2021年7月末時点で一年間のリターンが最も高かったファンドが eMAXIS Neo バーチャルリアリティ です。2021年に入ってVR関連銘柄が急騰したことが影響しています。VRというと映画やゲームなどの娯楽のイメージがありますが、ビジネスの分野でもOJTの一環として普及が進んでいます。
今回は、eMAXIS Neo バーチャルリアリティについてご紹介いたします。
eMAXIS Neo バーチャルリアリティとは
米国の金融商品取引所に上場している、日本を含む世界各国のバーチャルリアリティ関連企業の株式等に投資を行うS&P Kensho Virtual Reality Indexに連動する成果を目指す投資信託です。為替ヘッジを行わず、ファミリーファンド方式で運用を行います。
バーチャルリアリティ(VR)はバーチャル空間でユーザーの体験をシミュレートする技術です。遊園地や映画のアトラクションのような世界の出来事と思われていましたが、家電量販店でも複数種のVRヘッドセットが販売され、一般家庭でもゲームなどでVRを楽しむことが出来るようになりました。その他にも、現実環境に新たなビジュアルや音声を加える拡張現実(AR)はポケモンGOなどのゲームでも話題になりました。
映画やゲームなどの娯楽に注目が集まり気味ですが、ビジネスの分野でも活用が進んでいます。医療や製造業・物流などの分野での教育で利用される場面が増えてきています。例えば製造業での危険を伴う現場を想定した安全教育、物流拠点での効率的な導線・行動についてなどが挙げられます。コロナ禍で、教育をオンラインで行う企業も増えてきており、ウェアラブルと合わせてこの分野での活用が期待されます。
eMAXIS Neo シリーズとは
「Kenshoテクノロジーズ」の開発した株式指数に連動する投資成果を目指す投資信託です。テーマごとにAI(人工知能)が自動で銘柄選定を行います。
対象銘柄
米国の金融商品取引所に上場している銘柄が組入れ対象となります。米国の金融商品取引所に上場していれば対象となるため、米国以外の企業も組入れられる可能性があります。
銘柄選定基準
有価証券報告書などの開示資料をAIが読み込み、テーマに関連する言葉の出現頻度、出現場所などを基に銘柄を選定します。また、時価総額・売買代金による銘柄の絞込みも行われ、時価総額の小さい銘柄や出来高の少ない銘柄は除外されるとのことです。
基本情報
設定日 | 2018年12月3日 |
償還日 | 無期限 |
購入時手数料 | なし |
信託財産留保額 | なし |
管理費用 (含む信託報酬) | 年率0.792%(税込) |
分配金 | 年1回(8月) |
基本情報は上記の通りとなります。購入時手数料・ 信託財産留保額は無し、管理費用は0.792%(税込)。 メジャーなインデックス型の投資信託と比較すると高いですが、それでも1%を切る安めの設定。
他の eMAXIS Neoシリーズも全く同額の価格設定。どのテーマを選択するかはお好みです。
構成銘柄
7構成銘柄上位10位については下記の通りです。(2021年7月末時点)
銘柄名 | 国・地域 | 比率 |
---|---|---|
NVIDIA CORP | 米国 | 7.0% |
HIMAX TECHNOLOGIES INC | 台湾 | 6.1% |
EMAGIN CORPORATION | 米国 | 5.9% |
FACEBOOK INC-CLASS A | 米国 | 5.7% |
3D SYSTEMS CORP | 米国 | 5.6% |
VISTEON CORP | 米国 | 5.3% |
PTC INC | 米国 | 5.2% |
KOPIN CORP | 米国 | 5.1% |
VUZIX CORP | 米国 | 4.7% |
SNAP INC | 米国 | 4.5% |
組み入れ銘柄数は23銘柄。VRでの映像表現には高精度のグラフィックボードが必要になることからNVIDIAが組み入れトップ。半導体関連銘柄多い印象です。FacebookはVRに力を入れています。そして、ナノテクノロジー・ ウェアラブル に続いてまたもや登場 VUZIX はスマートグラスを作っている会社です。
パフォーマンス
基準価額推移
設定来、基準価額は2021年8月12日時点で、23,785円。
コロナショック前はありましたが、その後は回復。2021年に入ってから急騰しましたが、何度もご紹介している VUZIX に関する下記のニュースなども影響していると考えられます。
過去のパフォーマンス
2021年7月末時点の情報です。
期間 | 騰落率(分配金込み) |
---|---|
6ヶ月前から | – 4.90% |
1年前から | +152.89% |
設定来 | +137.85% |
設定来からみると、+ 263.60%。
ここ半年間は調整中ですが、ここ1年間での伸びが凄まじく、150%を超えています。
なお、2021年7月末時点で、投信直近1年のリターンランキング1位にランクイン(モーニングスター調べ ブルベア・レバレッジ型除く)
まとめ
VRというと、ゲームや映画などの娯楽のイメージが強いですが、医療・製造業などの技術の伝承、教育分野にも幅広く利用されています。また、AR技術を用いて自動車のフロンガラスに速度や距離などの情報を投影する宇宙兄弟のような技術も徐々に浸透し始めています。コロナ禍でオンライン会議や授業が増えましたが、今後は皆が自宅でVRヘッドセットを被って遠隔で物事を進める映画のような光景が当たり前となるのかもしれません。
※あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。