大和アセットマネジメントより2022年2月1日にNASADAQ100指数に連動するETFを3本上場するとアナウンスがありました。為替ヘッジあり・なしの2本ならまだ理解できますが、インバース型(-1倍の動き。ベア型とも言う)のETFもラインナップするというほかとは違うラインナップです。
今回は2840:iFreeETF NASDAQ100(為替ヘッジなし)/2841:iFreeETF NASDAQ100(為替ヘッジあり)/2842:iFreeETF NASDAQ100インバースについてご紹介いたします。
iFreeETF NASDAQ100とは
新興市場であるNADAQから金融関連銘柄を除く上位100銘柄で構成されるNASDAQ100指数の値動きに連動した投資成果を目指す東証に上場するETFです。おなじみのGAFAをはじめとしたハイテク企業が中心ですが、業績の変動が激しいことから値動きが荒くなるのが特徴です。
ハイテク株に代表されるグロース株はPERが高めの銘柄が多くPERの逆数である益回りが低くなりがちです。金利上昇局面ではPERが高い株は金利と比較した益回りの低さから相対的な投資魅力が低下し売られやすくなる傾向があります。
NASDAQ100指数に連動するETFといえば、米国ETFであるQQQがメジャーですが、同様のETFに円で投資できることが最大のメリットです。
為替ヘッジあり・なしについて
「為替ヘッジなし」と「為替ヘッジあり」は、基準価額の値動きが為替相場の影響を受けているかどうかの違いです。これらには、次のような下記のような特徴があります。
為替ヘッジなし | 為替ヘッジあり | |
---|---|---|
為替相場の影響 | あり | なし |
為替差益 | 得られる | 得られない |
ヘッジコスト | あり | なし |
為替変動の影響を受けた価格変動を受け入れられる人や今後円安に進むと考えている人、は「為替ヘッジなし」を選択。
為替変動の影響を極力減らし、リスクを抑えたい人や今後円高に進むと思う人は「為替ヘッジあり」を選ぶとよいでしょう。
※参考 2022年1月末時点 $1 = 114.17円。
インバースについて
インバース(Inverse) とは「逆の、反対の」という意味で、日々の変動率が参照とする指数のマイナスの倍率になるように設計されたもの。ベア型とも呼ばれます。
目先の株価が下落すると予測するときには有効な方法です。
商品によっては、-2倍、-3倍という倍率の商品もありますが、経費率も高くリスクも大きいため注意が必要です。
基本情報
為替ヘッジなし | 為替ヘッジなし | インバース | |
---|---|---|---|
配当月 | 3月、9月 | 3月、9月 | 3月、9月 |
配当利回り | 未定 | 未定 | 未定 |
経費率 | 0.22%(税込) | 0.22%(税込) | 0.825%(税込) |
基本情報は上記の通りとなります。為替ヘッジあり・なしともに同じ設定で、インバースがリスク面も考慮して割高となります。東証に上場するインバース型のETFとしては、TOPIX/日経平均に連動するものはありますが、NASDAQ100に連動するインバース型のETFは初の上場となります。
NASDAQ100指数に連動するETFとしては後発となりますが、現時点で管理費用は同率で最安値となります。
ETF名 | 経費率(税込) |
---|---|
2840 iFreeETF NASDAQ100 | 0.22% |
2631 MAXIS ナスダック100上場投信 | 0.22% |
1545 NEXT FUNDS NASDAQ-100連動型上場投信 | 0.495% |
2568 上場インデックスファンド米国株式(NASDAQ100) | 0.275% |
NASDAQ100指数に連動する国内ETFは上記となります。(為替ヘッジ無しのみ記載)。 MAXIS ナスダック100上場投信 と同率で最低の経費率となります。
構成銘柄
構成上位10銘柄についてはもうあえてご紹介する必要も無いと思いますが、下記の通りとなっております。同じ大和アセットマネジメントの投信iFree Next NADAQ100の月次レポートより(2021年12月末時点)
あとでかく
ティッカー | 銘柄名 | 組み入れ比率(%) |
---|---|---|
AAPL | アップル | 10.9% |
MSFT | マイクロソフト | 9.5% |
AMZN | アマゾン・ドット・コム | 6.3% |
QQQ | INVESCO QQQ TRUST SERIES 1 | 5.2% |
FB | メタ・プラットフォームズ | 4.5% |
TSLA | テスラ | 4.0% |
NVDA | エヌビディア | 3.9% |
GOOG | アルファベット クラスC | 3.4% |
GOOGL | アルファベット クラスA | 3.3% |
AVGO | ブロードコム | 1.7% |
上位10銘柄はほとんど変化なし。Facebookは社名がMetaになりました。個別銘柄だけでなく、ETFのQQQを買ってるところが面白いところ。
メリット
円で購入可能
これまではQQQに投資するためにドルに両替する必要がありましたが、円で購入可能な同様のETFが上場することで選択肢が増えそうです。
管理費用は最安値
前述のとおり、国内のNASDAQ100指数に連動するETFとしては管理費用は最安値の0.22%となります。
デメリット
値動きは荒い
新興市場のNASDAQにおいてはハイテク銘柄が多い関係上、業績の変動が激しく値動きは乱高下する傾向があります。また、GAFAM+テスラで構成比率44%を超え、一部銘柄の影響を受けやすいのも特徴です。
インバース型はハイリスク
前述しましたが、金利上昇局面ではハイテク銘柄が下落する傾向がありますが、何度も急激な下落から反発してきたNASDAQだけにインバース一本に絞るのはハイリスクすぎます。
出来高は???
これは東証のETF全般に言えることなのですが、どうしても米国ETFと比べると出来高が少なくなりがちです。
まとめ
経費率が安いため、ドル転するのが面倒な方、これからNASDAQ100指数への投資を検討している方はこちらのETFでいいと思います。
直近では、FRBが利上げを予定しており、ハイテク銘柄の多いNASDAQは下落の可能性がありますので、指数と逆の動きをするインバース型へ投資するという選択肢もあります。
東証上場のETFも増えてきましたが、選択肢が多い分情報収集をしっかりとして市場に臨みましょう。
※あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。