「卵は一つのカゴに盛るな」との格言がありますが、無視するかのようにIT関連銘柄のご紹介です。
以前の四季報でピックアップしておいたのみ関わらず、放置していたIT銘柄です。調べてみると、創設から50年近くの老舗で、セキュリティ機器の開発・販売事業を行っている会社です。大手企業・官公庁・学校への導入実績も多数。
今回は3040 ソリトンシステムズをご紹介いたします。
3040 ソリトンシステムズとは
会社概要
株式会社ソリトンシステムズは、東京都新宿区に本社を置く、ITセキュリティ製品、リアルタイム映像送信、及び組込みシステムなどを開発、販売している独立系メーカーである。
(中略)
株式会社ソリトンシステムズは、創業者、鎌田信夫(現社長)が大学院(東工大、応用物理・博士課程)修了後、1973年にインテル社に在籍、アメリカ本社での経験を経て、70 年代のシリコンバレーのダイナミックさを体験。 アメリカの良さと日本の良さを併せ持つ新しい会社を創りたいと、その関連業務や応用研究活動で知り合ったジャーナリスト、大学教授、メーカーの研究員など、11人の博士を含む37人の出資により、1979年設立された。
(中略)
近年は、認証を中心としたITセキュリティ関連製品の開発とそれをベースにしたサービスの提供や、携帯電話回線を利用したハイビジョン画質のリアルタイム映像伝送システム、アナログ・デジタルの混合回路のデバイスや組込みシステムの開発にも取り組んでる。技術力には定評がある。
(中略)
2007年にジャスダック市場に株式公開、2017年に東京証券取引所市場一部に市場変更した。
ウィキペディア
1979年 – 設立
1983年 – 株式会社ソリトンシステムズに社名変更
1989年 – NTTのLAN通信システムに選定される
1992年 – ISDN対応ルーターを開発
2007年 – JASDAQ証券取引所に上場
2016年 – 東京証券取引所市場第二部へ市場変更
2017年 – 東京証券取引所市場第一部へ市場変更
所謂IT企業ですが、ネットワーク関連技術を元にセキュリティ製品を提供する老舗企業です。
主な事業は3つ。
ITセキュリティ事業は、情報漏洩対策、電子証明書によるログオン認証、ビッグデータ記録、サイバーセキュリティ対策などの製品の開発・販売と、製品に絡めたソリューション提案が柱。
映像コミュニケーション事業はモバイル回線による高品質のリアルタイム画像伝送システム「Smart-telecaster」の開発・販売。
Eco 新規事業開発はアナログ・デジタル混合半導体デバイス・組み込みシステムの開発・販売。今後はAI技術の開発に進出するとのこと。
ハード系に強く、製品を導入しその周りのシステムを固めていくという手法でしょうか。NTTをはじめとした大手企業や官公庁への納入実績も多数で、比較的安定しているといえます。
業績
株価チャート
それでは早速、株価と業績を見ていきましょう。
例外なくコロナショックで株価を下げましたが株価は上昇。直近は調整中ですが、Wボトムを形成。
PERは22倍と一見普通ですが、高値平均が60倍、安値平均が20倍ですから、直近で見ればまだまだ割安。
2021年4月23日現在
PER | 22.34倍 |
PBR | 4.79倍 |
EPS | 80.7円 |
過去5年業績
売上高 | 営業利益 | 税前利益 | 利益 | 1株益(円) | 1株配(円) | |
連18.12 | 15,266 | 1,367 | 1,240 | 329 | 17 | 10 |
連19.12 | 15,552 | 1,081 | 1,051 | 660 | 34.8 | 10 |
連20.12 | 16,457 | 1,866 | 1,945 | 1,483 | 78.3 | 12 |
連21.12予 | 17,200 | 2,200 | 2,150 | 1,500 | 80.7 | 14 |
連22.12予 (四季報予想) | 17,900 | 2,400 | 2,350 | 1,650 | 88.8 | 14 |
過去5年の業績です。順調に業績を伸ばしています。2021年12月期も過去最高益を予想。デジタル庁の発足と、GIGAスクール構想によりPCの普及が進むと、インフラ投資が進むと睨み、更なる発展が期待されます。ネットワーク機器やセキュリティ機器は必ず必要なものですから、今後は導入が進むことを期待しましょう。
※官公庁・教育関係者の皆さん、間違っても経費削減のためにセキュリティ対策費用を削らないでください!!
配当
配当は増配傾向にあります。
1株配(円) | |
連18.12 | 10 |
連19.12 | 10 |
連20.12 | 12 |
連21.12予 | 14 |
連22.12予 (四季報予想) | 14~16 |
2021年12月期は2円増配予定。配当性向は不明で、内部留保を優先しつつ、「安定した配当を継続して実施していくことを基本方針に、株主配当の充実を図りたい」とのことです。業績次第では来期の増配もあるかも。
株主優待
株主優待はありません。
投資体験談
保有していないので、ピックアップしたタイミングのみです。
ピックアップした銘柄が軒並み上昇すると言う奇跡のビギナーズラックとなった四季報2020年秋号にて、連続増益・手ごろな株価であることを理由にピックアップ。
例によって、こちらの銘柄もピックアップしたにもかかわらず放置。
直近は調整中ですが、セキュリティ関連は今後も需要があると見込み、購入のタイミングを狙っています。ただし、下記の懸念点があります。
気になる点
決算説明資料が無い…
何度か別の記事でもご紹介しておりますが、私は素人投資家のため決算短信よりもパワーポイントの決算説明資料を好みます。どの事業が伸びてその要因を理解するためですが、HPを拝見すると決算短信くらいしかなく、あまり投資家のほうを向いていないのではないかと疑問に思っています。
※決算説明会の録画配信は行っているようです。
ゼロデイ攻撃
内閣府において、ファイルの送受信にあたり、ソリトンシステムズの「FileZen」を導入しており、「ゼロデイ攻撃」を受けたことが明らかになっています。情報流出の可能性があり、調査を進めているとこのことです。(2021年4月23日時点)
会社公式発表によると、最新のファームフェアアップデートで対応済みとのことです。
教訓
- 連続増配
- 自社製品に強み
- セキュリティ製品の安全対策は?
内閣府採用の製品がゼロデイ攻撃を受けたことが引っかかります。順調に売上を伸ばしているだけに大きく影響しなけばいいのですが…。
あくまでも投資は自己判断でお願いします。