普段割安銘柄ばかり取り上げていますが、地合いと逆行するようにグロース銘柄のご紹介です。名前からすると、漁業かと思われますが、ネットセキュリティの会社で2021年末上場の直近IPO銘柄となります。普段は直近IPOのIT関係の会社は、赤字かPERが高くなりすぎるため敬遠しますが、グロース株の急落と、優待生活で有名な桐谷さんが買ったという記事を目にしたため、しっかり調べてみることにしました。
今回は4258 網屋をご紹介いたします。
4258 網屋 とは
会社概要
データセキュリティ事業とネットワークセキュリティ事業を主とする、総合セキュリティ企業。2021年12月に上場したばかりの会社です。
沿革
1996年 – ネットワークシステムにおけるインフラ設計構築事業として設立。
1997年 – セキュリティ事業を開始。
2006年 – 中央区新川へ本社を移転。
2011年 – 大阪営業所を開設。
2012年 – 台湾網屋股份有限公司を設立。
2015年 – 中央区日本橋浜町に本社を移転。
2021年 – 東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場(証券コード:4258)。
2022年4月 – 東証グロース市場を選択
事業概要
網屋と言う社名。インターネットインフラを構築するnetwork「ネットワーク」に由来しています。創業当時は、ネットワークインフラの構築がメインでした。
現在ではネットワークセキュリティ事業とデータセキュリティ事業の2つの事業を柱に運営を行っています。
ネットワークセキュリティ事業は売上の6割を占めます。中小企業のネットワークセキュリティの環境全体を監視し、ランサムウェア攻撃をはじめとした一連のサイバー攻撃への対策を包括代行サービスであるセキュサポ、AWSやAzureなどのクラウド上の管理センターに自社のネットワーク環境を丸投げしてしまうNetwork All Cloudが主力サービス。月額固定のSaaS型サービスとしており、事業の売上の半数を月額固定サービスで占め、寝ててもお金が入ってくる仕組みを作っています。
データセキュリティ事業はログ収集サービスであるALogが主力。ログ取得・資産管理ソフトは他社にも競合はありますが、ALogは収集したログをクラウド上でAIが解析して、障害検知だけでなくユーザーの怠慢勤務・社員退職の兆候分析といった幅広い活用が期待されます。
昨今のサイバー攻撃の激増に伴う、セキュリティ対策の重要性は増す一方ですが、セキュリティ人材はどこも不足しており、自社で専門的知識をもつ人材を抱えるは困難な状況です。そういった困りごとに対してピンポイントにサービスを提供できるのが網屋の強みとなります。
収益モデルとしても、ただサービスを構築して終わりではなく、定期的な保守・月額利用料によるサブスク型を構築しており、安定した収益が期待できます。
業績
株価チャート
株価を見ていきましょう。
2021年12月上場。公募価格1,970円に対して、初値は2,100円。業績・将来性ともに抜群にも関わらず、ちょうどこの頃マザーズが暴落しており、2,388をつけたあとは下落傾向。特に米金利上昇・ウクライナショックが痛かった。上場来安値は916円をつける場面もありました。
直近IPOのハイテク銘柄にしてはPER22倍とそんなに高くないので、だいたい1,000円前後が買い場か。
(2022年4月26日時点)
PER | 22.70倍 |
PBR | 3.16倍 |
EPS | 49.9 円 |
過去5年業績
売上高 | 営業利益 | 税前利益 | 利益 | 1株益(円) | 1株配(円) | |
変18.12 | 1,309 | -105 | -105 | -82 | -25.5 | 0 |
単19.12* | 2,161 | 128 | 129 | 76 | 23.4 | 0 |
単20.12* | 2,314 | 186 | 185 | 125 | 35.8 | 0 |
単21.12 | 2,761 | 260 | 260 | 183 | 51.3 | 0 |
単22.12予 | 3,000 | 303 | 311 | 203 | 50.6 | 0 |
過去5年の業績と予想です。上場したばかりですが、着実に成長を遂げているのがわかります。日経新聞に掲載された社長インタビューによると、毎年20%以上の成長を目指すとのことなので、2022年12月期の見込みはやや消極的か。
配当
上場したばかりと言うこともあり、無配です。
株主優待
優待はありません。
まとめ
- 直近IPO
- セキュリティ関連
- サブスク型ビジネス
ランサムウェア等のサイバー攻撃が増えていたところに、ウクライナ危機でロシアや中国からと思われるふせいアクセスが増大しています。セキュリティ関連対策は中小企業では自社での対策は難しいため、このような専門サービスは今後も需要が高まると思われます。
既に桐谷さんは2月の市場暴落時に仕込んで利益を出しているようですが、直近IPOのハイテク銘柄にしては割安なので、世界情勢・米金利動向を見ながら仕込みたいところです。
あくまでも投資は自己判断でお願いします。