2022年4月にTracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)という、新ファンドが設定されます。日興アセットマネジメントが立ち上げたTracersという新シリーズの内の新商品で、全世界株式に投資します。つい先日、たわらノーロード・e MAXIS Slimの全世界株式(オルカン)が信託報酬の値下げを発表したばかりですが、今回の日興アセットの新商品の信託報酬は既存の競合商品の半額以下となります。
今回は、Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)についてご紹介いたします。
Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)とは
TracerTracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)s S&P500配当貴族インデックス(米国株式)は日興アセットマネジメントが運用を行うインデックスファンドです。
世界株式の代表的な指数である「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」の動きに連動する投資成果を目指します。
実際には既存のオルカンと同様に海外先進国株式、新興国株式および日本株式を投資対象とする各マザーファンドに投資を行うことで、実質的に全世界の株式に投資します。
- 海外株式インデックスMSCI-KOKUSAI(ヘッジなし)マザーファンド
- 海外新興国株式インデックスMSCIエマージング(ヘッジなし)マザーファンド
- 日本株式インデックスMSCIジャパン・マザーファンド(今回のファンド用に新設)
Tracers(トレイサーズ)とは
「こんなの欲しかった」をデザインし、ルール通りに運用(トレース)する日興アセットマネジメントの新シリーズです。「アクティブ型ファンドの反対はパッシブ型」。単に指数に連動するインデックスファンドはパッシブ型の一つであって、事前に決めたルールに沿って運用(トレース)するパッシブファンドを開発し、ネット専用とすることでノーロード・低コストを実現しました。
Tracers S&P500ゴールドプラスはレバレッジ型のアクティブファンド、S&P500配当貴族インデックス(米国株式)がちょっと変わったインデックスファンドでしたが、今回のTracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)はメジャーな指数に連動する格安のファンドとなりましたので、もはや何でもありの様相を呈してきております。
基本情報
設定日 | 2023年4月26日 |
償還日 | 無制限 |
購入時手数料 | なし |
信託財産留保額 | なし |
管理費用 (含む信託報酬) | 年率0.05775%(税込) |
分配金 | 年1回(5月) |
基本情報は上記の通りとなります。管理費用は…何と 0.05775%と圧倒的な安さ。既存の類似ファンドを大きく下回ります。なお、今のところ販売会社としてアナウンスされているのはSBI証券のみ。
類似ファンドとの比較
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスを連動対象とするインデックスファンドを比較してみます。
ファンド名 | 信託報酬(税込) | 純資産 |
---|---|---|
Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式) | 0.05775% | – |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 0.1133% ※2023年5月11日より | 9794.61億円 |
たわらノーロード 全世界株式 | 0.1133% ※2023年4月7日より | 51.76億円 |
Smart-i Select 全世界株式 | 0.1144% | 5.3億円 |
SBI・全世界株式インデックス・ファンド ※参考:連動指数 FTSE | 0.1102% | 975.44億円 |
純資産額では圧倒的な eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 。 たわらノーロード 全世界株式が信託報酬値下げを発表した直後に eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) も対抗値下げを発表したばかり。従来の半額となる信託報酬に太刀打ちできるのかどうかが見ものです。
ここまで安いとなると、隠れコスト次第ですが、2024年からの新NISAの有力な積立銘柄候補となります。
構成銘柄
もうあえて触れる必要もないかと思われますが、構成上位は下記の通りです(2023年3月末時点)
銘柄名 | 国・地域 | セクター | 構成比率 |
---|---|---|---|
APPLE INC | アメリカ | 情報技術 | 3.8% |
MICROSOFT CORP | アメリカ | 情報技術 | 2.8% |
AMAZON.COM INC | アメリカ | 一般消費財・サービス | 1.4% |
NVIDIA CORP | アメリカ | 情報技術 | 0.9% |
TESLA INC | アメリカ | 一般消費財・サービス | 0.9% |
ALPHABET INC-CL A | アメリカ | コミュニケーション・サービス | 0.9% |
ALPHABET INC-CL C | アメリカ | コミュニケーション・サービス | 0.8% |
EXXON MOBIL CORP | アメリカ | エネルギー | 0.7% |
UNITEDHEALTH GROUP INC | アメリカ | ヘルスケア | 0.7% |
JPMORGAN CHASE & CO | アメリカ | 金融 | 0.7% |
いつものメンバーです。メタ(旧フェイスブック)は圏外へ。半導体も直近の下落が目立ち、TSMCも圏外です。
まとめ
全世界株式の信託報酬値下げ合戦が続きますが、まさかの日興アセットマネジメントから従来の半額の信託報酬の新商品が出ました。実際のコストと順調に純資産を伸ばせるかどうかが鍵となりますが、新NISAの有力な積立候補としてマークしておきたいところです。
※あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。