【書評】人は、なぜ他人を許せないのか?

コロナ禍で自粛警察になる人が増えたり、SNS上で誹謗中傷して命を絶つという悲しいニュースが増えてきた中、なぜこのような人が増えてしまったのか、脳科学の観点から説明した本です。

概要

脳科学の観点から

年をとると前頭葉が衰える

加齢により、前頭葉が衰えると、自制する力が弱まり、自分の考えだけが正しいと思い込むようになる。

攻撃すると気持ちいい

人を攻撃すると、ドーパミンがでて快感が得られる

社会情勢の変化

SNSの普及

昔は有名人を直接誹謗中傷するには、手紙を書く、ネット掲示板くらいしかなかったが、有名人がインスタ・Facebookなどで直接一般人と交流する機会が増え、それがかえって直接攻撃する手段を作ってしまう形になった。

個人に最適化されたニュースが配信される

yahooニュースなどを見ているとわかるが、これまでの閲覧履歴から閲覧者に最適なニュース・広告が自動的に上位に表示されるようになっている。

(SEO対策、WEB広告を少しかじったことがあるのでわかるが…)

プロ野球、格闘技、時計など男性が好みそうな記事やサイトばかり見ている人に、間違っても女性向けの化粧品の広告や記事は表示されない。

これをニュース記事に当てはめると、自分の趣向に合う記事・自分にとって都合のよい記事ばかりが優先表示される。

優先表示された記事を浅い知識としてとりこみ、偏った考え方となってしまう。

所感

本当に最近悲しい事件が多く、暗い気持ちになってしまいます。

周りを見渡してみても、周囲に攻撃的になる人が増えた印象です。(身内・職場の同僚含めて)

怒りやすい人を見ていて個人的に思うのは、「視野が狭い」ということです。「こうしなければならない」「こうじゃなきゃいけない」「なぜできないのか」と怒鳴り散らす人は自分の狭い知識を周囲に押し付けているに過ぎない。相手の背景や経緯を考えることなく一方的に決めてつけているのではないかと思います。

そのような考え方とならないためには、幅広い考え方に触れる・ニュース記事は必ずソース・エビデンスを確認するといったところでしょうか。

本書では結論は導き出されていませんでしたが、自分なりに考えた結果は上記となります。

間違っても人を攻撃するといった愚かな行為に及ばないよう、読書を通じて知見を広めていきたいと思います。

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