人気の投信の中身を覗いてみようシリーズです。
顔の見える投信・著名な凄腕ファンドマネージャーといえば、藤野英人でしょう。氏がファンドマネージャーをつとめるひふみプラスは、コロナ禍でも資産減少を最小限にとどめ、逆に値下がりした割安銘柄を売買することで大きなリターンを得ました。
今回はファンドマネージャー藤野英人氏が運用を行う、ひふみプラスについてご紹介いたします。
ひふみプラス
ひふみプラスは藤野英人氏がファンドマネジャーを勤め、レオス・キャピタルワークスが運用を行うアクティブファンドです。
もともと評価の高かった投信ですが、コロナショック時に現金比率を高めることで、資産の減少を最小限にとどめ、大きく下落した銘柄を買い進めることで大きなリターンを得たことでも話題になりました。
投資コンセプトは下記の通りです。
- ファミリーファンド方式
- 国内外の上場株式を主要な投資対象とし、市場価値が割安と考えられる銘柄
- を選別して長期的に投資
財務指標や株価指標等の数値による定量評価と、経営者との対話や現場環境の視察による訂正評価によって銘柄選定を行っています。
ひふみプラスの大きな特徴として「守りながらふやす」運用スタイルがあげられます。
- 「守る」=基準価額(投資信託の値段)の変動に伴う不安をできるだけ減らす。
- 「ふやす」=業種や企業規模に関係なく、将来的に成長が見込める企業を個別に選定。
運用については実は特徴がなく、成長株・割安株の偏り、小型株から大型株、現金比率もまちまち、長期投資する銘柄もあれば・短期売買もあるなど、都度柔軟な対応を行う運用を行っています。
基本情報
設定日 | 2012年5月28日 |
償還日 | 無制限 |
購入時手数料 | 最大3.3%(税込) ※証券会社によって異なる。ネット証券は無料 |
信託財産留保額 | 0.3% |
管理費用 (含む信託報酬) | 純資産額500億円まで:年率1.078%(税込) 純資産額500億円~1,000億円まで:年率0.968%(税込) 純資産額1,000億~:年率0.858%(税込) |
分配金 | 年1回(9月) |
基本情報は上記の通りとなります。アクティブファンドですが、管理費用は1.078%~で信託財産留保額なし。
つみたてNISA対象商品で、ほぼ同じ内容の「ひふみ年金」はiDeco対象商品となっております。
長期の積立投資を考える上で、管理費用が安いのはありがたいですね。
構成銘柄
割と頻繁に銘柄を入れ替えるのですが、2021年3月末時点での組み入れ銘柄総数は268銘柄。構成銘柄上位10位については下記の通りです。(2021年3月末時点)
銘柄名 | 業種 | 比率 |
---|---|---|
東京センチュリー | その他金融業 | 1.45% |
ソニー | 電気機器 | 1.37% |
ショーボンドHLD | 建設業 | 1.31% |
九電工 | 建設業 | 1.27% |
HIS | サービス業 | 1.25% |
川崎重工業 | 輸送用機器 | 1.25% |
ミライトホールディングス | 建設業 | 1.24% |
あいホールディングス | 卸売業 | 1.24% |
プレミアムウォーター | 食料品 | 1.20% |
東京応化工業 | 化学 | 1.16% |
中小株の割安株から大型の業績好調株まで様々。業種も満遍なくといったところ。レポートでは現在のポートフォリオのイメージを「コーヒーフロート戦略」と語られています。コーヒーの部分は地味で地道な会社-製造業・バリュー株で構成し、上のソフトクリームの部分はITやニューエコノミー等のグロース株という構成です。
特に気になったのは下記銘柄です。
月次レポートでは、構成上位銘柄について一言紹介コメントが掲載されています。また、12月末時点での組み入れ上位銘柄20位までも掲載されているので、組み入れ比率・銘柄にどれくらいの変動があるか参考にしても良いでしょう。
パフォーマンス
基準価額推移
設定来、基準価額は2021年4月30日時点で、50,645円。
2017年末より純資産を大きく増やし、コロナショックでの下落を最小限に留めた上で、4,500億円超。
過去のパフォーマンス
2021年3月末時点の情報です。
期間 | 騰落率(分配金込み) |
---|---|
6ヶ月前から | +12.71% |
1年前から | +47.43% |
3年前から | +23.95% |
設定来 | +415.18% |
設定来からみると、+415%です。直近はTOPIXにアンダーパフォームする結果となっております。日経平均が高値圏で推移し、だいぶ割安銘柄が少なくなってきたためと思われます。
今後はアフターコロナを見据え、旅行・遊園地などの銘柄を組み入れていくとのことです。
まとめ
ひふみプラスの運用方針としては、銘柄選定にこれといった決め手が無いものの、その時々に応じた柔軟な対応が強みです。反面、株価が高値圏で推移しているときには弱いのかもしれません。
月次レポートでの銘柄紹介は参考になるので、今後も定期的にチェックしていこうと思います。
※あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。