【水 ETF】PIO インベスコ・ グローバル・ ウォーターETF 【米国ETF】

2021年9月2日付けの日経電子版で面白い記事がありました。水に関連する企業を運用対象とするETFに注目が集まっているようです。

記事によると、SDGs(持続可能な開発目標)への関心の高まりで、きれいな水への需要が増しています。半導体の製造で大量の水を必要とすること、気候変動の影響で水の確保が困難となる地域も出てきている中、「水」に関するビジネスが注目を集めています。

今回は、日経の記事内でも紹介されており、楽天証券でも購入可能な、PIO インベスコ・ グローバル・ ウォーターETFを調べてみたのでご紹介いたします。

PIO とは

PIOとは インベスコ・リミテッド が運用を行う「NASDAQ OMXグローバルウォーターインデックス」という指数に連動を目指す米国籍のETFです。世界の株式市場に上場されている飲料水、家庭用水、工業用水の処理・節約・浄化のための製品・サービス提供を行う企業への投資を行います。

「日本人は水と安全はタダだと思っている」

イザヤ・ベンダサン氏

上記の言葉があるように、日本に住んでいると水道から当たり前のように水が出てきて飲み水として利用できることが普通に思えますが、発展途上国では水道水を飲むことは自殺行為に等しく生活用水の確保は死活問題です。また大量の水を必要とする半導体をはじめとする製造業での工業用水、農業用水など水は必要不可欠な資源です。

地球上の「水」の約97.5%が「海水」で、約2.5%が「淡水」とされていますが、淡水の8割以上が南極、北極、氷河、地下水となっており、実際に使える地球上の淡水は地球全体の水の約0.01%しかないと言われています。

直近では、温暖化を起因とする気候変動で干ばつによる水不足は深刻となっています。

ただでさえ希少な資源である「水」ですが、今後も世界の総人口と1人当り所得は伸び続け、衛生的な水の需要が拡大しつづけており、数少ない資源の奪い合いが発生している状況です。

こうした観点に立つと、水源開発、工業用水供給、水の再利用、上下水道、海水の淡水化などのウォーター・ビジネス(水資源関連事業)は「景気のサイクルに左右されにくい安定成長分野」と考えられます。

運営会社 インベスコとは

インベスコ・リミテッド(Invesco Ltd.)は、アメリカ合衆国ジョージア州アトランタを本拠地とする独立系資産運用会社で、世界20カ国以上の拠点で資産運用サービスを展開しています。ニューヨーク証券取引所に上場し、S&P500種株価指数の採用銘柄になっています。

同社が提供するETFでは、最近絶好調のNASDAQ100指数への連動を目指すETF QQQが代表的です。

スポンサーリンク

基本情報

配当月4回(3月,6月,9月,12月)
配当利回り0.65%
経費率0.75%

基本情報は上記の通りとなります。設定されたのは2007年。経費率は非常に高く0.75%です。

配当はあまり期待できません。

構成銘柄

構成銘柄については下記となっております。(2021年9月2日時点)

ティッカー銘柄名構成比率(%)
DHRDanaher Corp9.33
ECLEcolab Inc7.607
FERG LNFerguson PLC7.207
GEBN SWGeberit AG6.876
PNRPentair PLC6.267
WATWaters Corp4.539
AWKAmerican Water Works Co Inc4.346
VIE FPVeolia Environnement SA4.059
ROPRoper Technologies Inc3.896
XYLXylem Inc/NY3.067
IEXIDEX Corp2.726
5332 JPTOTO2.624
HLMA LNHalma PLC2.474
AOSA O Smith Corp2.456
SBSP3Cia de Saneamento Basico do Estado de Sao Paulo2.411
SPX LNSpirax-Sarco Engineering PLC2.41
270 HKGuangdong Investment Ltd2.396
SVT LNSevern Trent PLC2.314
UU/ LNUnited Utilities Group PLC2.089
PNN LNPennon Group PLC1.766
021240 KSCoway Co Ltd1.745
6370 JP栗田工業1.732
WMSAdvanced Drainage Systems Inc1.62
ANAAcciona SA1.551
ITRIItron Inc1.457
STNStantec Inc1.386
HSV LNHomeServe PLC1.377
HERHera SpA1.188
AALBAalberts NV1.136
6005 JP三浦工業1.045
RWCReliance Worldwide Corp Ltd0.799
ARCADArcadis NV0.659
371 HKBeijing Enterprises Water Group Ltd0.653
BEAN SWBelimo Holding AG0.615
IEXIndian Energy Exchange Ltd0.398
GEN LNGenuit Group PLC0.372
6368 JPオルガノ0.338
ACEACEA SpA0.298
9551 JPメタウォーター0.265
855 HKChina Water Affairs Group Ltd0.179
TTW-R TBTTW PCL0.176
CWCOConsolidated Water Co Ltd0.124

医療機器大手の Danaher (ダナハー)が構成比率トップ。実はダナハーはM&Aにより、水処理・水質分析の装置の開発も手がけている企業です。医療機器銘柄で狙ってみたいと思っていましたが益々興味がわきました。

日本からも「TOTO」「栗田工業」「三浦工業」「オルガノ」「メタウォーター」が組み入れられていますね。いずれもESG投資銘柄として注目を集めています。

セクター別の内訳と、国・地域別の構成は上記のとおりです。

セクター別では製造業が半数弱を占めます。

投資対象地域は、アメリカを中心に全世界に分散しています。アメリカ以外は、イギリス・スウェーデン・日本と続きます。

スポンサーリンク

パフォーマンス

株価チャートを見ていきましょう。

2020年からのチャートを見てみると、コロナショック後は安定した右肩上がり。2007年6月の上場以来の最高値圏にあります。2020年末と比べると24%上回っています。(2021年9月3日時点)

他の指数の比較チャートは下記の通りです。

水色:PIO
赤色:VOO(S&P500)
橙色:DIA(ダウ平均)

VOOとはほぼパフォーマンスは変わらず。ダウ平均よりは20%以上高いパフォーマンスとなっています。

経費率を考えると、幅広いセクターに分散が効いているVOOが優位でしょうか。

まとめ

チャートを見てわかるとおり、急騰はないものの急落もなく綺麗な右肩上がりで非常に安定していることがわかりました。水関連ビジネスは安定成長分野といえそうです。

構成銘柄を見てみると、ダナハー、TOTO、三浦工業と興味深い銘柄が並びますが、どれも個別株の場合は株価が高いので、一株$43ドルほど(2021年9月3日時点)で手軽に手を出せるのは魅力的です。経費率が0.75%と非常に高いのがネックですが…。

新聞に取り上げられたこともあり、しばらくは注目のETFです。

※米国株、米国ETFは1株から購入可能です!!

あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。

タイトルとURLをコピーしました