遺伝子工学と言うと遺伝子組み換え食品やクローン人間など、なんだか怖そうなイメージがつきまといます。実際には、病気の治療や作物の品種改良などを行うバイオテクノロジーの一分野として今後の成長が期待されています。
eMAXIS Neoシリーズ最終回となる今回は、eMAXIS Neo遺伝子工学についてご紹介いたします。
eMAXIS Neo 遺伝子工学とは
米国の金融商品取引所に上場している、日本を含む世界各国の遺伝子工学関連企業の株式等に投資を行うS&P Kensho Genetic Engineering Indexに連動する成果を目指す投資信託です。為替ヘッジを行わず、ファミリーファンド方式で運用を行います。
遺伝子工学とは、ヒト、動物、植物などの遺伝子を改変することで、病気の治療や作物の品種改良などを行うバイオテクノロジーの一分野です。
日本では抵抗があるものの、米国では既に大豆、トウモロコシの耕地面積の8割以上が遺伝子組換え作物となっています。
「クリスパー・キャス9」という、生物の遺伝子を簡単に、迅速に改変可能な新技術が登場以降、遺伝子工学は新たなステージに突入しました。
今後は倫理面の課題はあるものの、ヒトゲノム編集による遺伝子治療の発展が期待されています。
eMAXIS Neo シリーズとは
「Kenshoテクノロジーズ」の開発した株式指数に連動する投資成果を目指す投資信託です。テーマごとにAI(人工知能)が自動で銘柄選定を行います。
対象銘柄
米国の金融商品取引所に上場している銘柄が組入れ対象となります。米国の金融商品取引所に上場していれば対象となるため、米国以外の企業も組入れられる可能性があります。
銘柄選定基準
有価証券報告書などの開示資料をAIが読み込み、テーマに関連する言葉の出現頻度、出現場所などを基に銘柄を選定します。また、時価総額・売買代金による銘柄の絞込みも行われ、時価総額の小さい銘柄や出来高の少ない銘柄は除外されるとのことです。
基本情報
設定日 | 2018年8月6日 |
償還日 | 無期限 |
購入時手数料 | なし |
信託財産留保額 | なし |
管理費用 (含む信託報酬) | 年率0.792%(税込) |
分配金 | 年1回(8月) |
基本情報は上記の通りとなります。購入時手数料・ 信託財産留保額は無し、管理費用は0.792%(税込)。 メジャーなインデックス型の投資信託と比較すると高いですが、それでも1%を切る安めの設定。
他の eMAXIS Neoシリーズも全く同額の価格設定。どのテーマを選択するかはお好みです。
構成銘柄
7構成銘柄上位10位については下記の通りです。(2021年7月末時点)
銘柄名 | 国・地域 | 比率 |
---|---|---|
MODERNA INC | 米国 | 3.2% |
INTELLIA THERAPEUTICS INC | 米国 | 3.2% |
TRANSLATE BIO INC | 米国 | 3.1% |
BIONTECH SE-ADR | ドイツ | 2.2% |
IOVANCE BIOTHERAPEUTICS INC | 米国 | 2.0% |
DICERNA PHARMACEUTICALS INC | 米国 | 2.0% |
ALNYLAM PHARMACEUTICALS INC | 米国 | 1.9% |
TWIST BIOSCIENCE CORP | 米国 | 1.8% |
EDITAS MEDICINE INC | 米国 | 1.8% |
NOVAVAX INC | 米国 | 1.8% |
組み入れ銘柄数は70銘柄と、eMAXIS Neoシリーズにしては分散が聞いています。組み入れ1位はモデルナ。コロナウイルスのワクチンでもおなじみ。ちなみに私は職域接種でモデルナのワクチンを2回接種済みです。
他の銘柄は、すみませんよくわかりません(笑)
パフォーマンス
基準価額推移
設定来、基準価額は2021年8月16日時点で、13,861円。
本ファンドに限ってはコロナショックに関係なく値動きが大きいです。2020年末から2021年にかけて、コロナウイルスワクチンへの期待から急騰しましたが、医療分野は総じて乱高下しやすいため直近は調整中。
過去のパフォーマンス
2021年8月末時点の情報です。
期間 | 騰落率(分配金込み) |
---|---|
6ヶ月前から | -17.78% |
1年前から | +22.66% |
設定来 | +38.61% |
設定来からみると、+ 38.61%。
医療・バイオテクノロジーの分野は訴訟リスクをかかえるため、どうしても不安定な値動きとならざるを得ません。eMAXIS Neo シリーズ最古参でありながらも、パフォーマンスはシリーズ内最低となっております。
まとめ
eMAXIS Neoシリーズは総じてパフォーマンスがいいはずですが、本ファンドに至ってはシリーズ内最低。テーマ型インデックスファンドははまれば高パフォーマンスとなりますが、本ファンドのようにテーマ選びを間違えると低パフォーマンスとなってしまいます。テーマごとの成長性・収益性を考慮してファンド選びを行いましょう。
※あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。