引き続き、四季報2021年春号より割安な好業績銘柄のご紹介です。
コロナショックで業績を落とした企業が多い中、関係なく業績を伸ばしているIT業界。特に、半導体や組み込みソフトの需要が高まっています。
今回は3918 PCIホールディングスをご紹介いたします。
3918 PCIホールディングスとは
会社概要
2005年に株式会社 M&S(資本金 2,500万円)設立
2007年にPCI ホールディングス株式会社に社名変更
2015年 東京証券取引所マザーズ市場に上場
2016年 東京証券取引所市場第一部へ市場変更
IT関連事業を営む事業会社を傘下に置く純粋持株会社で、M&Aにより事業規模を拡大している会社です。
2021年1月にPCや周辺機器開発を手がけるソード社を買収。さらなる事業の発展が見込まれています。
主な事業は4つ。
エンベデッドソリューション事業は自動車、重機、建機等に必要不可欠な制御ソフトウェアの開発、移動体通信等の通信インフラとなる電気通信分野向け装置の開発及びその他情報家電機器、各種産業機器や半導体製造装置等の制御ソフトウェアの開発がメイン。
ビジネスソリューション事業は金融・製造・流通・その他企業向けの一般情報系ソフトウェア開発で、一般的な「システム開発」と呼ばれる事業です。
IoT/IoEソリューション事業は組み込みソフト開発の実績・技術力を活かしたソリューションの提案あるいは顧客企業との共同開発。最近では、高速で移動する自動車と自動車との通信を可能とするプラットフォームの開発、再生可能エネルギー発電施設における発電状況モニタリングのための遠隔監視システムの開発を行っているようです。
半導体トータルソリューション事業はLSI設計、テスト設計、評価等、半導体開発全般のサービスを展開しています。
事業ごとの売上比率で見ると、エンベデッド・ビジネスソリューションが大半を占めますが、IoT/IoEソリューション事業の売上が近年伸びています。
HPや決算説明資料を見る限りは、確かな技術力はありそうですが、実際には一次請けの案件数はさほど多くなく、客先常駐の割合が多い一般的なSIerのようです。
今後は、IoT/IoEソリューション事業等で自社独自のサービスを開発し、一次請け比率を高めていくことが課題といえそうです。
業績
株価チャート
早速、株価と業績を見ていきましょう。
例外なくコロナショックで急落。
その後好調な業績を受けて、株価上昇中。コロナ後からは右肩上がりのトレンドを形成しています。
PERは24倍。(2021年4月11日時点)PER高値平均は34.1倍、安値平均19.8倍でまだまだ割安の部類に入ります。四季報発売時点(2021年3月1日時点の株価)ではPER16.4倍だったのでその当時に仕込めていれば…
2021年4月9日時点
PER | 24.04倍 |
PBR | 2.53倍 |
EPS | 63.73円 |
過去5年業績
売上高 | 営業利益 | 税前利益 | 利益 | 1株益(円) | 1株配(円) | |
連18.9* | 14,493 | 728 | 771 | 469 | 56.9 | 27.5 |
連19.9* | 16,540 | 822 | 843 | 459 | 55.5 | 30 |
連20.9* | 16,758 | 750 | 804 | 286 | 34.9 | 31 |
連21.9予 | 21,200 | 950 | 965 | 525 | 63.73 | 31 |
連22.9予 (四季報予想) | 29,600 | 1,300 | 1,350 | 800 | 97.1 | 31 |
過去5年の業績です。2020年9月期はコロナショックの影響、特に自動車業界が不調だったこともあり車載向けの組み込みシステムが落ち込みました。21年9月期は増益予想。なお、四季報予想は会社予想を大きく上回っています。四季報予想を上回ることがあれば株価の更なる上昇が見込めます。
配当
基本的には増配傾向にあります。
【業績】 | 1株配(円) |
連18.9* | 27.5 |
連19.9* | 30 |
連20.9* | 31 |
連21.9予 | 31 |
連22.9予 (四季報予想) | 31 |
株主還元方針については、配当性向30~50%を目安に安定した配当を継続しながら、自己株買いを含めた総合的な還元の向上を目指すとあります。現在の配当性向が50%を超えているのは気になる点ですが、業績次第では増配の期待が持てます。
株主優待
株主優待はありません。
投資経験談
まだ所有していないため、ピックアップしたタイミングのみです。
四季報2021年春号にてピックアップ
四季報2021年春号にてピックアップ。
PERはまだまだ株価上昇の余地があると判断。
気になる点
出来高が少ない
東証一部上場銘柄であるにもかかわらず、一日の出来高は10万株以下。今後の市場再編でプライムを維持できるのかが焦点となりそうです。
HPのSEO対策が…
トップページのdescriptionが一言しか記述されておらず、非常に残念です。会社名でピンポイントに検索される分には問題ないのですが、「組み込み」「車載」「半導体」といったキーワードでのアクセスは絶望的です。IT関係といっても、非web系の会社はあまりHPに力を入れていないことが多いので、注意が必要です。
教訓
- PERは高値平均より低め
- 業績好調
- 出来高が…
現在PERは高めですが高値平均よりは低め、出来高が少ないので投資はしづらい銘柄だと思われます。
あくまでも投資は自己判断でお願いします。