久々に投信の記事でも書いてみようと、モーニングスターのサイトを訪問したところ、ファンドオブザイヤー2021が発表されていました。優秀ファンド賞を受賞したファンドの中から、いままでにご紹介したことの無いファンドで面白そうなものをいくつかピックアップしていきたいと思います。
今回は三菱UFJ 日本株オープン「35」についてご紹介いたします。
三菱UFJ 日本株オープン「35」
三菱UFJ 日本株オープン「35」は三菱UFJ国際投信が運用を行うアクティブファンドです。
投資コンセプトは下記の通りです。
- 日本の株式等へ投資
- 「企業の成長性」に着目して厳選した「35銘柄」に主に投資
「将来の業績が伸びる(成長・再成長)企業」を観点に銘柄を選定します。
個別銘柄の選定にあたっては、収益性、成長性に加え、環境問題に対する意識の高まりや人口構造の変化といったマクロ環境を背景に、「脱炭素社会」、「デジタル化(DX)」といったテーマにも着目し、投資を行います。
35銘柄と銘柄数は絞り込んでいますが、ベンチマークとするのは日経平均ではなくTOPIXです。
ファンドマネージャーは32年以上のベテラン小島 直人氏。企業の直接訪問等を行うことにより、経営理念とその実現性・浸透度などを判断します。他にサプライチェーン分析や、四半期毎の利益改善を重視した分析など、独自の視点から選別を行います。
基本情報
設定日 | 1999年3月24日 |
償還日 | 2024年3月22日 |
購入時手数料 | 最大2.2%(税込) |
信託財産留保額 | 0.3% |
管理費用 (含む信託報酬) | 年率1.65%(税込) |
分配金 | 年1回(3月) |
基本情報は上記の通りとなります。アクティブファンドのため、管理費用1.65%と高め。
1999年に設定され、2024年に満期を迎えるため、投資期間としてはあとわずかとなっております。
構成銘柄
構成銘柄上位10位については下記のとおりです。(2022年1月末時点)
銘柄 | 業種 | 構成比率 |
---|---|---|
イビデン | 電気機器 | 5.3% |
昭和電工 | 化学 | 5.1% |
そーせいグループ | 医薬品 | 4.8% |
三菱UFJフィナンシャル・グループ | 銀行業 | 4.5% |
デクセリアルズ | 化学 | 4.4% |
山一電機 | 電気機器 | 3.9% |
トヨタ自動車 | 輸送用機器 | 3.8% |
ソニーグループ | 電気機器 | 3.4% |
富士電機 | 電気機器 | 3.4% |
第一三共 | 医薬品 | 3.3% |
構成銘柄は35銘柄を超える42銘柄。月次レポートでは全42銘柄が公開されています。
業種別で言うと、電気機器・化学・輸送用機械と業種が上位を占めいったものづくりニッポンを象徴した結果となりました。
上位構成銘柄にはド定番といえる銘柄が並びました。
パフォーマンス
基準価額推移
設定来、基準価額は2022年2月12日時点で、13,488円。
TOPIXをベンチマークとしている関係上、リーマンショック~東日本大震災の2009年から2012年頃まで低迷後、アベノミクスの恩恵を受ける形で上昇しています。
過去のパフォーマンス
2022年1月末時点の情報です。
期間 | 騰落率(分配金込み) |
---|---|
6ヶ月前から | -4.44% |
1年前から | + 0.16% |
3年前から | + 65.54% |
設定来 | + 189.38% |
設定来からみると、+ 189.38%です。
前述しましたが、 ファンドオブザイヤー2021 国内株式型 部門優秀ファンド賞を受賞。
2021年のトータルリターンは17.57%となり、ベンチマークを7.17%、類似ファンド分類平均を6.81%上回りました。2021年のシャープレシオは2.22と、類似ファンド分類内で上位8%(142本中11位)と優れた運用の効率性を示しました。
まとめ
どのファンドを選んでいいのかわからない場合は、人気・好業績のファンドを選んで投資するというのが鉄板です。本ファンドは大型のド定番銘柄中心ですが、「成長」の可能性がある銘柄に絞っている分、海運や鉄鋼のような所謂「バリュー株」ばかりではありません。トヨタなどはテスラよりももっと時価総額が上で良いような会社ですし、今後のEVシフトでもさらに成長が期待される会社です。
ファンドの投資期間自体は残り少ないですが、月次レポートの構成銘柄をみて、今後伸びる業種・銘柄を選定していきたいと思います。
※あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。