引き続きR&Iファンド大賞2022の中から優秀ファンド賞を受賞した投信をご紹介していきたいと思います。
金利上昇局面では、益回りの低くなるグロース株よりも、手っ取り早く配当金がもらえる高配当株や明らかに割安と思われるバリュー株のほうが優位とされます。FRBが利上げを発表した後、ハイテク中心のグロース株が叩き売られ、高配当のバリュー株は堅調に推移しています。
今回は、グロ−バル・バリュー・オ−プンをご紹介いたします。
グロ−バル・バリュー・オ−プンとは
グロ−バル・バリュー・オ−プン (以下、地球視点)は野村アセットマネジメント株式会社が運用を行うアクティブファンドです。
投資コンセプトは下記の通りです。
- 投資対象国は、アメリカ・イギリス・⽇本等の主要国
- ボトムアップ・アプローチで銘柄を選択
投資対象となるのは、アメリカ・イギリス・日本等の先進主要国の中・⼤型株が中⼼となりますが、主要国以外でも特に投資魅⼒のある銘柄は個別に組み⼊れを検討するとのことです。
MSCI ワールド インデックス フリー(円換算ベース)をベンチマークとして、世界各国の株式の中から優良銘柄を厳選。配当利回り等の各種バリュー指標をもとに、ポートフォリオマネージャーの判断に基づき割安と思われる銘柄に投資を⾏なうことを基本とします。
銘柄選定に当たっては、安定的な収益⼒が⾒込まれる企業を重視。
過去の業績推移やその実績を⽣み出してきた企業⽂化、ROE、ESGへの取り組み等を精査することで、収益⼒が安定的に継続すると⾒込まれる企業を選定します。
基本情報
設定日 | 1996年11⽉29⽇ |
償還日 | 2026年11月30日 |
購入時手数料 | 最大3.3%(税込) ※証券会社によって異なる。ネット証券は無料 |
信託財産留保額 | 換⾦時に基準価額に0.3%の率を乗じて得た額を1⼝あたりに換算 |
管理費用 (含む信託報酬) | 年率1.672%(税込) |
分配金 | 年2回(5月、11月) |
基本情報は上記の通りとなります。アクティブファンドですが、管理費費用は1.672%と割と高めです。
歴史は古く、1996年設定の30年投信。
構成銘柄
構成銘柄上位10位については下記の通りです。(2022年3月末時点)
銘柄名 | 国籍 | 比率 |
---|---|---|
マイクロソフト | アメリカ | 4.2% |
アップル | アメリカ | 4.1% |
ジョンソン・エンド・ジョンソン | アメリカ | 3.4% |
ブロードコム | アメリカ | 3.2% |
シスコシステムズ | アメリカ | 2.4% |
ペプシコ | アメリカ | 2.4% |
ユナイテッドヘルス・グループ | アメリカ | 2.2% |
ロシュ・ホールディング | スイス | 2.2% |
台湾セミコンダクター | 台湾 | 2.0% |
フィリップ・モリス・インターナショナル | アメリカ | 2.0% |
構成銘柄は75銘柄。バリュー投資といいながら、いつもの米国・全世界インデックス投資の上位銘柄と変わらず、マイクロソフト・アップルの二大IT巨頭が並び立つという予想外の結果。ただ、無配のアマゾン・メタは外れていますし、高配当のエクソンモービル・コカコーラも圏外です。
なお、日本からは2021年11月時点での情報では、ダイキン・大和ハウス・コマツ・KDDI・三菱電機が名を連ねているようです。(三菱電機は安いかもしれませんが、ESG投資の観点からはちょっと…)
今後も成長が期待され、割安と判断された銘柄が並んでいるものと思われます。
パフォーマンス
基準価額推移
設定来、基準価額は2022年4月28日時点で、21,080円。(分配金再投資 51,058円)
リーマンショック後は長らく低迷が続きましたが、長期的に見れば右肩上がりの結果となっています。
過去のパフォーマンス
2022年4月末時点の情報です。
期間 | 騰落率(分配金込み) |
---|---|
半年前から | +6.5% |
1年前から | +15.9% |
3年前から | +55.9% |
5年前から | +86.3% |
設定来 | +371.9% |
設定来からみると、+371.9%です。
長期で見ると右肩あがり。
前述しましたが、R&Iファンドアワードの投資信託部門(直近3年以内)、投資信託10年部門の外国株式バリューにて最優秀ファンド賞を受賞。
まとめ
結果として、組入れ銘柄は全世界株式インデックスの上位銘柄とあまり変わらない結果となりましたが、裏を返せばこれらの銘柄はまだまだ成長が見込めて、割安すぎるとの判断だと思われます。日本の銘柄だとコマツあたりに頑張ってもらいたいところですが、組入れ銘柄が少ないのは残念です。
※あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。