトマスク製造のHOYAが組み入れ比率一位で、日経平均株価への寄与度の大きな、アドバンテスト、東京エレクトロンが続きます。日本を代表する銘柄ばかりです。
メリット
圧倒的な成長
もともと半導体分野は好調でしたが、コロナショック後の半導体需要の増加に比例するかのように、驚異的な伸びを見せています。
年度別の騰落率は下記の通り、
年度 | 騰落率 |
---|---|
2017年 | +40.6% |
2018年 | -33.1% |
2019年 | +66.4% |
2020年 | +26.4% |
2021年 | +15.9% |
値がさ株に投資できる
半導体関連銘柄は既に株価が非常に高値となっている場合が多く、HOYAは¥18,000、アドバンテストは¥11,000、ディスコ¥35,000と一般投資家が最低単元で投資しようとすると100万円以上かかってしまいます。ETFの場合は銘柄が分散されつつ、一口1,000円~2,000円と手ごろな値段から手を出せるのがメリットです。
デメリット
経費率が高い
これはグローバルX社のETF全般に言えることですが、経費率が 0.649%(税込) とETFにしては高め。
野村半導体は日本の半導体銘柄を集めたファンドで経費率は1.65%のため、これよりははるかに安いですが、どう判断するか難しいところです。
まとめ
半導体関連銘柄は、ディスコや東京エレクトロンなど値がさ株が多いので、これ一本で日本の厳選30銘柄に投資できるのがメリットです。
投信は経費率が高いので、少額から低コストで日本の半導体関連銘柄に投資できる本ETFも選択肢の一つであると考えます。