先日ご紹介した、水 ETF PIO インベスコ・ グローバル・ ウォーターETFは、日経電子版の記事がアップされた後に紙面でも紹介されるという幸運もあり、期待以上のアクセスがありました。やはり誰も書いていない記事はアクセスが集めやすいようです。
水関連のETFがあるので、投信もあるのでは?と思っていましたが、なんと広告で下記のランディングページに引っかかりました。
どうやら、野村アセットマネジメントが水関連の投信を2つ出しているようです。
今回はその1つであるワールド・ウォーター・ファンドについてご紹介いたします。
ワールド・ウォーター・ファンド
野村未来ト ワールド・ウォーター・ファンドは野村アセットマネジメントが運用を行うアクティブファンドです。
投資コンセプトは下記の通りです。
- 世界の水関連企業の株式を主体に、空気関連企業の株式も加えて投資を行なう
- マザーファンドの運⽤にあたっては、「ピクテ・アセット・マネジメント・リミテッド」、「ピクテ・アセット・マネジメント・エス・エイ」および「ピクテ投信投資顧問株式会社」に、運⽤の指図に関する権限の⼀部を委託
地球上に存在する水資源のうち、97%は海水で、人間が利用できる水資源の割合はわずか0.01%と家割れています。
人口増加、気候変動による砂漠化、新興国の工業化に伴い、安全な水の需要は世界的に高まっています。
上記のように、水関連のビジネスは人間が生きていくうえで必要不可欠となるうえ、需要が増えて続けているため、景気に左右されないビジネスとして注目を集めています。
また、最近話題のSDGsの目標の一つとして、「目標6:安全な水とトイレを世界中に」を中心とした持続可能な開発目標の達成に貢献するファンドとなります。
ファンドにおける⽔関連企業および空気関連企業には、以下のような企業が含まれます
⽔関連企業 | ・上下⽔道事業など⽔質の改善・浄化を⾏なう企業 ・ミネラル・ウォーターの製造・販売企業 ・汚⽔や廃棄物の処理を⾏なう企業 ・上記の事業に関する装置の販売、または、コンサルティング等を⾏なっている企業 |
空気関連企業 | ・空気汚染調査を事業とする企業 ・空気清浄装置や⾃動⾞の触媒コンバーターの製造・販売を⾏なう企業 |
基本情報
設定日 | 2004年3⽉27⽇ |
償還日 | 2024年4月10日 |
購入時手数料 | 最大3.3%(税込) |
信託財産留保額 | 0.3% |
管理費用 (含む信託報酬) | 年率1.87%(税込) |
分配金 | 年1回(4月) |
基本情報は上記の通りとなります。アクティブファンドですので、管理費用1.87%と高め。
為替ヘッジありのAコース、為替ヘッジなしのBコースがあります。面白いのは、AコースとBコースを運用途中にスイッチング可能なこと。
取り扱いは野村證券のみ。
以下はBコースを前提として話を進めます。
構成銘柄
2021年8月末時点での構成銘柄上位10位については下記の通りです。(2021年6月末時点)
なお、AコースとBコースで若干の構成比率の違いはありますが、順位に変化はありません。
銘柄 | 国・地域 | 純資産比 |
---|---|---|
DANAHER CORP | アメリカ | 5.7% |
VEOLIA ENVIRONNEMENT | フランス | 4.3% |
AMERICAN WATER WORKS CO INC | アメリカ | 4.2% |
THERMO FISHER SCIENTIFIC INC | アメリカ | 3.9% |
GEBERIT AG-REG | スイス | 3.8% |
REPUBLIC SERVICES INC-CL A | アメリカ | 3.7% |
XYLEM INC | アメリカ | 3.4% |
FERGUSON PLC | ジャージー | 3.2% |
WASTE CONNECTIONS INC | カナダ | 3.1% |
ASTE MANAGEMENT INC | アメリカ | 3.1% |
構成銘柄は51銘柄。ここでもダナハーが純資産比率トップ。サーモフィッシャーサイエンティフィックも医療系です。二位のヴェオリア・エンバイロメントは2021年7月に業界2位の仏スエズを総額260億ユーロ(約3兆4000億円)での買収が認可されたばかり。
パフォーマンス
基準価額推移
設定来、基準価額は2021年9月15日時点で、33,654円。(配当金再投資額込み 57,689円)
コロナショック時は一時的に下落しましたが、V字以上の回復。水需要の急速な高まりから、基準価額を大きく伸ばしています。
過去のパフォーマンス
2021年8月末時点の情報です。
期間 | 騰落率(分配金込み) |
---|---|
6ヶ月前から | +15.44% |
1年前から | +33.21% |
3年前から | +43.53% |
5年前から | +176.80% |
設定来 | +336.50% |
設定来からみると、+ 336.50%です。
配当金を再投資していたとすると約5倍以上となりました。特にここ1年の伸びがすさまじく、今後も成長が期待できる分野です。
まとめ
日経新聞に掲載されたことで注目を集めた水関連投資ですが、本ファンドは20年以上に前に設定されて安定して運用されています。2024年で運用終了予定ですが、水が枯渇するといわれている2030年に向けて延長もあるかもしれません。水関連ビジネスは依然として医療機器メーカーが強いですが、新たな企業の出現はあるのでしょうか。
※あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。