久々に書評。書店に面白そうなのでジャケ買い。以前ご紹介した行動経済学と同じシリーズで図解でわかりやすく、ざっくり理解するのには最適です。
概要
地政学を制するものは世界を制す
地政学とは国の地理的な条件を元に他国との関係性や国際社会での関係性を考えるアプローチ。
ランドパワーとシーパワー
ランドパワーはユーラシア大陸にある大陸国家。シーパワーは海洋に面した国家。日本やイギリス・アメリカはシーパワー国家。
近年、海洋進出を図り、ランドパワーとシーパワーの両立を図ろうとしているのが中国だが、未だかつてランドパワーとシーパワーを両立した国は無い(手を広げすぎて滅びている)
地政学で考える中国
国土が広いため、昔から周辺国より攻められるリスクあり。少数民族との対立が絶えない。
なぜ海洋進出
国土が確定し、治安維持にかけるコストが減ったため。
めちゃくちゃな海洋進出計画
通常は…拠点となる島や港を制圧して領土を拡大していく。
中国の場合は、勝手に侵略するラインを海洋上に引き、面で領海をとろうとする。当初の計画からは大幅に遅れている。台湾を我が物にしたいが、尖閣諸島が邪魔なので、尖閣諸島をとってから台湾を攻め、沖縄…といきたいところですが、在沖縄米軍が黙っていないでしょう。
所感
上記で挙げた意外にも、ロシア・イギリス・インド・東南アジア・中東の微妙な対立などが上げられていますが割愛します。
何にしても中国が昔のオスマントルコやローマ帝国のようなやり方で海洋から領土を奪おうとしているようですが、アメリカが黙っていないでしょう。そういった意味でもアメリカ軍にとって日本の沖縄・横須賀基地は対中国戦略を考える上で重要な拠点となるので、普天間の問題についても微妙な問題となります。「最低でも(沖縄)県外」と思いつきでものをいってしまった某元首相は、このあたりの関係性を理解していなかったか、中国寄りだったのかもしれません。
他にも、海賊が多数出るマラッカ・シンガポール海峡を安全に通ることができるのも米軍のおかげだったりします。
最近では温暖化の影響でロシアの北の北極海を通るルートが開発されていますが、設備投資が必要なようですし、微妙な問題もありつつも同盟国アメリカの恩恵を今後も受けることになりそうです。そうなると日本の首相の外交能力が問われることになりそうです。
地政学を見るだけでも、日本や海外の政治についても、なぜそうなっているのか、背景が見えてきます。中東あたりは、宗教もからんでくるので心情的に難しい側面がありますが、インド・中東あたりの関係性についても勉強していきたいと思います。