【書評】あなたの知らないあなたの強み【宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる】

以前日曜朝にやっていたアニメを見てから漫画にはまり、今も読み続けている「宇宙兄弟」を題材にした本です。「宇宙兄弟」に登場するキャラクターにあわせて、自分はどのタイプなのか、どのような強みがあるのかが気になり、読み進めました。

概要

FFS理論とは

ストレス理論をベースに研究されたものです。人によってストレスに感じる刺激は違います。その感じ方や捉え方を5つの因子として軽量化したものがFFS理論です。

凝縮性

正しいか正しくないかで判断。責任感が強く、こだわりが強い。日本人には少ない。

受容性

無条件に受け入れる母親的素質。面倒見がよく寛容。

弁別性

白黒はっきりさせないと気がすまない。合理的・現実的。

拡散性

好きなものにはどんどん手を出して挑戦していく。考える前に行動するタイプ。

保全性

準備をしっかりとしてコツコツとモノを進めていく。協調性が高いが、安全策をとりがち。

上記、5つの因子をふまえたうえで、タイプを診断します。
どうやら私は、保全性・受容性が高いムッタタイプのようです。アニメにはまったのが、自分とムッタが似ているなあと思ったからでしたが、直感は当たっていたようです。

自己理解

どうやら日本人の6割が「受容性」と「保全性」が高いようです。

保全性は準備はするがなかなか前に踏み出せない

やみくもに情報を集めるのではなく、専門知識を蓄積し体系化して理論武装する。「これなら誰にも負けない」と思えるものがあれば自身を持って踏み出せる。

受容性は決められないことが多い

決められないことは、柔軟で寛容な個性の強みがでているため。面倒見のよい個性を活かし、同意のプロセスを丁寧に回せば質の高い意思決定が出来る。

リーダーとは

一般的にリーダーシップというと、率先垂範・組織変革・攻撃的手法。部活のキャプテンや学級委員のような「俺が俺が」というタイプが多い。ただしこれは、「拡張性」「凝縮性」に当てはまる個性。

日本人に多い、「保全性」「受容性」を活かしたリーダーシップとは?

サーバント型リーダーシップ

傾聴・共感・気づき・見通しといった日本人の特性にあったリーダーシップ。傾聴と共感による合意形成、仕組み化による合意形成。

所感

久々に良書に出会えました。5つのタイプによって、それぞれ強みだったりストレスに感じることが違います。そのため、例えば「凝縮性」の高いこだわりの強い怖そうな人の正義感がパワハラと捉えられたり、「弁別性」の高い合理的な判断がドライと感じさせてしまったりということが起こりがちですが、それぞれの特性をあらかじめ理解できておれば、無用なトラブルは避けられそうです。

日本人の場合は「保全性」「受容性」が高いのに、いざ役職につくと「拡張性」「凝縮性」のタイプが得意な変革型リーダーシップが求められるというのも変な話です。戦前の軍隊方式、戦後の製造業を中心とした年功序列の方式がそうさせてしまったのかも知れません。しかし今は令和です。本来の特性とは違うストレスを感じるリーダーシップをやっているわけですから、上手くいくはずがないのです。

私も経験が有りますが、無理に「俺が俺が」というリーダーではなく、「周りを支える」「縁の下の力持ち」を目指したほうが結果的に下がついてきてくれているということが多く有りました。

もちろん「拡張性」「凝縮性」が高い方は強みを活かしてどんどんチャレンジしていけばいいと思います。

変化の激しい時代、自分の強みと仲間の強みを理解して、協調して仕事もプライベートも進めていきましょう。

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