人気の投信の中身を覗いてみようシリーズです。
直近の成績がよく、ファンド大賞を受賞している投信の中身を見てみようということで、海外株式がメインになりますが、グローバルAIファンドを見ていきたいと思います。名前の通り、AI関連のIT企業が並ぶのかと思いきやAIを活用している意外な銘柄が並びました。
今回は、グローバルAIファンドについてご紹介いたします。
グローバルAIファンドとは
グローバルAIファンドは三井住友DSアセットマネジメントが運用を行うアクティブファンドです。世界の株式に投資するファンドです。
投資コンセプトは下記の通りです。
- AI(人工知能)の進化、応用により高い成長が期待される企業の株式に投資
- AIに関連する企業の投資戦略に強みをもつ、アリアンツ・グローバル・インベスターズU.S.LLCが実質的な運用
- ファミリーファンド方式を採用
AIテクノロジーの開発のほか、AIの開発に必要なコンピューティング技術、AIを活用したサービス、ソフトウェア・アプリケーションの提供を行う企業や、AIを活用したサービスを駆使して自社ビジネスを成長させる企業等に投資を行います。
AIの進化、応用により高い成長が期待される下記の分野の株式に投資を行います。場合によってはREITも含むとのことです。
- 自動運転
- ロボティクス
- フィンテック
- IoT
- セキュリティ
VR
グローバルAIファンドには、為替ヘッジなし/あり、予想分配金提示型といくつかタイプがありますが、組み入れ銘柄は同じなので為替ヘッジなしの前提で話を進めていきます。
基本情報(為替ヘッジなし)
設定日 | 2016年9月9日 |
償還日 | 2026年9月26日 |
購入時手数料 | 最大3.3%(税込) ※証券会社によって異なる。ネット証券は無料 |
信託財産留保額 | なし |
管理費用 (含む信託報酬) | 年率1.925%(税込) |
分配金 | 年1回(9月) |
基本情報は上記の通りとなります。アクティブファンドですので、管理費費用は1.925%と高めですが、信託財産留保額はなし。
2016年9月設定で、2017年2月に為替ヘッジなし版、その後予想分配金提示型の為替ヘッジあり/なしと設定されていますが、償還日は全て2026年9月に設定されています。
構成銘柄
構成銘柄上位10位については下記の通りです。(2021年3月末時点)
銘柄名 | 業種 | 比率 |
---|---|---|
ロク | コミュニケーション・サービス | 5.0% |
テスラ | 一般消費財・サービス | 4.9% |
GE | 資本財・サービス | 4.1% |
ウォルト・ディズニー | 建設業 | 3.3% |
アマゾン・ドット・コム | ⼀般消費財・サービス | 3.3% |
JPモルガン・チェース | ⾦融 | 3.1% |
スナップ | コミュニケーション・サービス | 2.8% |
ズームインフォ・テクノロジーズ | コミュニケーション・サービス | 2.6% |
ブロードコム | ブロードコム | 2.6% |
シュルンベルジェ | エネルギー | 2.4% |
また、業種別では下記のとおりです。
業種 | 組み入れ比率 |
---|---|
情報技術 | 39.6% |
コミュニケーション・サービス | 22.2% |
⼀般消費財・サービス | 12.7% |
資本財・サービス | 7.5% |
ヘルスケア | 5.6% |
⾦融 | 3.1% |
エネルギー | 2.4% |
素材 | 1.7% |
不動産 | 1.6% |
組み入れ銘柄数は79。ほぼ9割弱アメリカ株です。AIと名がつきますから、情報技術セクターの比率が多くはなりますが、ディズニー、シュルンベルジェなどの銘柄もあります。
ちなみに2020年9月時点の運用報告書には、日本からZホールディングスと任天堂、韓国からLGが組み入れられています。
個人的に気になったのは一見AIと全く関係なさそうな下記の銘柄です。
パフォーマンス
基準価額推移
設定来、基準価額は2021年5月14日時点で、32,607円(配当金再投資ベース33,607円)
コロナショック時に一時的に下落しますが、グロース株優位の波にのって大きく基準価額を増やしました。
R&Iファンド大賞2021にて最優秀ファンド賞受賞、Morningstar Award “Fund of the Year2020”国際株式型(特定地域) 部門最優秀ファンド賞受賞(為替ヘッジあり)
過去のパフォーマンス
2021年3月末時点の情報です。
期間 | 騰落率(分配金込み) |
---|---|
1年前から | +87.15% |
3年前から | +113.28% |
設定来 | +234.38% |
設定来からみると、+234.38%です。
純資産額も大きく伸ばしていますが、グロース株が厳しい状況におかれている昨今の株式市場でどのような策を取ってくるか注目です。
まとめ
組み入れ銘柄を見てみると、所謂IT企業だけでなく、シュルンベルジェのようなAIを上手く活用している企業が多いです。今後はこのような企業が増えていくものと思われますので、IT銘柄以外にも注目です。
※あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。