引き続き、四季報の中から気になった銘柄をピックアップしていきたいと思います。半導体関連銘柄ですが、一風変わって半導体製造過程におけるシリコンウェハの運搬容器を製造している会社です。ほぼこの事業専業ながら世界トップシェアを誇る競争力の高い企業です。
今回は4238 ミライアルをご紹介いたします。
4238 ミライアルとは
会社概要
ミライアルは、プラスチックメーカーとして創業から積み上げてきた成形技術を活かし、半導体関連を始め様々な業界で機能性樹脂製品の開発に携わっています。
ICチップの原材料ともいえるシリコンウェーハを電子部品メーカーへ運ぶための容器「FOSB」を製造し、PCなど電子機器の生産において必要不可欠な役割を担っています。
出荷容器が経営の柱で、導体工場向け工程内容器も手がけています。
沿革
1968年7月 設立 高機能樹脂製品の製造および販売を目的として株式会社柿崎製作所を設立
1973年6月 フッ素樹脂PFAの開発により、シリコンウェーハ工程内容器の本格量産に入る
1999年10月 300mmシリコンウェーハ出荷容器「FOSB」の販売開始
2003年8月 ミライアル株式会社へ商号変更
2005年7月 東証ジャスダック証券取引所に株式を上場
2011年11月 東京証券取引所市場第二部に株式を上場
2012年11月 東京証券取引所市場第一部に株式を上場
なお、2022年4月の東証再編では、プライムではなく【スタンダード】市場を選択。
事業概要
経営の柱は、半導体業界向けのプラスチック成形事業。
半導体の中でもシリコンウェハ搬送容器で世界トップシェアを誇ります。ただ製造を行うだけでなく、最先端の技術を有し製品設計・試作・金型製作・製品評価・量産まで一貫生産体制をとっています。
半導体の不足が叫ばれていますが、半導体を運搬するにも専用の容器が必要で、なおかつ継続して利用していると劣化するため一定のサイクルで買い替えも必要となります。
半導体の生産そのものは急には増えませんが、製造工程においては常に運搬容器が必要となります。
他の事業としては、傘下のグループ会社による成形機事業、樹脂・金属加工事業があります。
業績
株価チャート
株価を見ていきましょう。
コロナショック時は700円台をつける場面もありましたが、半導体需要の不足も相まってすぐに回復。現在は1,400円~1,800円のレンジでうろうろとしています。
(2022年4月1日時点)
PER | 6.90倍 |
PBR | 0.76倍 |
EPS | 155.3 円 |
過去5年業績
売上高 | 営業利益 | 税前利益 | 利益 | 1株益(円) | 1株配(円) | |
連18.1 | 8,491 | 1,098 | 1,424 | 1,085 | 120.7 | 30 |
連19.1 | 10,013 | 1,486 | 1,630 | 1,255 | 139.7 | 30 |
連20.1 | 9,582 | 1,250 | 1,355 | 913 | 101.6 | 30 |
連21.1 | 9,733 | 868 | 954 | 1,009 | 112.2 | 30 |
連22.1 | 11,661 | 1,898 | 1,968 | 1,397 | 155.3 | 45 |
過去5年の業績と予想です。上場企業にしては珍しい1月末決算。
業績は右肩上がりですが、23年1月期の業績予想については先行き不透明のため算定困難とのことで非開示。半導体不足はまだまだ続きそうですが、化学系の会社にとっては大きな打撃となる原材料費高・円安のダブルパンチで今後は少し雲行きが怪しいか?
配当
1株配(円) | |
連18.1 | 30 |
連19.1 | 30 |
連20.1 | 30 |
連21.1 | 30 |
連22.1 | 45 |
配当は右肩あがり。23年1月も順調なら配当維持もしくは増配か?
株主優待
優待はありません。
まとめ
- 半導体関連
- 割安銘柄
- 原材料費高が懸念材料
半導体関連でいうと、半導体製造装置に注目が集まりがちですが、「運搬容器」も必要不可欠な資源です。事業の内容としては、半導体向けのシリコンウエハ容器が世界トップシェアを誇りますが、ほぼその事業専業という半導体需要に左右されるリスクがあります。さらに、原材料高・円安が同影響するか。世界トップシェアを誇るために価格転嫁できるといいのですが。
あくまでも投資は自己判断でお願いします。