以前ご紹介したかぶ1000さんの著書。換金性が高い流動資産-総負債 > 時価総額 の計算式に当てはまるネットネット株を中心とした割安株投資で巨万の富を築いていらっしゃいます。
早速「ネットネット株」でネット検索したところ、イマイチぱっとしない銘柄ばかり。ですが、一つだけ地元民に聞き覚えのある会社がありました。中電工です。中国電力ではなく、中国電力の子会社です。
四季報を調べてみると、財務基盤はしっかりとしておりなかなかの高配当。大手電力会社である中国電力がバックについているため安定感も抜群です。
今回は1941 中電工をご紹介いたします。
1941 中電工とは
会社概要
株式会社中電工(ちゅうでんこう、英: CHUDENKO CORPORATION)は、中国電力系の設備工事会社である。
(中略)
会社設立は、1944年(昭和19年)。1990年(平成2年)に中国電気工事株式会社から現在の社名に変更。営業網は、中国5県を中心に東京本部、大阪本部、名古屋支社、四国支社、九州支社、沖縄営業所などがある。全国151の事業場を拠点として企業活動を展開している。なお廃止した事業場としては、苫小牧、仙台、筑波、金沢、滋賀、高知などがある。技術本部と営業本部、電力本部の3本部体制。農業への取り組みに向けた子会社「合同会社 あぐりこるWEST」を設立。島根県浜田市で農園を運営。
1990年(平成2年)創設の陸上競技部は、元旦に群馬県前橋市で行われる全日本実業団対抗駅伝大会(ニューイヤー駅伝)に、1995年より連続出場を果たしている。
wikipedia
中国電力系の設備工事会社。安定感で言えば、ほぼ国営企業の中国電力のほうが上ですが、投資するなら中電工のほうが魅力的です。
ただでさえ親会社に中国電力がバックについており、自己資本比率が78%と安定感抜群。総資産の約4割を投資有価証券で運用しています。
株主還元にも積極的で、DOE(株主資本配当率)2.7%目途としており、安定した配当が期待できます。
有価証券報告書を覗いてみる
なぜ中電工がネットネット株と言えるのか。それは上記でも述べましたが、総資産の4割を投資有価証券で運用していることにあります。
2020年末の有価証券報告書を見ると、下記の銘柄を保有していることがわかります。
1年前の報告書なので少し古いですが、参考にはなります。
住友不動産、村田製作所、山口フィナンシャルグループ、日東電工、KDDI、NTTドコモ…
保有理由としては、「取引関係の維持・発展を図るため」とありますが、配当金や含み益を考えるとかなりの利益が出ているものと思われます。
また、経常利益が営業利益を上回っていることから、上記以外でも売買益が発生いる模様です。
※素人投資家のため、有価証券報告書の隅から隅までの分析が出来ておりません。ご了承ください。
業績
株価チャート
早速、株価と業績を見ていきましょう。
コロナショックで下げてはいるものの、暴落と言うほどではなく3月末の配当取りのためすぐに上昇。直近ではやはり配当取りのために上昇後、調整に入っています。年間配当は104円で、配当利回りは4.4%と高配当銘柄です(2021年4月6日時点)。なかなか株価が安くならないため、株式市場全体が大きく下げたときに狙いたい銘柄です。
2021年4月6日時点
PER | 16.10 倍 |
PBR | 0.61倍 |
EPS | 144.3円 |
過去5年業績
売上高 | 営業利益 | 税前利益 | 利益 | 1株益(円) | 1株配(円) | |
連18.3 | 148,300 | 8,535 | 11,744 | 7,809 | 139.6 | 94 |
連19.3 | 153,322 | 6,486 | 8,921 | 6,160 | 110.2 | 104 |
連20.3 | 168,888 | 8,333 | 11,188 | 4,795 | 86.1 | 104 |
連21.3予 | 184,000 | 9,500 | 11,700 | 8,000 | 144.27 | 104 |
連22.3予 (四季報予想) | 200,000 | 10,000 | 12,200 | 8,200 | 147.9 | 104 |
過去5年の業績です。順調に本業での売上・利益を伸ばしています。株価は右肩上がりと言うよりはボックス相場です。電力会社の子会社で、工事が主といっても、今後は5Gでの通信関係工事も見込めますのでまだまだ成長の余地はありそうです。
配当
配当はここ4年は104円で変化無し。前述しましたが、DOE(株主資本配当率)2.7%目途としており、安定した配当が期待できます。配当利回りは4%を超える高配当銘柄です。
株主優待
株主優待はありません。
教訓
- PER・PBR低め
- 業績好調
- 親会社は超安定企業
PER,PBR低めのネットネット株ですが、たとえ株価の上昇が狙えなくても十分高配当銘柄。貯金の替わりに市場全体が暴落したときに仕込みたい銘柄です。
あくまでも投資は自己判断でお願いします。