忘れた頃に株価が急騰するHamee。2020年12月14日に第2四半期決算が発表され、例のごとく株価が急騰していますが、一時的に急騰しているからご紹介するわけではありません。実はこの企業、EC関連で非常に付加価値の高いサービス「ネクストエンジン」を提供している企業です。今回は、EC関連でDX銘柄のHameeをご紹介いたします。
3134 Hameeとは
会社概要
いつもの通りwikipediaから引用です。
Hamee株式会社(はみぃ)は日本の小売・情報通信会社。
wikipediaより
国内NO.1シェアのEC自動化プラットフォーム「ネクストエンジン」の開発・提供やEコマースサイト運営の主力事業を始め、世界中のEC事業者をターゲットにした新規事業・サービスを次々と開発・展開している。iPhone・スマートフォンケース「iFace」の製造・販売で知られる。
設立は1998年。2015年東証マザーズ上場、2016年東証1部指定替えのECの老舗企業です。
2015年からは、経済産業省の「攻めのIT経営銘柄」に連続して指定されており、2020年からは「攻めのIT経営銘柄」に代わって制定された「DX銘柄」に指定されています。
主な事業はEC事業とプラットフォーム事業の2本柱。
コマース事業はiPhoneを中心とした、スマホケース・スマホアクセサリーの通販事業です。会社創立当初の1998年・インターネット黎明期から、モバイル周りのアクセサリーの通販事業を手がけているおり、通販事業者としては老舗です。
もう一つのプラットフォーム事業は複数のショッピングモールの商品・在庫一元管理システム「ネクストエンジン」を柱としたEC事業者向けのサービスを提供しています。以前EC関連の仕事に携わっていた際によく耳にしていたサービスですが、個人的にEC事業者向けに非常に付加価値の高いサービスをだと感じています。
ネクストエンジンとは
自社で取り扱う商品は同じでも各ショッピングモール・カートにて微妙に仕様が異なっており、商品・特に在庫を一元管理するとなると、システム会社に社内システム開発を委託することになると思います。ただし、各ショッピングモール・カート回りは更新頻度が激しいため、都度システム会社に開発を依頼していると外注費が膨大になってしまいます。システムに詳しい人間を雇用して自社独自にカスタマイズするのがよさそうですが、なかなか中小規模のEC事業者でシステム担当を抱える余裕はありません。
「ネクストエンジン」はそんな中小事業者のために、複数のショッピングモール・カートの商品・在庫情報を各ショッピングモール・カートの仕様変更を意識することなく一元管理できるサービスです。
例えば、システム化されていない場合は、Aという商品の実在庫が10個あるとして、楽天・Amazon・Yahooショッピングの3店舗同時運営している場合、楽天3個、Amazon3個、Yahoo4個のような振り分けを手動で行っていくわけです。この場合、実在庫はあるのに、楽天では売り切れ・Yahooでは2個余っているなどの無駄が発生してしまい、また手動で振り分け…という非効率な作業が発生してしまいます。
これを「ネクストエンジン」上で管理すると、Aという商品の在庫を10と設定しておけば、あとは楽天で売れようがAmazonで売れようが自動的に各モールに在庫の同期を取るので売り逃しが防げます(更新のタイミングによる微妙な売り越しの可能性はあります)また、商品の出品・モール上の商品の削除も同期をとって行います。その他、受注の一元管理、送り状ソフト連携機能などもあります。対応モール・カートは主要どころはカバーしており、料金プランについては月額10,000円〜(税抜)の受注件数に応じた従量課金制+オプション機能といった形です。
売上構成比
長々と説明してきましたが、各事業ごとの売上構成比です。
実は、売上構成で言うとコマース事業のほうが大半を占めています。ただ、営業利益率ではプラットフォーム事業のほうが30%を超えており(コマース事業の24%超えも小売といては驚異的です!)利益率の高い事業です。
以前ご紹介したロコンドもそうでしたが、自社で培ったEC運営のノウハウを外部に提供している企業は非常に強いと感じます。
業績
株価チャート
それでは早速、株価と業績を見ていきましょう。
コロナショックで一時は値を下げるものの、堅調に推移。最近は調整気味でしたが、2020年12月14日に発表した2Q決算の好感から急騰しております。
過去5年業績
【業績】 | 売上高 | 営業利益 | 税前利益 | 利益 | 1株益(円) | 1株配(円) |
連17.4 | 8,502 | 1,106 | 1,048 | 695 | 44.2 | 4.5 |
連18.4 | 9,376 | 1,379 | 1,266 | 872 | 54.7 | 5.5 |
連19.4 | 10,302 | 1,163 | 1,179 | 821 | 51.2 | 6.5 |
連20.4 | 11,325 | 1,744 | 1,756 | 1,064 | 67.1 | 7 |
連21.4予 | 12,832 | 1,778 | 1,764 | 1,260 | 79.84 | 8 |
過去5年の業績です。19年4月期に減益に転じたことが原因で株価を落としましたが、その後は順調な推移。今期はコロナ影響を考慮してやや控えめな予想でしたが、巣篭もり需要の後押しでプラットフォーム事業が大幅な増益となり、増収・微増益の予想です。
配当
配当は1円増配。順調に進めば、増配があるかも?
株主優待
株主優待は下記のとおり。自社商品の割引クーポンです。
優待内容名 | 優待獲得株数 | 権利確定日 | 備考 |
1,500円相当の 「Hamee本店」利用クーポン または 「ネクストエンジン」利用料割引クーポン | 100株以上 | 4月末、 10月末 | ※「ネクストエンジン」 利用料割引クーポンは 要申し込み |
投資経験談
本銘柄は所有していないため、ピックアップしたタイミングのみです。
ふとネクストエンジンを思い出す
2019年夏 投資を始めた頃、EC関連で面白い事業を行っている会社がないか調査をしているときふと「ネクストエンジン」を思い出します。
ネクストエンジンって上場していないのかな?通販事業はこれから伸びると思うのに…
ネクストエンジンは会社名だと思っていました(笑)。調べてみると、Hameeという会社が「ネクストエンジン」の提供を行っており、実はスマホアクセサリーの販売のほうがメイン事業であることを知ります。
2019年8月 650円ほどの株価でしたが、見る見るうちに上昇を続け1,800円台へ。
コロナショック後も堅調に推移し、2,600円まで上昇。今後も成長が期待されます。
教訓
- 通販関連は今後も注目
- 国策であるDX銘柄も要チェック!
プラットフォーム事業は会社全体の売上構成比では10%~20%ですが、非常に伸び代がある・付加価値の高いサービスだと思います。経済産業省のDX銘柄に指定されていることも強みです。
あくまでも投資は自己判断でお願いします。