R&Iファンド大賞2022が発表されたので、久々に投信の記事を書いていきたいと思います。
受賞ファンドのうち、好業績のファンドはもうほぼほぼ紹介済みのものが多く、未紹介のファンドのうち国内外のコア株式はトヨタやAmazon、Appleなど面白味にかけるため、グロースや中小株にて面白そうだと思ったものを取り上げていきたいとおもいます。
第一回は 日本ニューテクノロジー・オープン、国内グロース株が対象のファンドです。米金利上昇中のトレンドに真正面から逆行するファンドですが、やはりグロース株は気になります。
今回は、日本ニューテクノロジー・オープンをご紹介いたします。
日本ニューテクノロジー・オープン(愛称:地球視点)とは
日本ニューテクノロジー・オープン(以下、地球視点)は本ブログ初登場となる岡三アセットマネジメント株式会社が運用を行うアクティブファンドです。
投資コンセプトは下記の通りです。
- 世界が注目する次世代産業を担うニューテクノロジーに強みを持つ日本企業の株式に投資
- ボトムアップ・アプローチによる徹底したリサーチにより、銘柄の絞込みを行う。
現在の運用担当者には、テクノロジーこそが経済成長のドライバーという考えがあります。18世紀後半の産業革命以降は、科学的知識の拡充とともに、蒸気機関、自動車、電気、石油化学、原子力、半導体、コンピューター、インターネットといったテクノロジーが次々に実用化され、加速度的に経済が成長して今日の豊かな社会が作り上げられてきました。いわば、テクノロジーこそが経済成長=富を産み出すエンジンだと捉えているということです。
テクノロジーに焦点を当てる意義として、人口が増えず、労働生産性の改善余地が限定的になってきたため、多くの分野が成熟するなかで一部の分野だけが成長する、といった経済成長パターンに変わったと考えられています。
投資において重要なことは、最先端のテクノロジーを有しているかどうかではなく、テクノロジーで「富」を産み出しているか、「富」を産み出すと期待できるかが重要との考えです。
ここで言う「富」とは、企業が収益・業績を伸ばしていけるのかどうか、株式市場での評価が高まる(株価が上昇する)のかどうかという、かなりドライな考え方をしています。
投資環境の変化に対するポートフォリオの変更も柔軟的で、金融引き締めに舵を切った米FRBの動向を受けて、2022年1月にはデジタル・テクノロジー分野の構成比を大幅に引き下げた一方で、グリーン・テクノロジー分野とヘルスケア・テクノロジー分野の構成比を引き上げ、また構成銘柄も大胆に入れ替えています。
基本情報
設定日 | 2010年12月28日 |
償還日 | 2025年12月15日 |
購入時手数料 | 最大3.3%(税込) ※証券会社によって異なる。ネット証券は無料 |
信託財産留保額 | なし |
管理費用 (含む信託報酬) | 年率1.54%(税込) |
分配金 | 年2回(6月、12月) |
基本情報は上記の通りとなります。アクティブファンドですが、管理費費用は1.54%とまあまあです。
意外と歴史は古く、2010年設定で償還予定日まであと3年。
構成銘柄
構成銘柄上位10位については下記の通りです。(2022年3月末時点)
銘柄名 | 比率 |
---|---|
セブン&アイ・ホールディングス | 5.8% |
日本電信電話 | 5.6% |
KDDI | 4.8% |
INPEX | 4.3% |
武田薬品工業 | 4.2% |
任天堂 | 3.7% |
住友金属鉱山 | 3.7% |
三菱商事 | 3.7% |
三菱重工業 | 3.2% |
SBIホールディングス | 3.1% |
構成銘柄は29銘柄と少数精鋭。冒頭でド定番企業は面白味に欠けると豪語しておきながら、ニューテクノロジーとは言うものの、誰もが知るようなド安定企業が並びました。資源価格が高騰している今、恩恵をうけるのはINPEX、住友金属鉱山でしょうか。
パフォーマンス
基準価額推移
設定来、基準価額は2022年3月31日時点で、19,568円。(分配金再投資 42,467円)
柔軟な運用が功を奏したのか、実はコロナショックのときも大きく下落しておらず、2022年12月には分配金再投資の基準価額が設定来最高を記録。
過去のパフォーマンス
2022年2月末時点の情報です。
期間 | 騰落率(分配金込み) |
---|---|
半年前から | -2.19% |
1年前から | +2.91% |
3年前から | +61.88% |
5年前から | +86.30% |
設定来 | +324.67% |
設定来からみると、+ 324.67 %です。
直近はあまり調子がよくありませんが、年率で見るとだいたい15%~20%で推移している安定銘柄です。
前述しましたが、R&Iファンドアワードの投資信託部門(直近3年以内)、投資信託10年部門の国内株式グロースカテゴリーにて最優秀ファンド賞を受賞。
まとめ
投資方針・ポートフォリオを見ていくと、ニューテクノロジーかどうかには疑問符がつきますが、投信環境の変化に柔軟に対応し、ポートフォリオを入れ替えていく運用方針が好成績を生み出している要因といえます。この中で投資するとすると、トヨタ・NTT・KDDIというド定番銘柄に行き着くということでしょうか。
※あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。