先日保険会社に勤める知人から、新しい商品が出たので紹介したいとのことで話を聞く機会がありました。「変額保険」という運用の実績によって保険金や解約返戻金が増減する投資商品です。
結論から言いますと、既にiDeco、つみたてNISA等で低コスト投資を行っている方にとっては全く不要な商品です。
変額保険とは
死亡保障などの保険部分と投資信託の運用部分を合体させた商品だと思ってもらえばと思います。
死亡時の最低保険金額は保証されますが、運用部分は運用次第で増減するという形です。運用商品は債券・国内株式・先進国株式・新興国株式などから選択します。
メリット
- 契約した保険金は保証される
- 運用実績がよいと保険金・解約払い戻し金が増える
- 普通の終身保険より保険料が割安
デメリット
- 運用実績が悪いと解約返戻金が減る
- 投資信託に比べるとコストは割高(保険関係費用や運用にかかる費用などのコストが大きい)
運用例
運用イメージを書くのが面倒なので、公式サイトのリンクを貼っておきます。
正直、月額で1万円から2万円あれば、iDecoかつみたてNISAで全世界株式または全米株式のインデックス型低コスト投信にて運用したほうが、圧倒的にお得です。
体験談
※私は会社の同僚や知人に対して、「投資を行っている」ことを一切口外していません。(ブログをやっていることも話していません。)
私自身はあまり高価なものを好まないことで、「まとまったお金がある」と決め付けられ非常に不快な思いをしたことが何度もあるためです。(そのお相手とは縁を切らせていただきました。)
商品を勧めてきた相手が、私に対して「経済・金融知識があまり豊富でない」と思い込んだうえで提案して来ている前提で読み進めてください。
新しい商品が発売になったんだ。
年金2,000万円不足問題もあって、将来に備えて運用したらどうかな?
へーそうなんだ。少し聞かせて。
(がっつり投資やってるけど、勉強のために聞いてみるか)
と、知らないふりをして聞いてみます。
銀行に預けても、低金利の今じゃ利息もつかない。
でも変動型の投資貯蓄保険だったら何%も金利がつくから、圧倒的にお得だよ。
これが資料なんだけど…
うんうん。
(普通に投資したほうがいいな。
運用商品の信託報酬もeMAXISシリーズに比べたら倍以上か。
お断りだな。)
(さて、どう断ろうかな?
投資知識をひけらかして変な噂になるのも面倒だし、
はっきり断って関係壊したくないしな…)
…ということで、どうかな。
将来に備えて運用とかは興味ある?
実は会社の紹介でiDecoやってるんだ。
商品選ぶのも難しいし面倒だから債券とか株式のバランス型一本にしてる。
だから、保険と将来の資産運用は分けて考えたいな。
嘘です(笑)。iDecoはバンガード楽天全世界株式、つみたてNISAはeMaxis slimシリーズを複数積立しつつ個別株・米国ETFにも手を出しています。
へーそうなんだ。
まあ自分たちの時代は年金もらえるかどうかわからないしね。
そうそう。政治家は無駄遣いやめて社会福祉のほうに力入れて欲しいよ。
だいたい政治家はお金もらいすぎで…
とまあ、政権批判に話をすりかえて無難にやり過ごしました(笑)
撃退法
保険と投資は分けて考えたいと言う
前述したとおり、運用部分ではつみたてNISAやiDecoのほうが運用成績は良いですが、死亡保障が必要と考える方もいると思います。そんな方は、死亡保障は必要だけど、投資は必要ないので、保険と投資は分けて考えたいと言いましょう。きっと死亡保障・重度障害の保険の案内に注力していただけるはずです。
他で同様の商品に加入していると言う
相手が親戚や知人のときに有効な方法です。本商品に限らず、保険やクレジットカードの勧誘の断り方でも使えます。割とよくある撃退法です。
つみたてNISAやiDecoの有効性を説く
これは、相手が知人ではない場合には有効です。
はっきりと、つみたてNISA、iDecoの税制優遇措置や運用商品の信託報酬と比較して魅力的でない旨を伝えましょう。相手からは金融知識があると思われるので、二度と面倒な提案をしてこないはずです。
よくわからないからやめとくと言う
相手が知人のときの断り方です。貯蓄や投資などの資産情報をうっかり喋ってしまうと、まとまったお金を持っていると勘違いされ、変な噂を流される・集られる・怪しげな投資商品を売りつけられるなどろくなことがありません。角が立たないように「いや~投資はよくわからないから、手堅く行くよ~」と適当にあしらうのが無難です。
まとめ
保険などのセールスの常套手段としては下記が考えられます。
- 不安をあおる
- 解決する手段としての商品を提案する
- デメリット・代替商品はあまり紹介しない
対策としては
- 社会情勢をこまめにチェック、金融知識をつける
- 商品の特性・メリット・デメリットを正確に把握する
- 代替商品・サービスと必ず比較する。
銀行や保険会社も商売ですから、どうしても勧めて来る商品は割高になりがちです。正しい金融知識をつけ、ネット証券で運用を行いましょう。