2021年4-6月期の四半期決算発表が一段落し、四季報秋号の発売が待ち遠しい時期となってきました。改めて、銘柄をスクリーニングしていたところ、割安な銘柄を見つけましたが、またしても四季報でピックアップしておきながら放置していた銘柄。NISSSHAです。祖業は印刷業ですが、よくよく調べてみると、老舗で技術力もありグローバルに活躍する企業であることがわかりました。
今回は、7915 NISSHAをご紹介いたします。
7915 NISSHAとは
会社概要
wikipediaからの引用です。
NISSHA株式会社は、日本の印刷会社。本社は京都府京都市中京区にある。かつての商号は日本写真印刷株式会社。
(中略)
高品質な美術印刷を得意とする創業80年を超える大手印刷会社ではあるが、高度な印刷技術を使った加飾フィルムや最先端のタッチセンサーでグローバル展開している。
近年は印刷用資材である蒸着紙を手がけたり、メディカル分野にも進出している。
特にタッチセンサーでは世界トップレベルのシェアを持ち、近年のタッチパネルの旺盛な需要に伴い、成長が著しい。印刷業界が構造不況に陥るなか、好調な業績を挙げている。
京都サンガF.C.のオフィシャルスポンサーでもある。
wikipedia
沿革
1929年 : 鈴木直樹が印刷業を創業。
1942年 : 日本写真印刷有限会社設立。
1946年 : 日本写真印刷株式会社設立。
1961年 : 大阪証券取引所2部上場。
1962年 : 京都証券取引所上場。
1969年 : 東京証券取引所2部上場。
1980年 : 東証・大証1部上場。
2017年 : 日本写真印刷株式会社からNISSHA株式会社に商号変更。
2019年 : ゾンネボード製薬株式会社買収子会社化
事業概要
もともとは印刷会社として創業。その後転写箔やタッチパネルなどの電子部品を開発し、事業の多角化を行います。
2000年代に入ると世界進出が本格化。2007年には海外売上高比率が50%を超えます。現在では海外売上比率は80%を突破。
2010年以降は、M&Aによる事業の多角化を推進。医療機器メーカーさらには製薬会社を買収し、富士フィルムやコニカミノルタと同様に印刷で培った技術をもとに医療分野への進出を果たしています。
前述しましたが、タッチセンサーでは 世界トップレベルのシェアを誇り現在はタブレット端末向けタッチパネル製品が収益の柱。主要な取引先は任天堂、Apple、ノキヤなど。
産業資材事業(売上比率:27%)
さまざまな素材の表面に付加価値を与える独自技術を有する事業です。プラスチックの成形と同時に加飾や機能の付与を行うIMD、IMLおよびIME は、グローバル市場でモビリティ、家電製品などに広く採用されています。
ディバイス事業 (売上比率:57.1%)
主力製品であるフィルムタッチセンサーはグローバル市場でスマートフォン、タブレット、携帯ゲーム機、産業用端末(物流関連)、モビリティ(自動車・輸送機器)などに幅広く採用されています。このほか、圧力を検知するフォースセンサーや、気体の状態を検知するガスセンサーなどを提供しています。
メディカルテクノロジー事業 (売上比率:11.4%)
心疾患向けを中心に幅広い分野で使われる低侵襲医療用の手術機器や医療用ウェアラブルセンサーなどの製品を手がけており、現在はグローバルベースで大手医療機器メーカー向けの開発製造受託(CDMO)を展開するとともに、医療機関向けに自社ブランド製品を製造・販売しています。
業績
株価チャート
早速、株価と業績を見ていきましょう。
コロナショックで一時下落しますが、3ヶ月ほどで元の水準を回復。その後は好調な業績に比例するかのように緩やかな右肩あがり。もともと2018年までは3,000円台の株価だったのですが、2019年12月期の中国でのスマートフォン向け電子部品の需要が減退のあおりを受け赤字に転落。現在は反省を活かしてコストコントロールを行い、業績はV字以上の回復を見せていますが、割安なまま放置されている感があります。
PER5.5倍/PBR0.87倍でPER高値平均42.3%,安値平均でも13%と数値の上でもかなりも割安。
2021年8月27日時点
PER | 5.5倍 |
PBR | 0.87倍 |
EPS | 305.3円 (予想) |
過去5年業績
売上高 | 営業利益 | 税前利益 | 利益 | 1株益(円) | 1株配(円) | |
18.3 | 159,518 | 6,278 | 7,578 | 6,734 | 139.7 | 30 |
18.12 | 207,404 | 8,071 | 7,370 | 4,308 | 85.5 | 30 |
19.12 | 173,189 | -4,307 | -4,696 | -4,131 | -82.8 | 35 |
20.12 | 180,006 | 7,290 | 7,051 | 7,069 | 141.5 | 30 |
21.12予 | 186,500 | 17,000 | 18,000 | 15,200 | 305.3 | 30 |
過去5年の業績と予想です。前述のとおり、2019年12月期は中国向けの液晶パネル需要の落ち込みから赤字でした。2020年12月期は例年並み。そして、2021年12月期は当初予想よりも65%上方修正をおこなった上で四季報予想を大きく上回る15年ぶり過去最高益の見込み。
配当
配当はここ数年は据え置き。
1株配(円) | 記念配当 | |
連18.3 | 30 | 0 |
連19.3 | 30 | 0 |
連20.3 | 30 | 5 |
連21.3 | 30 | 0 |
連22.3予 | 30 | 0 |
配当は30円でここ数年は継続。このままの業績予想で着地するとして一株益305円で配当性向は9%。増配があるかもしれません。
株主優待
株主優待はありません。
まとめ
- PER低め割安銘柄
- 15期年ぶり最高益
- グローバルニッチトップ企業
グローバルニッチ企業、業績は絶好調で、PER割安、株価も手ごろで調べれば調べるほど手を出して胃見たくなる銘柄です。あまり知られていないのか?次の四季報でばれてしまう可能性があるので早めに仕込みたいところです。
あくまでも投資は自己判断でお願いします。